商品そのものよりも、商品を通じた体験の提供が重視される中、体験を提供するための設計となる「サービスデザイン」に注目が集まっています。
ただ、より良いサービスの提供を考えるうえでどうすれば良いかわからないという企業も多いのではないでしょうか。そうした課題を解決するための手法がサービスデザインのフレームワークです。
本記事では、新製品の開発や新規事業、ユーザーニーズの本質的理解といった課題を解決するための手法として有効なフレームワーク12選を目的別にご紹介します。
サービスデザインとは?
サービスデザインとは、「体験を設計し、新たな価値を生み出すための手法」のことです。
「デザイン」という言葉が付いているものの、グラフィックデザインやWebデザインなど一般的に使われる「デザイン」とは大きく異なり、「設計」に近い意味合いがあります。デザイナーがデザインを考えるときのプロセスをビジネス上の課題を解決するために活用した「デザイン思考」で使われるデザインとも近いとも言えるでしょう。
関連記事:サービスデザインとは?目的や重要性、手法と事例も解説
サービスデザインが重視される背景
サービスデザインが重視される背景として、「ユーザー体験」を意味する「UX」という概念が製品・サービスの提供において注目されるようになってきたことがあります。単にモノやサービスを売るのではなく、商品を通じて顧客がどんな体験ができるのかという点を重視したビジネスが大きく脚光を浴びるようになっているからです。
関連記事:UIUXとは?両者の違いやデザインとの関連をわかりやすく解説
代表的な例としてスターバックスが良く知られています。
スターバックスは、従業員の教育やマニュアル、円滑に仕事が回るための組織づくりに取り組んでいます。
顧客への体験提供だけでなく、より良い体験を提供するためのサービス全体をデザインすることで、現在も成長を続けているのです。
UXデザイン・CXデザインとの違い
近い意味合いを持つ「UXデザイン」「CXデザイン」との違いについて解説します。
顧客体験の文脈で多く用いられる「UXデザイン」のUXとは、「ユーザーが製品やサービスを利用することで得られるさまざまな体験」を指します。体験には、楽しさや美しさを感じるだけでなく、製品やサービスを使う際の感情、認知、効率性、使いやすさなど、多くの要素を含みます。
UXデザインとは、プロダクトを利用するユーザーの体験全体を設計し、ユーザーの満足度を向上させるための手法です。具体的には、プロダクトの視覚的要素や操作性のデザイン、機能や仕様などの設計を指します。
また、UXデザインと関連する言葉として「CXデザイン」というものもあります。CXデザインとは、「Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)」の略で、製品・サービスを利用する前から製品・サービス利用後のアフターサポートまでも含めた顧客体験を指します。
UXデザインやCXデザインではユーザーとの接点における体験の設計を指す一方で、サービスデザインは、ユーザーとの接点以外も含めた製品・サービス提供までのプロセス全体の設計を意味します。サービスデザインは、顧客への体験の提供を事業としていかに継続できるかどうか、競合との優位性をどうつくるかといったところも含めて設計するところに違いがあります。
関連記事:【図解あり】サービスデザインとUXデザインの違いや目的に応じた活用方法を解説
ユーザーのニーズを探るフレームワーク2選
まず、ユーザーのニーズを探るためのフレームワークを2点紹介します。
- JTBD
- AESEO
JTBD
JTBDは、「Jobs to be done」の略で、「ジョブ理論」を用いたフレームワークです。ユーザーの潜在ニーズ(インサイト)を見つけ出すために活用されています。
ジョブ理論とは、顧客が製品・サービスを選ぶ背景を明らかにするために使われるものです。ジョブとは、やらざるを得ない仕事であり、ある状況から前進するために必要な行動であり、機能的な要素だけでなく社会的・情緒的な要素も含んでいます。
つまり、人が必要としているジョブとは何なのかを探るためのワークです。ユーザーの行動を次の3つの視点から考えていくことで、どのようなニーズがあるのか、なぜそのような行動をとっているのかを明らかにしていきます。
When(~なとき) | どのような状況で起こるのか |
I want to(私は~したい) | 考える動機は何か |
so, I can(そのことで、~できるようになる) | 期待される成果は何か |
JTBDによって解明したいのは、こうした深堀りの作業によって明らかになっていく潜在的なニーズです。その製品やサービスは「どんな状況におかれた人の、どんな問題を解決してくれるのか?」といったところまでより深く導き出されたものでなければ、人々のニーズにはまらず、ヒット商品にはなり得ません。
JTBDは、画期的な商品や新たなアイデアによって生み出されたサービスを検討したい場合にも活用すると良いでしょう。
AESEO
AESEOは、「Attitude(姿勢)、Expectation(期待)、Schedule(スケジュール)、Environment(環境)、Origin(由来)」の5つの頭文字をとった略称です。ユーザーのニーズを探る際のチェック項目として使われ、後述する「デプスインタビュー」でも活用されています。
AESEOは、名前にもある5つの項目から分析します。
Attitude(姿勢) | 「~したい」「~したくない」といった ニーズが生まれたのは、なぜかを考える |
Expectation(期待) | 「将来、どうありたいのか」「今後何を期待しているのか」 現在よりも未来に生まれる可能性のあるニーズを考える |
Schedule(スケジュール) | 「なぜ今そのニーズが生じているのか」 「なぜそのタイミングでする必要があるのか」 緊急性や期日についても考える |
Environment(環境) | 「家なのか、外なのか」「平日か、休日か」「リラックスできる場所か、アクティブに動けるような場所か」など ユーザーの環境要因を考える |
Origin(由来、発端) | 「自分のためなのか、他人のためなのか、それとも社会のためなのか」 その行動を起こした発端について考える |
新規事業開発においても活用されており、顧客のインサイトやジョブの分析、事業にかかわる人や組織、影響を与える利害関係者を図式化した「ステークホルダーマップ」作成にも効果的です。
サービスデザインを可視化するためのフレームワーク2選
サービスデザインを可視化することによって、改善点を導き出すことも有効であり、次のフレームワークがあります。
- ダブルダイヤモンド
- サービスブループリント
ダブルダイヤモンド
ダブルダイヤモンドは、イギリスのデザイン協議会(Design Council)が提唱したもので、サービスデザインのプロセスを図化し、発散と収束を繰り返すことで、サービスの価値をブラッシュアップしていくというものです。新規事業の開発や事業戦略を考える人にとって重要なものとなっています。
ダブルダイヤモンドでは、課題の抽出(発見)、課題の定義、解決策の模索(展開)、解決策の選定(実現)という4つの段階があります。
フェーズ | |
課題の発見 | ユーザーインタビュー、サーベイ、観察などを通じて、ユーザーのニーズや課題を幅広く収集する |
課題の定義 | 収集した情報を分析し、本質的な課題を明確化する |
解決策の模索(展開) | 様々なアイデアを自由に発想し、解決策の候補を検する |
解決策の選定(実現) | プロトタイプを作成し、ユーザーテストを実施することで、解決策を検証・改善する |
ダブルダイヤモンドは、常にユーザーの視点に立って考えることが重要です。問題解決のプロセスを繰り返すことで、より良い解決策を見つけ、関係者間で協力し、共通認識を持つことが原則となっています。
サービスブループリント
サービスブループリントとは、サービスを受けるユーザーと、サービスを提供する企業側の双方の視点からサービスを提供するまでのプロセスを可視化するためのフレームワークです。優れたサービスは、体験の向上だけでなく、サービスを提供するための仕組みづくりが良いため、持続性のあるものとなっています。
サービスブループリントで検証するプロセスは次の3つに分けられます。
- カスタマーアクション:ユーザー(顧客)の動き
- フロントステージアクション:ユーザーとかかわる部分の動き
- バックステージアクション:ユーザーが直接かかわらないバックオフィスの動き
近いものとして比較されることが多い「カスタマージャーニーマップ」では、ユーザーの心理状況や行動に焦点を当てて、認知・比較検討・購買のそれぞれのフェーズを検証していきます。一方、サービスブループリントでは、ユーザーのアクションとともにバックオフィスの動きも検証していくことで、改善につなげ、継続性の高い事業を作りやすくなります。
提供するサービスの組織体制や連携が不十分だと、顧客に提供できるUIやUXも弱くなってしまいます。
そのため、まずフレームワークによってサービス提供側の状況を可視化し、改善策を見出していきましょう。
スタートアップや新規事業の立ち上げに効果的なフレームワーク3選
スタートアップや新規事業の立ち上げに効果的なフレームワークを3つご紹介します。
- デザインスプリント
- Lean Startup / Lean UX
- プロトタイピング
デザインスプリント
デザインスプリントとは、5日程度の短期間でリサーチからアイデア、プロトタイプの検証に至る一連のプロセスを実行することで、ビジネス上の重要な課題の解決策を得るためのフレームワークです。Google発祥のワークで、メタやBlue Bottle Coffeeをはじめとするサンフランシスコの最先端企業から、国際機関、学校などでもすでに採用されています。
デザインスプリントは次の5つの基本で構成され、それぞれのフェーズで行うことは次の通りです。
フェーズ | 各フェーズで行うこと |
理解 | サービスが解決すべき課題を定義し、データの分析をする |
発散 | 課題を解決するためのアイデア出しをする |
決定 | 発散のフェーズで生まれたアイデアを取捨選択し、情報を整理する |
プロトタイプ | ユーザーが実際に利用できるプロトタイプを作成する |
検証 | ユーザーがプロトタイプをどのように使うのかを観察して、理解フェーズから立ててきた仮説を検証する |
Lean Startup / Lean UX
Lean StartupとLean UXは、どちらも無駄を省きながら顧客をより満足させる製品やサービスを開発するための手法です。Lean(無駄のない)生産方式の概念に基づいたワークとなっています。
Lean Startupは、構築→計測→学習というサイクルを高速に回すことで、仮説検証を迅速に行うことに重点を置いています。一方、Lean UXは、この考え方をUXに置き換えたもので、ユーザーのニーズを深く理解し、ユーザー中心のデザインを徹底することで、顧客満足度の高いサービスを生み出すことに焦点を当てています。
Lean StartupとLean UXは、それぞれ単独で用いることもできますが、組み合わせて利用することで、より効果的にサービスデザインを進めることができます。
Lean Startupは、以下の5つの原則に基づき、次のワークを行います。
原則 | ワーク内容 |
1.仮説を立てる | 顧客が何を求めているのか、どのような問題を解決したいのかについて仮説を立てる |
2.最小限実行可能製品(MVP)を構築する | 仮説を検証するために必要な機能だけを備えたMVPを短期間で開発する |
3.顧客からフィードバックを得る | MVPを顧客に実際に使ってもらい、フィードバックを得る |
4.学習し、適応する | 得られたフィードバックに基づいて、仮説を修正したり、MVPを改善したりする |
5.繰り返し | 1~4のサイクルを高速に回し、継続的に改善していく |
Lean Startupのメリットは、MVPを開発することで、市場投入までの時間を短縮できることや、不要な機能を開発しないことで、開発コストを削減できること、顧客のニーズを早期に把握し、それに応じた製品やサービスを開発できることなどがあります。
一方で、デメリットとしては、仮説が間違っていた場合、MVPの開発が無駄になってしまうことや顧客からのフィードバックを得るのが難しい場合があることが挙げられます。
Lean UXは、以下の7つの原則に基づいて、次のワークを行います。
原則 | ワーク内容 |
全体像を把握する | プロジェクト全体の目標とビジョンを明確にする |
仮説を立てる | ユーザーのニーズや課題について仮説を立てる |
検証 | ユーザー調査やプロトタイピングなどを通じて、仮説を検証する |
イテレーション | 得られたフィードバックに基づいて、デザインを繰り返し改善していく |
コラボレーション | デザイナー、開発者、マーケターなど、さまざまな職種のメンバーが協力して作業する。 リスクを早期に発見する:早期にプロトタイピングを行うことで、問題点を早期に発見し、修正することができるv |
ビジネス価値を最大化する | ユーザーにとって価値のある製品やサービスを開発することで、ビジネス価値を最大化する |
Lean UXでは、ユーザー満足度の向上や開発期間の短縮、開発コストの削減ができる一方で、ユーザー調査やプロトタイピングなどのスキルが必要となることや時間がかかることがあります。
Lean Startupの仮説検証サイクルとLean UXのユーザー調査を組み合わせることで、顧客ニーズを迅速に把握し、それに応じた製品やサービスを開発することができます。さらに、Lean StartupのMVP開発とLean UXのプロトタイピングを組み合わせることで、開発効率の向上が期待できます。
プロトタイピング
プロトタイピングは、サービスデザインにおいて、アイデアやコンセプトを具現化し、ユーザーに実際に触ってもらいながら検証・改善していくための手法です。紙や段ボール、デジタルツールなど様々な素材を使って、試作品(プロトタイプ)を作成します。
プロトタイプには紙や段ボール、付箋などを使って作る簡易なプロトタイプのほか、デジタルツールを使って作るもの、実際の製品に近いデザインや機能を備えたプロトタイプなどさまざまです。
プロトタイピングを以下のようなステップで進めることができます。
目的を明確にする | プロトタイピングを行う目的を明確にする |
対象ユーザーを特定する | プロトタイプを検証する対象ユーザーを特定する |
シナリオを作成する | ユーザーがプロトタイプをどのように利用するのかを想定したシナリオを作成する |
プロトタイプを作成する | 目的に合った素材やツールを使って、プロトタイプを作成する |
ユーザーテストを行う | 対象ユーザーにプロトタイプを使ってもらい、フィードバックを得る |
プロトタイプを改善する | ユーザーテストで得られたフィードバックに基づいて、プロトタイプを改善する |
必要に応じて繰り返す | 必要に応じて、4~6のステップを繰り返す |
プロトタイピングを行う前には、次のように目的を明確化しましょう。
- アイデアが実現可能かどうか、ユーザーにとって使いやすいかどうかを検証する
- 抽象的なアイデアを具体的な形にすることで、関係者間の共通認識を形成するユーザーのニーズや課題を理解し、それに応じたデザインを検討する
- ユーザーテストを通して問題点を発見し、デザインを改善する
- 関係者間のコミュニケーションを促進し、プロジェクトを円滑に進める
また、ユーザーにとって使いやすいプロトタイプを作成することや、ユーザーテストで得られたフィードバックを積極的に活かすことも重要です。必要に応じて、プロトタイプを修正したり、方向転換したりしましょう。
ユーザーを理解するためのフレームワーク5選
ユーザーを理解するためのフレームワークを5つ紹介します。
- リビングラボ
- エスノグラフィ
- コンテクスチュアルインクワイアリ(文脈調査)
- インタビュー(半構造化インタビュー・デプスインタビュー)
- ラダリング
リビングラボ
リビングラボは、ユーザーを巻き込みながら、新しい製品やサービスの開発や評価を行うための場です。単なる研究施設ではなく、ユーザー、研究者、開発者などが協働でアイデアを創出し、試作品を検証していく実践的な空間を意味します。
リビングラボは、ユーザー参加型となっており、ユーザーが製品やサービスの開発プロセスに最初から最後まで参加することで、よりユーザーニーズに合致した成果を生み出すことができるようにします。ユーザー、研究者、開発者などさまざまなステークホルダーが協働することで、多様な視点を取り入れることができ、必要に応じて、方法や内容を柔軟に変更できます。
リビングラボの具体的なやり方は、プロジェクトの目的や規模によって異なりますが、一般的には以下のステップで進められます。
- リビングラボで取り組むテーマを設定する
- ユーザーが参加しやすい環境を整備する
- リビングラボに参加するユーザーを募集する
- ユーザーと協働でワークショップを行い、アイデアを創出したり、試作品を検証したりする
- リビングラボの成果を評価する
リビングラボは、製品やサービスの開発といったビジネス分野のみならず、地域社会が抱える課題解決の手法としても活用されています。
エスノグラフィ
エスノグラフィは、ユーザーの行動、思考、文化を深く理解するために、長期間にわたって観察し、記録していく手法です。単にインタビューを行うだけでなく、ユーザーの生活環境に身を置き、彼らの日常を共有することで、表面的な情報だけでは得られない本質的なニーズや課題を明らかにすることができます。
エスノグラフィの目的は次の4点です。
- ユーザー理解
- 課題の発見
- アイデアの創出
- 共感の創出
ユーザーの行動、思考、文化を深く理解することで、よりユーザーニーズに合致した製品やサービスを開発することができ、ユーザーが普段意識していないような潜在的な課題を発見することができるようになります。さらに、ユーザーの行動や思考を観察することで、新しいアイデアを生み出すことやユーザーの立場に立って考えることで、共感力を高められることを目指します。
エスノグラフィは、以下のステップで進められます。
- エスノグラフィで何を明らかにしたいのか、テーマを設定する
- テーマに合致した調査対象を選定する
- 調査期間、方法、倫理的な配慮などを計画する
- 調査対象の日常生活を長期間にわたって観察する
- 観察内容をメモ、写真、動画など様々な方法で記録する
- 収集したデータを分析し、意味を解釈する
- 分析結果を報告書などにまとめる
調査対象のプライバシーを尊重し、倫理的な配慮を怠らないようにする必要があり、短期間の観察では十分な情報を得ることができないため、継続的に観察することが重要です。また、複数の研究者が協力して調査を行うことで、より客観的な結果を得ることができます。
コンテクスチュアルインクワイアリ(文脈調査)
コンテクスチュアルインクワイアリは文脈調査とも言われ、顧客が普段日常を過ごしている場所や、サービスが提供される場所に赴き、その現場で顧客が行っていることを観察に基づいてインタビューする調査方法です。
顧客が日常的に無意識に行っていることにこそ、課題を解決するためのさまざまなヒントが隠されており、ヒントを引き出すために気になったことをインタビューします。
インタビュー(半構造化インタビュー・デプスインタビュー)
サービスデザインのフレームワークとして行うインタビューでは、「半構造化インタビュー」や「デプスインタビュー」という形式が取られることが多くあります。通常のインタビューのように質問を細かく決めず、顧客の回答から出てくる疑問について深堀していくという手法です。
半構造化インタビューは、インタビューを行う前に質問項目をある程度用意しておく一方で、インタビューの進行に合わせて質問を追加したり、掘り下げたりする柔軟性のあるインタビュー手法です。構造化インタビューと非構造化インタビューの中間に位置する手法であり、インタビューの目的や状況に合わせて使い分けることができます。
半構造化インタビューは以下のステップで進めます。
- インタビューを通して何を明らかにしたいのか、目的を明確にする
- インタビューの目的に合致した対象者を選定する
- インタビューで問いたい質問をある程度用意しておく
- 質問項目に加えて、インタビューの流れや時間配分などをまとめたインタビューガイドを作成する
- インタビューガイドを参考に、インタビュー対象者と会話する
- メモ、録音、録画などを使って、インタビュー内容を記録する
- 記録したインタビュー内容を分析し、インタビューの目的を達成するために必要な情報を整理する
一方、デプスインタビューは、1対1で行う質の高いインタビュー手法です。テーマに沿って深い掘り下げを行い、インタビュー対象者の本音や考えを詳細に引き出すことを目的としています。構造化インタビューや非構造化インタビューとは異なり、事前に用意した質問項目にとらわれることなく、インタビュー対象者の話に耳を傾けながら、自由に質問をしたり、掘り下げたりするという手法です。
デプスインタビューは以下のステップで進めることができます。
- インタビューを通して何を明らかにしたいのか、目的を明確にする
- インタビューの目的に合致した対象者を選定する
- インタビューで問いたい質問をある程度用意しておく。ただし、質問項目はあくまでも参考であり、インタビューの進行に合わせて柔軟に変更できるようにする
- インタビューガイドを参考に、インタビュー対象者と会話をする
- メモ、録音、録画などを使って、インタビュー内容を記録する
- 記録したインタビュー内容を分析し、インタビューの目的を達成するために必要な情報を整理する
半構造化インタビュー・デプスインタビューを行う際には、以下の点に注意しましょう。
- インタビューの目的を常に意識し、それに沿った質問をするようにする
- インタビュー対象者の話にしっかりと耳を傾け、共感を示す
- 必要に応じて、質問を追加したり、掘り下げたりする柔軟性を持つ
- 自分の思い込みや偏見をインタビューに反映させないように注意する
- インタビュー対象者のプライバシーを尊重し、倫理的な配慮を怠らないようにする
ラダリング
ラダリングは、サービスの本質的な価値を明らかにするためのサービスデザイン手法の一つです。ユーザーがサービスを利用する際に感じる具体的なベネフィットから出発し、段階的に抽象化していくことで、サービスの本質的な価値にたどり着くことを目的としています。
ラダリングは以下のステップで進めることができます。
- ユーザーがサービスを利用する具体的なシーンを特定する
- 利用シーンにおける具体的なベネフィットを書き出す
- 書き出したベネフィットを1つずつ抽象化していく
- 抽象化したベネフィットをさらに抽象化していく
- 抽象化を繰り返すことで、サービスの本質的な価値にたどり着く
ラダリングを行う際は、常にユーザー視点に立って、ユーザーがサービスを利用する際に感じるベネフィットを掘り下げていきます。表面的なベネフィットにとらわれることなく、サービスの本質的な価値にたどり着くことを目指すことが重要です。
ユーザーのさまざまなニーズや価値観を理解し、多様な視点からサービスを捉えることができます。サービスの本質的な価値を理解することで、新しいアイデアやコンセプトを生み出していきましょう。
サービスデザインの活用に専門家へ依頼するならクロスデザイナーにご相談ください
本記事では、サービスデザインのフレームワークについて「ユーザーニーズを探る」「サービスデザインを可視化する」「新規事業の立ち上げに有効なもの」「ユーザーを理解するため」という4つの目的別に紹介してきました。
より良いサービスの提供を考えるうえで、サービスデザインの活用を考えている場合には、クロスデザイナーがおすすめです。
フリーランスデザイナー専門のエージェントサービス、クロスデザイナーではハイスキルなデザイナーが7,000人以上在籍しています。担当のコンサルタントが貴社にマッチしたデザイナーを紹介するため、良い人材がなかなか見つからないという企業におすすめです。
また双方の合意があれば、アサイン後に正社員への契約形態の変更もできます。デザイナーも、WebデザイナーやUI/UXデザイナー、アプリデザイナーなどさまざまなスキルを持つ方が在籍しているため、あらゆるクリエイティブにも対応が可能です。
こちらよりサービス資料を無料でダウンロードできます。即戦力デザイナーをお探しの方は【お問い合わせ】ください。平均1営業日以内にご提案します。
- クロスデザイナーの特徴
- クロスデザイナーに登録しているデザイナー参考例
- 各サービスプラン概要
- 支援実績・お客様の声
Documents