ゲームデザインを依頼するときは、キャラクターデザインや背景イラストなど何を依頼するのか決めておくことが大切です。デザイナーやイラストレーターによって得意分野が異なるため、依頼する業務内容を定めておかなければトラブルの要因となる可能性があります。
この記事では、ゲームデザインの依頼方法について解説します。依頼できる職種や探し方についてもまとめました。
ゲームデザインの依頼方法
ゲームデザインを依頼する方法は以下のとおりです。
- 依頼内容をまとめる
- ポートフォリオを確認する
- デザインガイドラインを作成する
- 契約内容をすり合わせる
- 著作権の確認
- デザインディレクションを行う
それぞれかんたんに解説します。
1. 依頼内容をまとめる
ゲームのデザインを依頼するときは、依頼内容をまとめることから始めます。イラストレーターやデザイナーはプロとして活動していますが、ゼロからキャラクターや背景などを作るのはたいへん困難です。依頼内容に沿ってデザインを制作するため、スムーズに制作してもらえるように、デザインを作るうえで参考になる資料を用意しなければなりません。
たとえば、キャラクターの雰囲気が伝わるラフ案や、ゲームのストーリーなどをまとめた資料です。ラフ案と一緒にテキストでも詳細を添えておくと、より理想に近いデザインが期待できます。
「短髪で色はブラウン、目力のあるがっしりとした体型」「ロングヘアーで大人しそうな感じで趣味は読書」など、デザイナーが具体的にイメージしやすいように伝えるのがポイントです。
2. デザインガイドラインを作成する
依頼内容を決めたら、デザインガイドラインを作成します。デザインガイドラインは、プロジェクトにおいて大切なデザインの指標です。色やボタンなどの要素に関するルールや担当領域が明確になることで、デザインの統一を図ることができます。くわしい作り方は以下の記事をお役立てください。
関連記事:デザインガイドラインとは?作り方5ステップと基本項目9つ、3つの注意点を解説
作成したデザインガイドラインをもとに、ジョブディスクリプションを作成してデザイナーを選定します。下記ではジョブディスクリプションの作成方法について解説しています。ぜひお役立てください。
3. 依頼するデザイナーを選定する
つぎに、求人募集やクラウドソーシングなどでデザイナーを募集し、依頼するデザイナーを選びます。デザイナーはスキルの評価がむずかしいことから、悩む担当者も少なくありません。
デザイナーを選ぶときは、ポートフォリオを重視することが大切です。ポートフォリオではこれまでの制作実績や扱えるソフトの種類、担当領域までしっかり書かれているかチェックします。
デザイナーはヴィジュアルのデザインを作れる人だけではなく、HTML/CSSなどコーディングまで対応できる人などレベルが異なるため、ポートフォリオが評価の指標となります。ポートフォリオの採用基準については、下記でくわしく解説していますのでぜひご覧ください。
関連記事:ポートフォリオの採用基準とは?効率的に採用するための6つの評価ポイント
Webデザイナーのスキルを確認するには、企業側でスキルシートを用意しておくと便利です。職務経歴書と似ていますが、過去のプロジェクトでの役割などくわしい情報を把握できます。スキルシートについては下記の記事でも解説していますので、お役立てください。
関連記事:Webデザイナーのスキルをチェックする方法は?スキルシートの概要や見方を解説
4. 契約内容をすり合わせる
フリーランスのデザイナーへ依頼するときは、基本的に業務委託契約を結びます。業務委託契約には大きく「準委任契約」と「請負契約」の2種類があるため、依頼内容にあわせて締結しましょう。
業務委託契約書には、成果物の納期や報酬額、源泉徴収などについて記載します。社外秘情報を提供するときは、秘密保持契約書(NDA)も結んでおくとトラブル防止に役立ちます。下記の記事では、業務委託契約書の記載事項について解説しています。
関連記事:デザイナーとの業務委託契約書で注意すべき点とは?必須の記載事項も解説
イラスト制作は源泉徴収の対象業務です。源泉徴収についてくわしく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
関連記事:【企業向け】業務委託に源泉徴収は必要?対象となるケースや税額の計算方法を解説
業務委託契約については、下記の配布資料「はじめての業務委託採用」で解説しています。無料でダウンロードいただけますのでぜひお役立てください。
5. 著作権の確認
外注で制作したゲームデザインをゲーム以外に二次利用するときは、著作権についても理解しておかなければなりません。著作権は原則、著作物を創作したデザイナーに発生します(著作権法第十七条)。そのため、納品されたデザインを二次利用する予定があるときは、著作権の譲渡や使用許諾をとるのが一般的です。
著作権は「知的財産権」としてさまざまな法律が関わっています。口頭での約束はトラブルのリスクがあることから、発注前に書面に起こして契約を結ぶことが大切です。
社外の人材へ業務を委託するわけですから、起こりうるトラブルを想定したうえで契約書を作成しておくことも大切です。下記の記事では、デザインの依頼時に起こりうるトラブルの対処法を解説しています。事前に確認をして、適正に対処できるように体制を整えておくことも大切です。
関連記事:デザイン依頼時に起こりうるトラブルと対処法は?事例別に解説
6. デザインディレクションを行う
依頼をしたら納品されるまで丸投げではなく、進捗を確認することも大切です。担当領域が広く、エンジニアなどとのやり取りなども必要なときは、社内外のコミュニケーションがとりやすいようにディレクション業務を担うスタッフを置く方法もあります。
適正な指示を出せることで、コミュニケーションが円滑になり、認識齟齬が発生しにくくなります。下記の記事では、ディレクションの失敗例をはじめ、クオリティの高いデザインを納品してもらう方法について解説しています。社内の体制づくりにぜひお役立てください。
関連記事:デザインディレクションの方法は?期待通りのデザインを納品してもらうコツ
ゲームデザインを依頼できる職種
ゲームデザインを依頼できる職種は、下記の5つです。それぞれ担当できる領域が異なるため、職種の特徴を理解したうえで発注することが大切です。だれにどのような仕事を依頼できるのか、職務内容をご紹介します。
- グラフィックデザイナー
- イラストレーター
- Webデザイナー
- UI/UXデザイナー
- 3DCGデザイナー
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーには、ボードゲームのパッケージやカードデザインを依頼できます。印刷会社やDTPオペレーターとしての経歴をもっている人は、媒体にあわせたバランスのよいデザインが得意です。ボタンやアイコン制作なども対応できる人なら、アプリゲームやオンラインゲームのキービジュアルも依頼できるでしょう。
グラフィックデザイナーは一人ひとり得意分野が異なるため、ポートフォリオで扱えるソフトや経歴などを確認してください。
イラストレーター
イラストレーターは、企業などから依頼を受けて、依頼に沿ったイラストを描くのが仕事です。イラストによってゲームの印象が変わるため、必ずポートフォリオなどでタッチを確認してください。
例えばLINEのスタンプの作成経験のある人なら、ボタンやアイコンなど小さなデザインも任せることが可能です。オリジナルのタッチに自信をもって活動しているイラストレーターも多く、キャラクターやスチルイラスト、ちびキャラなどを依頼できます。
イラストコミュニケーションサービス『Pixiv』をポートフォリオ代わりにしているイラストレーターもいるため、オリジナルのキャラクターを制作してほしいときに探してみるのもおすすめです。
Webデザイナー
Webデザイナーは、企業などから依頼されたWebサイトのデザインを制作するのが仕事です。依頼内容から意図をくみ取り、デザインに反映させることができます。ゲームデザインにおいては、キービジュアルから依頼が可能です。
HTML/CSSなどコーディングの実績や経験があれば、ビジュアルデザイン以外の業務も依頼できます。実際にゲームエンジンに実装することを意識したデザインを制作してくれるでしょう。アプリやオンラインゲームのデザインが中心ですが、使用するソフトはグラフィックデザイナーとほとんど変わらないため、スキルによってはボードゲームなどのデザインも依頼できます。
UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーは、ユーザー視点で使いやすさを意識したデザインを作るのが仕事です。見た目を損なわず、情報を整理したデザインを制作できるため、メニューデザインやアイコンデザインなどのUI素材のデザインを依頼できます。ゲームのUIデザインについては下記の記事でもくわしく解説しています。
関連記事:ゲームにおけるUIデザインとは?仕事内容や採用のコツを解説
UI/UXデザインは、エディトリアルデザイナーやDTPデザイナーなど紙媒体を中心に活躍するデザイナーでも制作できることもあります。
3DCGデザイナー
3DCGデザイナーは、3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)デザインの制作に特化したデザイナーです。3DCGグラフィックは、メタバースなどCGで作られた仮想空間を表現できるため、臨場感のあるゲームに欠かせません。
3DCGデザインは制作工程が下記のように分けられます。それぞれの工程を極めて専門職として活躍する人も少なくありません。Unityなどのゲームエンジンのスキルを備えているデザイナーもいます。
モデリング | デザインやラフ案をもとに3DCGを制作 |
リギング | 制作したCGモデルを動かす仕組みを作る |
モーション | CGモデルに動きをつけて性格や感情を与える |
レンダリング | 制作した各要素を1つのデータに仕上げる |
3DCGデザインでは制作した3Dキャラクターの完成度をチェックする際に、ゲームエンジンの『Unity』を使用します。実装工程まで意識したデザインの依頼が可能です。
ゲームデザインの依頼におすすめのサイト5選
ゲームのデザインを担当するリソースがないときは、フリーランスのデザイナーに依頼するのがおすすめです。求人媒体で募集するよりも早く優秀な人材を獲得できます。ここでは、ゲームデザイナーを探せるおすすめのサイトを5選ご紹介します。
1. クロスデザイナー
▲出典:クロスデザイナー
『クロスデザイナー』は、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービスです。国内最大級のフリーランス・副業人材プラットフォーム『Workship』に登録しているデザイナーのなかから、ご希望の条件に合った人を紹介してもらえます。
デザイナーは厳正な審査をクリアしているため、自社で探す時間や手間が省けるメリットがあります。優秀な人材を獲得したい方におすすめです。
下記では、クロスデザイナーをとおしてデザイナーを採用した事例をまとめた資料をダウンロードいただけます。デザイナーの採用環境についてもまとめていますので、ぜひお役立てください。
2. クラウドワークス
▲出典:クラウドワークス
『クラウドワークス』はゲームデザイナーのカテゴリがあり、スキルなど条件を絞ってフリーランスを検索することができます。ポートフォリオを登録しているデザイナーも多いため、タッチなどを確認しながら目的に合わせた人材を探せるのが特長です。発注前にメッセージで相談や見積もりの依頼もできます。
3. ランサーズ
▲出典:ランサーズ
『ランサーズ』は国内初のクラウドソーシングサービスです。デザイナーやイラストレーターで活躍されているフリーランスを探せます。
デザイナーの検索方法には「フリーランスを探す」と「パッケージを探す」の2つの方法があります。パッケージでは「ゲームUIデザイン」「背景・環境デザイン」「キャラクターデザイン」「オブジェクトデザイン」など業務内容や、アニメやリアルといったスタイル別に絞って探すことも可能です。
クラウドソーシングを使うメリットとデメリットについては以下の記事でもくわしく解説しています。
関連記事:クラウドソーシングとは?企業が使うメリット・デメリットや依頼時の流れを解説
4. cone
▲出典:cone
『cone』はイラストレーターにイラストを依頼できるコミッションサービス『SKIMA』に登録するクリエイターへ仕事を依頼できるサービスです。有名企業や代理店など約100社が利用しています。
会員登録後、案件に参加するクリエイターを『SKIMA』で募集し、採用したいクリエイターが決まったら、直接やり取りをして依頼をするといった流れになります。
5. ココナラ
▲出典:ココナラ
スキルマーケットの『ココナラ』でもゲームデザインの依頼が可能です。「イラストレーター/絵師/漫画家」のカテゴリがあり、オリジナルのスタイルを得意とするクリエイターを探せます。
デザイナーを採用することは簡単ではありません。クラウドソーシングサービスで探せないときは、下記の記事でデザイナーの採用できる媒体について解説しています。
関連記事:デザイナーの採用媒体14選|迷わないサービスの選び方も解説
ゲームデザインを依頼できるデザイナーはクロスデザイナーにおまかせください
ゲームデザインを依頼するときは、依頼内容をまとめてデザインガイドラインを作成しておくことが大切です。デザイナーやイラストレーターによって対応領域が異なるため、ポートフォリオで判断がむずかしいときはどこまで対応できるのか、すり合わせを行うことで契約後のトラブルを防げます。
「一人ひとりのデザイナーのポートフォリオを見て判断するのがむずかしい……」というときは、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービスのクロスデザイナーにおまかせください。『Workship』に登録するデザイナーより、貴社のご要望に応じた人材を提案いたします。
こちらより、クロスデザイナーのサービス資料を無料でダウンロードいただけます。即戦力デザイナーをすぐ採用したい方は【お問い合わせ】ください。平均1営業日以内にご提案します。
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