UXリサーチとは? 具体的な手法7つや実施のポイントを解説 | フリーランス・業務委託採用|クロスデザイナー

UXリサーチとは? 具体的な手法7つや実施のポイントを解説

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UXリサーチは、サービスや製品を開発する際に行われる調査で、UXデザインには欠かせないものです。

この記事では、UXリサーチの概要から、具体的な手法や実施する際のポイントまで、詳しく解説します。

「UXリサーチを実施したいが、やり方がわからない」といった方は、ぜひ参考にしてください。

UXリサーチとは

UXリサーチは、UXデザインのためにユーザーの心理やニーズを明らかにする目的で行う調査です。

UXは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、ユーザーがサービスや製品を利用して感じる価値や満足度など、顧客体験から得られるものを意味します。

この顧客体験から本質的なニーズを発見し、ビジネス上の課題解決のために活用する「デザイン思考」が注目されています。

ここで、デザイン思考の代表的なフレームワークである「ダブルダイヤモンド」を紹介しましょう。

ダブルダイヤモンドは、英国政府のデザイン振興機関であるデザイン・カウンシルが提唱した考え方です。

▲出典:デザイン・カウンシル「Framework for Innovation: Design Council's evolved Double Diamond

左右に並ぶ2つのダイヤモンドは、「課題発見」と「課題解決」のフェーズを示しています。

左の1つめのダイヤモンドは、「Discover(発見)」から「Define(定義)」のステップで、課題を発見して定義します。

UXリサーチには大きく分けて「探索型リサーチ」と「検証型リサーチ」があり、この課題発見のフェーズでは探索型リサーチを実施します。

右の2つめのダイヤモンドは「Develop(開発)」から「Deliver(実現)」のステップで、仮説やプロトタイプに対してテストを重ねてブラッシュアップし、正しい解決策を導きます。

この課題解決のフェーズでは検証型リサーチを実施します。

図の矢印が示すように、プロセスの流れは一方向ではありません。製品やサービスがどのように機能しているかについて常にフィードバックを受けながら、課題発見と課題解決のフェーズを行き来したり、4つのステップを繰り返したりして改善していきます。

次章で、探索型リサーチと検証型リサーチについて説明します。

UXリサーチの目的

前述の通り、UXリサーチには大きく分けて「探索型リサーチ」と「検証型リサーチ」があり、プロジェクトの段階ごとに、目的に合った適切なリサーチを実施することが大切です。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

探索型リサーチ

探索型リサーチは、対象のサービスや製品にどのような課題があるのか、顕在ニーズや潜在ニーズを発見するための調査です。企画段階などで、明確な仮説を立てる前に行います。

探索型リサーチで使う代表的な手法は、主に以下の3つです。

・インタビュー

・アンケート

・ユーザビリティテスト

(UXリサーチの代表的な手法については、次章で説明します。)

課題発見のフェーズで行う探索型リサーチでは、

「操作がわかりにくいという課題に対して、UIはAにすれば解決できるのではないかと考えているが、ユーザーが実際に使ってみてスムーズに操作できるか」

「使用感が良くないという課題に対して、Bという解決策を基にしてプロトタイプを作ったが、ユーザーは気に入るか」

といった仮説に対して、正直なフィードバックが得られます。
ほとんどの場合、一度の検証と改善で正しい解決策を導くのは難しいでしょう。
そのため、検証と改善は何度か繰り返して行い、解決策をブラッシュアップする必要があります。

次章で、UXリサーチの手法について説明します。

UXリサーチの手法7選

UXリサーチで使う手法は、取り扱うデータの種類によって、「定性調査」と「定量調査」の2つに分けられます。

ここで、定性調査と定量調査について説明し、代表的な手法について紹介します。

1. 定性調査

定性調査は、ユーザーの素直な言葉や行動そのものといった数値化できないデータの収集を目的とした調査手法です。

定性調査を行うメリットは、数値化できないユーザーの心理や行動がわかることです。

デメリットは、調査の設計や実施を担当する人のスキル、対象者の選定などによって、調査の成功が左右されやすいことです。

定性調査の代表的な手法は、主に以下の3つです。

・インタビュー

・ユーザビリティテスト

・専門家のユーザビリティ評価

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

インタビュー

ユーザーから、対象や競合のサービス・製品についての感想や意見を収集します。

例えば、あるサービスの利用者が対象である場合、利用する動機、利用した際に不満に思った点や満足した点などをインタビューします。

「メディアで知って興味を持った」

「ほしい機能がなかった」

「価格が安いのに多機能だから選んだ」

こちらも合わせてご覧ください。

関連記事:ユーザーテストのためのインタビュー術

ユーザビリティテスト

ユーザーにとって対象のサービスや製品は使い勝手が良いかをテストします。プロトタイプや競合のサービス・製品を使ってもらい、その発言や行動を観察します。

下記の記事も合わせてご覧ください。

関連記事:UXデザインで必須のユーザーテストとは? やり方とメリットを解説!

専門家のユーザビリティ評価

ユーザビリティの専門家が、対象の製品やサービスについて、ガイドラインや経験則に基づいて評価し、ユーザビリティ上の問題点を抽出します。

専門家によるユーザビリティ評価は、「ヒューリスティック評価」とも呼ばれます。

「Heuristic(ヒューリスティック)」は「発見的手法」を意味する心理学用語で、経験や先入観によって、直感的にある程度正解に近い回答を得る発見方法です。

2. 定量調査

定量調査とは、数値化することを想定したデータの収集を目的とする調査です。調査結果は統計学的に分析します。

定量調査のメリットは、ユーザーの顕在ニーズや潜在ニーズについて、ボリュームや傾向を明らかにでき、表やグラフなどでわかりやすく可視化できることです。

デメリットは、数値化されたデータの分析を担当する人のスキルなどによって、調査の成功が左右されやすいことです。

定量調査の代表的な手法は、主に以下の4つです。

・アンケート

・ホームユーステスト

・アクセス解析

・ABテスト

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

アンケート

アンケートには、複数の質問項目を用意してもらう「選択式」と、文章で回答してもらう「記述式」があります。

選択式は、全体の傾向や市場規模を把握したい場合に向いています。

記述式は、課題発見フェーズで立てた仮説に対してユーザーはどう考えるかといった、選択式にはない定性的な視点からの結果も得られます。

ホームユーステスト

ユーザーに対象のサービスや製品を送付し、実際に利用してもらったうえで感想などのデータを収集します。

一定期間使わないと評価しにくいサービスや製品の調査に向いています。

アクセス解析

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの解析ツールを使用して調査します。

Webサイト全体のデータを蓄積し、アクセス数やコンバージョン数などを基に分析します。

ABテスト

一部の要素を変更した2つのパターンを用意して、効果の比較検証を行います。

Webサイトやアプリの一部分や、LPやバナーなどで、複数のテストパターンを用意して一定期間運用し、それぞれのアクセス数やコンバージョン数などから、より成果の出せるパターンを見つけます。

下記の記事も合わせてご覧ください。

関連記事:ABテストとは? サイト改善に導く方法とおすすめツールを解説!

UXリサーチャーの役割

UXリサーチャーの主な役割は、UX最適化のために定性調査や定量調査を実施することです。リサーチによりユーザーから得たインサイトを元に仮説を立てて、適切な改善策を立案することを目的としています。

「Insight(インサイト)」は「物事の実態や本質を見抜くことや、その力」を意味します。マーケティング論では「ユーザーの隠れた心理を見抜き、ユーザーを動かすために必要なことを発見する」といったことを示します。

UXリサーチャーの主な業務内容は、以下の3つに分けられます。

・リサーチの実施と調査結果の分析

・リサーチ結果のデータ整備とナレッジの蓄積

・リサーチスキルの向上と育成

リサーチの実施と調査結果の分析については、これまでに述べた通りです。

大切なのはリサーチの完了ではなく、プロジェクトに活用することがゴールであることを意識して取り組むことです。

また、そこで終了とせず、リサーチ結果のデータを整備してナレッジを蓄積しておくと、より多くのプロジェクトで活用できます。

そのうえでリサーチスキルの向上と新たなUXリサーチャーの育成をはかることで、組織力の強化にも繋がるでしょう。

UXリサーチのポイント

UXリサーチを実施する際のポイントは、主に以下の3つです。

・ユーザー体験は自然な状況で行えるようにする

・調査結果に一喜一憂しない

・リサーチは継続的に実施する

それぞれについて詳しく説明します。

<h3>ユーザー体験は自然な状況で行えるようにする

ユーザーにとって自然な状況で、いつも通り自由に行動してもらえるよう心掛けましょう。

仮説を肯定するためにリサーチが誘導的になってしまうと、正しい結果が得られません。

先入観や信念が強すぎる場合も、仮説を支持する情報ばかりを集めて、都合の悪い意見を排除してしまう傾向があるため、注意しましょう。

開発や制作に関わるメンバーでは公平な立場でリサーチを行うことが難しい場合は、第三者的なメンバーをリサーチャーとしてアサインするというのもひとつの手です。

調査結果に一喜一憂しない

ユーザーの反応はどうしても気になってしまうもの。特に思うような評価が得られなかった場合は、つらい状況に追い込まれることもあるでしょう。

しかしユーザーの反応は、あくまでも課題発見や課題解決のためのきっかけとして客観的に捉えることが大切です。

リサーチは継続的に実施する

1度のリサーチから得られるインサイトで正しい解決策を導くのは難しいため、繰り返し実施する必要があります。

また、ユーザーが置かれている生活環境は変化することから、継続してリサーチを行いましょう。

UXリサーチならクロスデザイナーがおすすめ!

本記事では、UXリサーチの概要から、具体的な手法や実施する際のポイントなどについて、詳細に解説しました。

UXリサーチを行うと、ユーザーの行動や心理がわかり、根拠に基づいた具体的で効果のある改善施策に繋げらるため、ぜひ導入してみてください。

課題発見と課題解決のフェーズを行き来し、検索型リサーチと検証型リサーチをうまく組み合わせると、より有効に活用できます。

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曄道 うるは
記事を書いた人
曄道 うるは

Webディレクター&SEOライター。出版業界、広告代理店、IT業界を経てパラレルワーカーに。執筆した記事は500を超える。得意ジャンルはIT、ヘルスケア、金融。座右の銘は「好きを仕事に」。