業務委託を活用する企業が増える中、毎年のように上昇している最低賃金を、どのように業務委託の報酬額に反映すれば良いかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
業務委託の場合はプロジェクト単位で報酬を決めることが多いため、業種や職種ごとの相場を知っておくことが重要です。
業務委託契約では、一般的な雇用契約とは適用される法律が異なるため、それぞれの違いを理解する必要があります。また、業務委託の報酬相場を理解し、適切な契約を結ぶことで、コストを抑えつつも高品質なサービスを受けることが可能です。
そこで今回は、業務委託の報酬に最低賃金は適用されるのかどうかや、具体的な相場、コストを削減するコツなどを徹底解説します。これから業務委託をしようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
業務委託契約に最低賃金は適用される?それぞれの概要も解説
業務委託契約には、原則として最低賃金は適用されません。これは、業務委託契約が雇用契約ではなく特定の業務を委託する契約であるためで、労働基準法や最低賃金法の対象外となるからです。ただし、偽装請負などで実質的に労働者とみなされる場合には、最低賃金が適用されることがあります。
そもそも業務委託契約とは?
業務委託契約は、委託者が受託者に対して特定の業務を委託し、受託者がこれを受託する契約です。業務委託契約は、内容によって以下の3つの契約形態に分類されます。
- 請負契約
- 準委任契約
- 委任契約
それぞれ解説します。
1.請負契約
請負契約とは、請負人(受託者)が仕事を完成することを約束し、注文者(委託者)がその仕事の結果に対して報酬を支払う契約で、Webデザインや建設工事、ソフトウェア開発などが該当します。
請負契約の特徴は、仕事の完成が目的であり、「完成した成果物に対して報酬が支払われる」ことにあります。
関連記事:【企業向け】請負契約とは? 準委任との違いやメリット・デメリットを解説
2.準委任契約
準委任契約とは、法律以外のさまざまな行為を委託する契約です。これには、コンサルティング業務やシステム保守などの業務が該当します。
準委任契約の特徴は、業務を遂行することが目的であり、その「行為に対して報酬が支払われる」ことです。
関連記事:準委任契約とは? 請負契約との違いやメリット、デメリットを解説
3.委任契約
委任契約は、委任者が受任者に対して法律行為を委託し、受任者がこれを受託する契約で、弁護士に訴訟代理を依頼する場合などが該当します。
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最低賃金とは?主な種類2つを解説
最低賃金とは、労働者が受け取る賃金の最低限度を国が定めたもので、使用者はこの金額以上の賃金を支払わなければなりません。最低賃金には、以下の2つの種類があります。
- 地域別最低賃金
- 特定最低賃金
それぞれ解説します。
1.地域別最低賃金
地域別最低賃金とは、各都道府県ごとに定められた最低賃金のことです。この賃金は、産業や職種に関係なく、その都道府県内で働くすべての労働者と使用者に適用されます。地域別最低賃金は、労働者の生計費や賃金、企業の賃金支払い能力などを総合的に勘案して決定されます。
2.特定最低賃金
特定最低賃金とは、特定の産業や職種に対して設定される最低賃金のことです。この賃金は地域別最低賃金よりも高い水準で設定されることが多く、関係する労使の申出に基づき、最低賃金審議会の調査審議を経て決定されます。特定最低賃金は、特定の産業に従事する労働者に適用されます。
業務委託の報酬相場はいくら?デザイン制作の相場を例に解説
以下では、業務委託の報酬相場を、デザイン制作を例に解説します。ただ、デザイン制作を業務委託する際の報酬相場は、依頼する内容やデザイナーのスキル、経験によって大きく異なるため、一般的なデザイン制作の相場をもとに解説します。
デザインの種類 | 費用相場 |
DTP(紙媒体のグラフィックデザイン) | 約40万円〜/月 |
Webデザイン | 約55万円〜/月 |
UIデザイン | 約20万円〜/月 |
UXデザイン | 約40万円〜/月 |
Webディレクション | 約30万円〜100万円/月 |
上記の相場はあくまで目安であり、具体的な報酬はプロジェクトの規模や内容、デザイナーのスキルセットによって変動します。例えば、特に高度なスキルや経験が求められる場合や、短期間での納品が必要な場合は、報酬が高くなるケースもあるため注意が必要です。
参考記事:デザイナー業務委託の料金相場を徹底解説!採用方法や依頼方法についても紹介
業務委託にかかるコストを削減するコツ3つ
業務委託にかかるコストを削減するコツには、次の3つが挙げられます。
- 自社の専門外の業務を委託する
- 信頼できる委託先を選ぶ
- テクノロジーを活用して業務を効率化する
それぞれ解説します。
1.自社の専門外の業務を委託する
自社の専門外の業務を委託することで、社内リソースを効率的に活用できます。例えば、ITサポートやマーケティングなどの専門知識が必要な業務を外部に委託することで、社内の人材をコアビジネスに集中させることが可能です。
2.信頼できる委託先を選ぶ
信頼できる委託先を選ぶことは、長期的なコスト削減に重要です。信頼性の高いパートナーは、品質の高いサービスを提供し、トラブルや追加コストを避けることができます。
過去の実績やレビューを確認し、契約前にしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。
3.テクノロジーを活用して業務を効率化する
最新のテクノロジーを活用することで、業務の効率化とコスト削減が可能です。例えば、クラウドサービスや自動化ツールを導入することで、手作業の削減やプロセスのスピードアップが図れます。また、データ分析ツールを使って業務のパフォーマンスをモニタリングし、改善点を見つけることも効果的です。
業務委託契約を結ぶ際の注意点2つ
業務委託契約を結ぶ際の注意点としては、主に次の2つが挙げられます。
- 業務委託の種類を明確にする
- 業務委託契約書を作成する
それぞれ解説します。
1. 業務委託の種類を明確にする
業務委託の種類を明確にすることは、契約の成功において非常に重要です。具体的には、以下の3つを明確にする必要があります。
業務の範囲 | 委託する業務の具体的な内容や範囲を明確にすることで、双方の期待値を一致させ、誤解やトラブルを防ぎます。 |
成果物の定義 | 提供される成果物やサービスの具体的な仕様や品質基準を明確にすることで、納品後の品質チェックをスムーズにします。 |
スケジュール | 業務の開始日、終了日、重要なマイルストーンなどのスケジュールを明確にすることで、進捗管理を容易にします。 |
関連記事:業務委託とは?簡単に、ほかの契約との違いやメリット・デメリットを解説
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2.業務委託契約書を作成する
業務委託契約書を作成することは、双方の権利と義務を明確にするために不可欠です。そこで、以下の4つのポイントに注意して契約書を作成しましょう。
契約の目的 | 契約の目的や背景を明記します。 |
料金と支払い条件 | 委託業務に対する報酬や支払い条件を詳細に記載します。 |
秘密保持条項 | 業務遂行中に知り得た機密情報の取り扱いについて明記します。 |
契約解除条件 | 契約を解除する場合の条件や手続きを明確にします。 |
上記のような注意点を押さえて業務委託契約を結ぶことで、委託者と受託者の双方が安心して業務を進めることができるでしょう。
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業務委託の報酬に関するよくある質問Q&A5選
業務委託の報酬に関するよくある質問について、以下のQ&A形式で解説します。
Q1: 業務委託の報酬は給与とどう違うのですか?
A1:業務委託の報酬は、雇用契約に基づく給与とは異なり、請負契約や委任契約に基づいて支払われます。給与は「給与所得」として扱われますが、業務委託の報酬は「事業所得」または「雑所得」として申告します。そのため、業務委託には最低賃金の概念が適用されません。
Q2: 業務委託の報酬には源泉徴収が必要ですか?
A2:業務内容によって異なります。例えば、ライターや講演者の報酬は源泉徴収の対象ですが、プログラマーの報酬は対象外です。源泉徴収が必要な場合でも、年末調整は行われないため、自分で確定申告を行う必要があります。
Q3: 業務委託の報酬に消費税はかかりますか?
A3:消費税の納税義務がある場合、業務委託の報酬にも消費税がかかります。基準期間における課税売上高が1,000万円以上の場合や、インボイス制度の適格請求書発行事業者に登録している場合などが該当します。
Q4: 業務委託の報酬はどのように決めるべきですか?
A4:報酬は、業務内容や市場の相場、業務にかかる時間などを考慮して決定します。クラウドソーシングサイトやフリーランスエージェントの案件を参考にすることで、適正な報酬を見積もることができます。
Q5: 業務委託の報酬に関する確定申告は必要ですか?
A5:はい、必要です。副業として業務委託を行っている場合でも、年間20万円以上の報酬がある場合は確定申告が必要です。源泉徴収されている場合でも、確定申告を行うことで払いすぎた税金の還付を受けることができます。
業務委託先にはフリーランス人材がおすすめな理由
フリーランス人材とは、特定の企業や組織に所属せず、個人として仕事を請け負う働き方をする人々のことです。以下では、コーポレートサイトを作成する際に、フリーランスに業務委託する場合と制作会社に依頼する場合の違いを一覧で比較します。
フリーランス | 制作会社 | |
コスト | 比較的低め | 比較的高め |
コミュニケーション | 直接やりとりができてスムーズ | 間接的で時間がかかる場合がある |
柔軟性 | 柔軟で臨機応変な対応に期待ができる | 労働法に沿った対応となるため柔軟性は低い |
本質の保証 | 個人のスキルに依存 | 法人として一定の品質が保証される |
総合的なサービス | 特定の知識やスキルに依存する種、サービス内容に制限がある場合が多い | デザイン以外にも、マーケティングなどの幅広いサービスに期待ができる |
信頼性 | 個人の信頼性に依存 | 法人としての信頼性が高い |
サポート | 制限がある場合が多い | 公開後のサポートやメンテナンスにも期待ができる |
上記のように、フリーランスと制作会社には、それぞれ異なった強みがあります。そこで以下では、制作会社よりもフリーランスをおすすめする理由を紹介します。
1.コストの削減
フリーランスは一般的に制作会社よりも費用が抑えられることが多いです。特に予算が限られている場合、コスト面でのメリットは大きいです。
2.柔軟な対応
労働基準法などの法令に縛られることのないフリーランス人材は、突発的な業務やトラブルにも柔軟に対応してくれることが多く、急な変更や追加の要望にも迅速に応じてくれるでしょう。
3.直接のコミュニケーション
フリーランスとのやり取りは、直接行うのが一般的です。そのため、意思の疎通がしやすく、細かい要望や修正点もすぐに伝えることができるため、プロジェクトの進行がスムーズになるでしょう。
4.パーソナライズされたサービス
フリーランスの場合、それぞれのクライアントごとにパーソナライズしたサービスを提供することが多いため、より満足度の高い成果を得られるでしょう。
5.迅速な納品
フリーランスは小規模なプロジェクトに対しても迅速に対応できるため、納期が短くなる可能性が高いです。急ぎのプロジェクトの場合でも、フリーランスであればスピーディーに対応してくれるでしょう。
もちろん、規模の大きなプロジェクトや業務の内容によっては制作会社の方が適している場合もあります。しかし、小規模なプロジェクトや納期を急ぎたい場合などは、フリーランスに業務委託することが有効な選択肢となることが多いでしょう。
関連記事:フリーランスに業務委託するメリットと契約方法、注意点を企業向けに解説
下記の資料では、フリーランス・副業のデザイナーを実際に活用した事例について紹介しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご参照ください。
優秀なフリーランスデザイナー探しはクロスデザイナーにおまかせ!
クロスデザイナー(XDesigner)は、フリーランスデザイナーを専門に取り扱うエージェントサービスです。優秀なフリーランスデザイナー探しにクロスデザイナーをおすすめする理由には、次の4つが挙げられます。
- 経験豊富な採用コンサルタントに報酬額の相談ができるから
- 優秀なデザイナーが豊富に登録されているから
- 自社にあった即戦力デザイナーを迅速に獲得できるから
- 柔軟なアサインに期待ができるから
それぞれ解説します。
1.経験豊富な採用コンサルタントに報酬額の相談ができるから
クロスデザイナーでは、採用コンサルタントが採用案件の内容をヒアリングし、必要なスキルや稼働日数などの要件をアドバイスしてくれるため、ミスマッチを最小限に抑えることが可能です。また、報酬相場を踏まえ、いくらで提示すれば成約しやすいかといった具体的な金額も相談できます。
2.優秀なデザイナーが豊富に登録されているから
クロスデザイナーには、7,000人以上のフリーランスデザイナーが登録されています。これにより、UI/UXデザイン、アプリデザイン、グラフィックデザインなど、さまざまなニーズに対応できる優秀なデザイナーを見つけることが可能です。
3.自社にあった即戦力デザイナーを迅速に獲得できるから
クロスデザイナーは、業界最速級の提案スピードを誇っており、最短即日で複数名の即戦力デザイナーを提案することが可能です。条件が合えば、最短3日でアサインすることもできるため、迅速に自社に合ったデザイナーを獲得できます。
4.柔軟なアサインに期待ができるから
クロスデザイナーは案件ベースでのアサインが可能で、週2〜3日稼働といった柔軟な働き方にも対応しています。これにより、コストを抑えつつ、プロジェクトの進行をスムーズにできます。
下記の資料からは、実際にクロスデザイナーに登録しているデザイナーのスキルや得意分野などをご確認いただけます。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
国内最大級のデザイナー専門のエージェントサービスである、クロスデザイナーには、厳正な審査を通過したハイスキルなデザイナー7000人以上が在籍しており、自社に合うデザイナーを見つけることができます。また、制作開始後も担当のコンサルタントがさまざまなトラブルや困りごとにも間に入って対応してくれるため、安心です。
さらに、登録しているデザイナーと合意があれば正社員採用もできます。スカウトや人材紹介機能もあるため、採用難易度の高い、即戦力デザイナーの採用機会を最大限サポートしています。
エージェントに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週2〜3日の柔軟な依頼も可能なので、自社の作業量に応じて効率的に外注することが可能です。
こちらよりサービス資料を無料でダウンロードできます。即戦力デザイナーをお探しの方は【お問い合わせ】ください。平均1営業日以内にご提案します。
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- クロスデザイナーに登録しているデザイナー参考例
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Workship MAGAZINE編集部。フリーランス、マーケティング、会計経理、経営分野が専門。個人事業主としてスポーツインストラクター、飲食店経営、飲食コンサルを経て、現在はコンテンツ制作会社を経営中。
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