UXデザイナーに必要なスキルとは?主な仕事内容や作業環境を解説 | フリーランスデザイナー・業務委託採用|クロスデザイナー

UXデザイナーに必要なスキルとは?主な仕事内容や作業環境を解説

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UXデザイナーは、ユーザー体験を中心とするプロダクトを設計するための共感力や市場調査・分析力などのスキルが必要です。仕事内容は幅広く、クライアントとも関わりながら進めていくため、コミュニケーションスキルも求められます。

ただし、最初からこのようなスキルを身につけている人はほぼいないでしょう。ふだんの生活のなかで、少し意識するだけで身につけられるものもあります。

この記事では、UXデザイナーに必要なスキルについて解説します。おもな仕事内容や活躍できる職場についてもまとめました。

UXデザイナーとは

UXデザイナーとは、ユーザーがプロダクトをとおして得られる体験をデザインするデザイナーです。UXとはユーザビリティのことで、国際規格「ISO9241-210」では以下のように定義されています。

製品、システムまたはサービスを使用した時、および/または使用を予測した時に生じる個人の知覚や反応

つまり、プロダクトを使用したユーザーが「使いやすいな」「楽しい」など感じたことすべてがUXと捉えて良いでしょう。たとえばWebサイトなら、お問い合わせフォームや商品の購入までスムーズに行えた経験などがUXになります。

UIデザイナーとの違い

UXデザイナーと似た職種でUIデザイナーがあります。UIデザイナーもユーザーの使いやすさを意識したデザインを作りますが、UXデザイナーと異なるのはビジュアルデザインの要素が強いところです。

インターフェースやワイヤーフレーム、インタラクションなどデザインの「見た目」の部分を担います。具体的な仕事内容は下記の記事で解説していますので参考になさってください。

関連記事:UIデザイナーに必要なスキルとは?UXデザイナーとの違いも紹介

UXデザイナーが必要とされる背景

インターネットの普及によりプロダクトを利用してもらうには、ユーザー体験を中心とするプロダクト設計が必要とされています。ビジネスの成長にも影響を与えることから、UXデザイナーは時代にあわせたプロダクトの成長に欠かせない人材として、各業界で需要が高まりつつあります。

これまで活躍してきたグラフィックデザイナーやWebデザイナーのなかには、UXデザイナーに関心をもっている人もいるのではないでしょうか。デザイナーとして将来活躍したいと考えている方は、下記の記事をお役立てください。

関連記事:デザイナーのキャリアパス9選|市場価値が高い職種やスキルも解説

UXデザイナーに必要なスキルセット

UXデザイナーとして活躍するには、以下のスキルが必要です。

  • マーケティングリサーチスキル
  • 共感力
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント力

それぞれくわしく解説します。

マーケティングリサーチスキル

ユーザーにより良い体験を提供するには、プロダクトに関する市場調査や分析が大切です。UXデザイナーは、あらゆるデータをもとに最新のトレンドなど幅広い情報を調査します。調査方法には以下のようにさまざまな方法があります。

定量調査定性調査

データ分析
A/Bテスト
アンケートなど

インタビュー
フィールド調査
ユーザビリティテストなど

定量調査は、購買量や購入率、リピート率などのデータをもとに、プロダクトの成長に有益な情報を抽出します。明確な数値で表せるため、合理性を重視したい場合に効果的です。ツールを使えば大量のデータも収集・調査が可能です。

定性調査は、インタビューやアンケートなど数値では表しにくい情報を調査する方法です。ユーザーの潜在意識をくみ取るためのインタビュースキルが必要とされます。定量調査と比べて手間がかかるため、収集量は多くありません。

UXリサーチの具体的なやり方は、下記の記事でくわしく解説しています。

関連記事:UXリサーチとは?具体的な手法7つや実施のポイントを解説
関連記事:デザインリサーチとは?ユーザーの潜在的ニーズを探る革新的な手法や目的、活用事例などを紹介

共感力

UXデザイナーは、ユーザー視点が求められます。リサーチで得たあらゆる結果をもとに、ユーザーが何を考え、どう感じているのか、どうなって欲しいのかを深く理解しなければなりません。

ユーザーに深く共感することで、ユーザー自身も気がついていない潜在的な意識を理解できるようになります。潜在意識に焦点をあてたプロダクトをつくることができれば、競合他社との差別化も可能です。そのため、共感力をもつ人材は多くのビジネスシーンで必要とされています。共感力はもともと高い人もいますが、後天的に養うことも可能です。

ユーザー理解にはカスタマージャーニーマップを作成する方法もあります。カスタマージャーニーマップは、ユーザーがプロダクトと出会うまでの体験を逆算して可視化したものです。調査結果も反映させることで、より正しいジャーニーを作成できます。

カスタマージャーニーマップの作り方は下記の記事でご覧ください。
関連記事:カスタマージャーニーマップとは?作り方と4ステップを紹介

コミュニケーション能力

UXデザイナーはクライアントやチームとの関わりも深く、多くの議論を重ねる機会が多いため、コミュニケーション能力は必須です。対話に関する基本的なコミュニケーション能力だけではなく、クライアントの意図をくみ取る能力も求められます。

またプロトタイプを共有するときは、共有機能を備えたツールを使用するのが一般的です。チャットツールなどテキストコミュニケーションが中心となることも多いため、テキストでのコミュニケーションスキルも備えていると重宝されるでしょう。

マネジメント力

UXデザイナーはプロジェクトチームを動かし、計画を進める役割をもっていることも多く、マネジメント力をもっている人は重宝されます。チームを率いるリーダーシップというよりも、進捗管理の役割が強いです。メンバー一人ひとりが主体的に動いてくれる組織体制を作るためのサポートを行います。

それぞれに目標を設定し、達成に向けてチームを主導していくのは大変な作業です。適切なサポートを行うためにも、UXデザイナーはさまざまな情報を集め、コミュニケーションを図り組織をデザインしていくマネジメント力が求められます。

UXデザイナーとしてあると良いスキル

UXデザイナーはマーケティングやコミュニケーション能力などの基礎スキル以外に、以下のようなスキルを備えているとより活躍の幅を広げることが可能です。

  • コーディングスキル
  • SEOスキル
  • デザインスキル
  • ビジュアルコミュニケーションスキル

それぞれかんたんに解説します。

コーディングスキル

HTML/CSS、JavaScript、Java、PHP、Pythonなどのプログラミング言語を理解し、コーディングができればUXデザイナーとしての活動領域を広げることができます。

ビジュアルデザインを中心に活動しているWebデザイナーも、コーディングができれば担える業務の幅も広がります。どのような業務を受けることができるのかは、以下の記事でくわしく解説しています。

関連記事:Webデザイナーはコーディングもできる?依頼できる業務を解説

SEOスキル

Webサイトの集客にはSEOに関する理解も必要です。ユーザーがWebサイトにアクセスしたときに、求める情報が探しにくく、わかりにくいとすぐに離脱してしまいます。ユーザーにとってわかりやすいWebサイトを作るために欠かせないのがUXデザインです。

SEOで検索エンジンからのアクセス流入を増やし、UXデザインでユーザーの満足度を高めることができます。相乗効果でWebサイトの品質向上も狙えるでしょう。

デザインスキル

UXデザイナーは、アイデアを具体的なデザインに起こすことは通常は行いません。デザイン制作に使用するソフトウェアを扱うことができれば、フレームワークやプロトタイプなどを作成・共有がしやすく、スピード感をもったプロダクト開発が可能になります。

UXデザイナーはUIデザイナーの領域を含めて活動することもあるため、職場によってはそもそも必須スキルとなっているケースも少なくありません。デザインスキルがあると包括的に業務を担うことが可能です。

ビジュアルコミュニケーションスキル

言葉を図で表すことができれば、どんな人にもわかりやすく伝えることができます。タイポグラフィやアイコンなど、デザイン理論の理解が必須です。クライアントとのコミュニケーションも取りやすくなります。

こうしたビジュアルコミュニケーションスキルは、街中のビジュアルでも多く見ることができるため、意識してみても良いかもしれません。

UXデザイナーの仕事内容

UXデザイナーの仕事内容は以下の6ステップとなります。

  1. 戦略
  2. 要件
  3. 構造
  4. 骨格
  5. 表層
  6. 効果検証

それぞれかんたんに解説します。

UXデザインのプロセスについては、下記の記事をご覧ください。
関連記事:UX改善の方法は?ユーザー体験を劇的に改善させるプロセスを解説

1. 戦略|調査・分析

現在のプロダクトがどのように認知されているのか、ユーザーは何を考えているのかなど市場調査を実施します。プロダクト開発にあたって欠かせない調査がUXリサーチです。

インタビューなどの定性調査とアクセス解析などの定量調査から得た結果をもとに、仮説を立てて改善策を立てていきます。具体的なUXリサーチのやり方は下記の記事で解説しています。

関連記事:UXリサーチとは?具体的な手法や実施のポイントを解説

2. 要件|コラボレーション

クライアントやチームメンバーと仮設や各要件のすりあわせを行います。より良いユーザー体験を設計するために、どのような機能やコンテンツが必要なのか、分析結果をもとに洗い出していくフェーズです。

カスタマージャーニーマップを作成することで、ユーザー視点をもちやすくなります。クライアントとチームでコミュニケーションを取りながら進めていきます。ユーザーストーリーマッピングなども活用が可能です。

関連記事:カスタマージャーニーマップとは?作り方と4ステップを紹介

3. 構造|ワイヤーフレーム

2のフェーズで洗い出した機能やコンテンツをワイヤーフレームに落とし込んでいきます。ユーザーが一番求めている情報は何か、優先順位を決めてWebサイトの設計図を作成するフェーズです。

ここではビジュアルを作りこまず、要素の配置やコピーなどを明確にすることだけに注力します。ユーザーの行動を考えながら決めることが大切です。

紙に書く方法もありますが、クライアントと共有がしやすいツールもあります。下記の記事で便利な機能を備えたワイヤーフレームツールを紹介していますので、参考になさってください。

関連記事:おすすめのワイヤーフレームツール9選を紹介!特徴と機能を一覧で徹底解説

4. 骨格|プロトタイプ

完全にデザインに落とし込む前に、プロトタイプを作成します。ワイヤーフレームでは定まっていなかった色や形などデザインを追加します。必要であればボタンを押したときに遷移するといった機能も付けて、テストを実施します。

テストはユーザーに実際に使ってもらうユーザビリティテストを実施することもあれば、2パターンのデザインを実際に稼働させるABテストなどの評価方法があります。テストを実施することで新たな課題の発見が可能です。

プロトタイプの作成方法や役立つツールについては、下記の記事でくわしく解説しています。

関連記事:Webデザインのプロトタイプとは?作成方法やおすすめツールを紹介

5. 表層|デザイン

具体的にビジュアルデザインを作りこんでいくフェーズです。マイクロコピーなど、ユーザーに正確にわかりやすく伝わるように整えていきます。最高のユーザー体験を提供するため、わかりやすいコピーを検討してください。ボタンなどの色や形状にもこだわることが大切です。

チームで進めていくうえで欠かせないのがデザインガイドラインです。下記ではデザインガイドラインの作り方と注意点について解説しています。

関連記事:デザインガイドラインとは?作り方5ステップと基本項目9つ、3つの注意点を解説

6. 効果検証|テスト

デザインを作成したら終了というわけではありません。プロダクトに対するニーズやデザインは時代とともに変化します。完成後もデータを収集し、ブラッシュアップをくり返すことが大切です。

プロダクト開発に欠かせないユーザーテストやABテストについては、下記の記事でくわしく解説しています。ぜひ参考になさってください。

関連記事:UXデザインで必須のユーザーテストとは?やり方とメリットを解説!
関連記事:ABテストとは?サイト改善に導く方法とおすすめツールを解説!

UXデザイナーの作業環境・ツール

UXデザイナーはどのような環境で仕事をしているのか気になる人も多いことでしょう。ここではUXデザイナーの作業環境や使用している主なツールについて解説します。

Mac・Windows

UXデザイナーの作業環境はMacとWindowsに分けられます。ビジュアルデザインが中心なら、モニターの色表現やデフォルトでインストールされているフォントが豊富なMacがおすすめです。しかし、Macは価格が高く、本格的にUXデザインを行うならハイスペックなモデルが必要となります。

WindowsはMacよりも手頃な価格で購入できます。アドビやMicrosoft Officeのソフトも扱えるため、とくに作業に支障をきたすこともないでしょう。フォントもインストールやWebフォントを利用すれば解決します。Macのみ対応だったデザインツール『Sketch』も拡張機能を使うことでWindowsでも使用可能です。

工夫次第でWindowsでもMacと同様の作業環境を作れます。Windowsを採用している企業も少なくないため、お好みのものを選んでください。

ソフトウェア・ツール

UXデザイナーはUIデザインの領域も含めて担当することがあります。アドビの「Photoshop」や「Illustrator」を使用している人が多く、ワイヤーフレームやプロトタイプの作成には『Figma』や『Sketch』など共有機能を備えたツールを使う人が多いようです。

また、『Googleアナリティクス』や『Googleサーチコンソール』などGoogleが提供しているツールやヒートマップツールなどは、ユーザーのインサイトを捉えるのに役立ちます。

プロトタイプの作成には『Adobe XD』もよく使われるツールですが、無料で利用できるスタータープランはなくなりました。現在は月額費用がかかるアドビ『Creative Cloud』で提供されています。機能や活用範囲をふまえてて導入を検討すると良いでしょう。

UXデザイナーが活躍できる職場

UXデザイナーは需要が高く、さまざまな企業で活躍が可能です。どのような職場で活躍できるのかご紹介します。

自社アプリ・サービスを展開する企業

一例として、企業向けのCMS自社サービスのデザインを担当するUI/UXデザイナーの求人をご紹介します。

仕事内容は、プロダクトの導線設計や画面設計、プロトタイプの作成です。

<必須スキル>
  • Webアプリ、モバイルアプリ、Webデザインの実務経験
  • チームメンバーや外部パートナーと共にプロジェクトを推進した経験
  • デザインをロジカルに言語化するコミュニケーション能力
  • 課題や目的を理解し、適切に情報設計するスキル

制作環境では『Figma』『Adobe XD』『Slack』『LINEworks』を使用するようです。デザインスキルが重視されるようなので、Webデザイナーからキャリアアップを目指している人におすすめの求人です。

EC運営企業

こちらの例として、国内最大級のtoB向けECサイトのUXデザイナーの求人もご紹介します。インハウスUXデザイナーとして、サービス全体の設計をするのが主な仕事です。ユーザビリティテストやユーザインタビューの企画・実査・分析、定性データをふまえた改善提案などが求められています

<必須スキル>
  • 直近3年以上の実務経験
  • 人間中心設計の知識・経験
  • 心理学・経済心理学などの知識
  • 論理的思考力
  • 定性調査の設計・実施・分析の経験
  • 情報設計の経験
  • 専門性をもつ方とのコミュニケーション能力
  • コピーライティングスキル
  • ワイヤーフレーム・プロトタイプの作成経験

応募にはポートフォリオが必須です。必須スキルを備えた実務経験者であれば活躍が期待できるでしょう。

UI/UX専門のデザイン制作会社

デザイン制作会社の求人例では、仕事内容はユーザーやマーケット調査、UIデザイナーやエンジニアと協働した業務などプロジェクトにおける中心的な役割が求められています。

<必須スキル>
  • デジタルプロダクトの指揮立ち上げなどで、プロジェクトを率いて成功に導いた経験
  • ユーザーヒアリングをもとにした企画立案
  • デジタルプロダクトのグロースや運用

UXデザイナーの求人はリモートワーク対応も多く、フレックスタイム制など働き方が選びやすいのも特長です。職場によっては多くの組織文化にふれることもできるため、知見も広がります。

クロスデザイナーはUI/UXデザイナーの求人が豊富

UXデザイナーはプロダクト開発において、クライアントの課題の発見やより良い体験を提供するために、マーケティングやデザインなどさまざまなスキルが必要です。デザイナーはどこで仕事をするかによって身につけられるスキルも変わるため、UXデザイナーとして活躍を目指すなら働く環境を重視している人も多いことでしょう。

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吉永 ゆくら
記事を書いた人
吉永 ゆくら

デザイン系の専門学校でグラフィックデザインを学ぶ。デザイン事務所に就職後、縫製業と企業の専属ライターを経てフリーランスに。デザイン・縫製・Webとものづくりの楽しさとやりがいを仕事を通して感じています。現在はオウンドメディアのコンテンツ制作を中心に活動中。