外注と業務委託の違いは?外注の種類やメリット・デメリットを解説 | フリーランスデザイナー・業務委託採用|クロスデザイナー

外注と業務委託の違いは?外注の種類やメリット・デメリットを解説

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社内に必要な人材が足りない、あるいはコストを抑えて人材確保をしたいときに外注を検討する方は多いでしょう。

しかし、実際に外注しようとしてみると、

「外注と似た言葉の業務委託って何が違うの?」
「それぞれのできることや特徴って?」

といった疑問にぶつかるのではないでしょうか。

そこで本記事では、初めて外注しようとしている方に向けて、

・外注と業務委託の違い
・外注のメリット、デメリット
・主な外注先3選
・外注におけるトラブルを防ぐためのポイント

について、簡単に解説していきます。

外注や業務委託の違いから、外注先や外注の注意点まで解説するので外部リソースを効果的に取り入れたいとお考えの方はぜひお役立てください。

外注と業務委託の違いとは?

外注と業務委託は、どちらも外部に業務を依頼するものとして使われています。広い意味では同じものとして捉えることもできますが、正式には異なる意味をもつ言葉です。外注と業務委託はそれぞれどんなものなのか解説します。

外注とはどんなもの?

外注とは、外部へ仕事を発注することを意味する言葉です。発注先は個人・法人など事業規模は問いません。発注前に契約形態にあわせて契約を結びます。

もともとメーカーが町工場などへ部品の製造を依頼していたことが由来とされており、外部会社が代わりに製造をしてもらうことを外注と呼びます。正式な契約形態を指す言葉ではないため、契約書などで外注といった文言を使用するのは避けたほうが良いでしょう。

業務委託とはどんなもの?

業務委託は、外注と同じように外部に業務を依頼することを指しています。ただし、業務委託は契約形態の総称のため、単体ではどういった契約になるのか不明瞭です。業務委託契約は「請負契約」「委任契約」「準委任契約」の3つの契約形態があります。

請負契約は成果物の納品によって報酬が支払われる契約です。委任契約は法律行為を依頼するもので弁護士など士業が対象となります。準委任契約は法律行為以外の仕事を依頼するときに使われる契約形態となり、労働力に対して報酬が支払われます。

それぞれの契約形態についてくわしく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

関連記事:業務委託とは?簡単に、ほかの契約との違いやメリット・デメリットを解説
関連記事:【企業向け】請負契約とは? 準委任との違いやメリット・デメリットを解説
関連記事:準委任契約とは? 請負契約との違いやメリット、デメリットを解説

外注のメリット3つ

社内の業務を外注するメリットは以下のとおりです。

・社内人材の活用や育成に集中できる
・高度な専門スキルをもつ人材を採用しやすくなる
・人件費を変動費にしてコストを削減できる

それぞれの内容についてくわしく解説します。

1. 社内人材の活用や育成に集中できる

外注は社員が本来やるべき業務への注力や人材育成など、会社の成長に向けた施策に集中して取り組めるメリットがあります。外注するのに適した業務として、普段の業務で時間を割いている単純な業務や繁忙期など一時的に増える業務などが該当します。

こうした業務を外注することで、売上向上につながる施策を立てるなどクリエイティブな業務に取り組んでもらうことができます。また、業務にゆとりが生まれることで、社内人材の育成に向けた体制を整えるなど、外注から内製化に向けた育成環境の構築にも集中して取り組むことが可能です。

2. 高度な専門スキルをもつ人材を採用しやすい

外注先にはフリーランスや副業ワーカーがおり、高度な専門スキルを生かして活動しています。

社内で人材を育成するのは、時間も手間もかかるものです。業務委託なら即戦力を採用できるうえに、業務にあわせて必要な期間だけ採用できるメリットがあります。また、雇用関係はないため、社会保険料などを負担する必要はありません。双方が契約内容に合意できれば、すぐに仕事を進めてもらうことが可能です。

3. 人件費を変動費にしてコスト削減できる

そもそも外注先とは雇用関係にないため、正社員雇用よりも人件費はかかりません。さらに業務委託なら、スポット採用や短期間の契約など契約期間を業務にあわせて決めることが可能です。

人件費は売上の増減を問わず発生する固定費ですが、外注することで変動費として扱うことができます。売上が低いときは外注費を抑えて自社で業務をまわし、売上が高いときは外注を活用するなど経費のバランスをみながら依頼のタイミングを決めることが可能です。

外注のデメリット3つ

業務を外注するデメリットは以下のとおりです。

・社内にスキルが蓄積されづらい
・スキルや領域によってはコストが高くなる
・常に適切な外注先があるとは限らない

それぞれのデメリットについてくわしく解説します。

1. 社内にスキルが蓄積されづらい

社内のリソース不足を補うための人材確保が目的の場合、外注先に業務を任せきりにすると社内にスキルが蓄積されにくいといったデメリットがあります。

外注先は契約期間が満了となると会社から離れてしまいます。その仕事をこなすためのスキルをもつ人材が社内に残らないため、業務が発生するたびに外注が必要になると返ってコストがかかることもあります。今後も継続して発生する業務なら、社内人材の育成も検討したほうが良いでしょう。

2. スキルや領域によってはコストが高くなる

フリーランスに仕事を依頼する場合、もっているスキルや得意な領域などに個人差があることを理解しておかなければなりません。一定の品質を求めて法人へ外注すると、個人で活動するフリーランスよりもコストが高くつくこともあります。

個人・法人のどちらに依頼するにしても、事前に実績などを確認したうえで、お互いに納得できる報酬額を相談して契約を結びましょう。

3. 常に適切な外注先があるとは限らない

業務内容に合わせて外注することを決めても、必要なときに適切な外注先が見つかるとは限りません。急に対応しなければならない案件や、納期が差し迫っている業務があっても、その仕事に対応できるスキルをもつ外注先を探すのは困難でしょう。

外注をするときは一度きりの契約と思わず、パートナーとして良好な関係を築いておくと、いざというときに頼りにできます。

外注先は企業とフリーランスの2つ

業務委託契約を結ぶ外注先には、企業とフリーランスがあります。それぞれに外注するメリットとデメリットについて解説します。

企業へ外注するメリット/デメリット

企業間での業務委託は、業務を受ける企業の環境を利用して自社の業務を進めてもらいます。それぞれメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット

・制作物のクオリティが高い
・業務遂行に特化した人材の配置が可能

・費用がフリーランスよりも高くなりやすい
・コミュニケーションが築きにくい

企業へ外注するメリットとしては、企業のもつ機材や人材を活用できることです。委託先企業の規模によっては、人材や実績も豊富なため、安定したクオリティの制作物を期待できます。

反対にデメリットとしては、コミュニケーションコストがフリーランスよりもかかる点があげられます。企業への外注の場合、窓口対応と実務者が異なる場合も多いです。そのため窓口に伝えたことが、実務者に伝わるのに時間がかかったり、意図したものとは違う伝わり方がしたりするおそれがあります。

予算にゆとりがあり、かつ品質の高さを求めるなら企業への外注がおすすめです。

フリーランスへ外注するメリット/デメリット

メリットデメリット

・企業に比べて費用を抑えられることが多い
・必要なときだけ必要なスキルを活用できる
・コミュニケーションがスムーズにできる

・専門性が把握しづらい
・クオリティに差がある

フリーランスへ外注するメリットとしては、個人への依頼になるため企業に比べて費用を抑えられることが多い点があります。さらにWebサイト制作のデザイン部分だけのように、一部分の専門分野のみを柔軟に依頼できるのもメリットです。またコミュニケーションについても、フリーランス自身が窓口となり実務に取り組むため、企業に比べて伝達がスムーズです。

反対にデメリットとしては、専門性を把握するのが困難で、クオリティに差がある点が挙げられます。フリーランスに依頼する場合は、制作実績などを提示してもらい、依頼内容にマッチしそうか判断したほうが良いでしょう。

よって限られた予算で行いたい場合や業務の一部分を依頼したい場合は、フリーランスへの外注がおすすめです。

フリーランスへ外注する方法3つ

専門性の高いフリーランスへ外注するには「クラウドソーシング」「ダイレクトリクルーティング」「人材紹介サービス」の3つの方法があります。それぞれの方法について解説します。

1. クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、仕事を依頼する側とフリーランスをつなぐプラットフォームを提供するサービスです。インターネットを使用して、仕事を依頼できます。

有名なサービスに『クラウドワークス』や『ランサーズ』などがあり、データ入力やWebデザイン、ソフトウェア開発、コンテンツ作成などの仕事を依頼できます。企業側は登録されたプロフィールやポートフォリオを見て、スキルを判断して依頼する仕組みです。

メリットとしては、求めているスキルをもつ人材をかんたんに見つけられることです。コストを抑えて人材を採用できるため、業務効率化につなげることができます。ただし、デメリットとして登録しているフリーランスのスキルは一定ではないことや、単発で仕事を受けている人も多いため、完遂まで時間を要するといったケースもあります。

依頼前に業務を効率よく進めるためのマニュアルの作成やこまかい情報を提供するなど、対策が必要です。

2. ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業側が採用したい人材に向けて能動的に採用活動を実行する方法です。求人サイトなどに募集を出して待つスタイルではなく、SNSなどを活用して求めているスキルをもつフリーランスへ直接スカウトを行うのが特徴です。企業側で選考人数を調整できるため、採用までのコストを抑えることができます。

『Twitter』や『Facebook』などのSNSをはじめ、『Workship』なども注目されています。企業アカウントやページを作成して、フリーランス側からの募集を待つこともできるため募集や選定にかかる負担を抑えられるメリットがあります。

ただし、登録内容だけではスキルの判断がむずかしく、メッセージのやり取りなどコミュニケーション回数が多くなることもあります。なるだけ短いやり取りで理想の人材が見つけられるように、求める人物像にむけた情報を積極的に発信することが大切です。

3. 人材紹介サービス

人材紹介サービスは企業が求めているスキルを備えた人材を紹介するサービスです。企業は人材を探す時間と手間をかけずに、理想の人材を採用できます。フリーランスの経歴や実績、スキルなどの情報が登録されているため、採用担当者は求めている条件で絞り込んで探して、直接スカウトが可能です。有名なIT系の人材紹介サービスでは『レバテック』と『クロスデザイナー』があります。

人材紹介サービスのメリットは、サポート体制が整っていることがあげられます。依頼から契約、稼働開始までサポートしてくれるため、初めてフリーランスへ外注をする企業も安心して利用できます。また、フリーランスとの業務委託契約に必要な書類もサポートしてくれるため、業務委託契約におけるリスクを抑えつつ契約締結が可能です。

ただし、人材紹介サービスは利用手数料がかかります。そのため、利用にはある程度の予算を用意しておかなければなりません。ただしエージェントがヒアリングをしたうえでマッチングするため、ミスマッチは他のサービスに比べて起こりにくいです。

フリーランスへ外注するときの注意点5つ

フリーランスへ仕事を依頼するときは、業務委託に関する法律を理解しておかなければなりません。具体的にどのような点に注意を払えばいいのか、フリーランスへ外注するときの注意点を5つ解説します。

1. 「偽装請負」にならないよう注意する

「偽装請負」とは業務委託契約を結んでいるフリーランスに対して、指揮命令権のない委託元企業が直接指示を出して働かせている状態を指します。請負契約を結んでいる場合、企業側に指揮命令権はないため、自社の社員と同じような働き方や業務の進め方の指示を出すことはできません。以下のような状況になると「偽装請負」と判断されるため、注意が必要です。

・勤務時間や勤務場所の指定
・業務の委託者が直接指示を出している
・再委託により責任者が不明

フリーランスは企業と雇用関係がなく、何かトラブルが起きたときに雇用や安全衛生面が守られません。責任の所在があいまいになり、仕事を請け負うフリーランスが不利な立場となるため、保護することを目的に禁止されています。「偽装請負」と判断されると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(労働者派遣法59条2項)

もし「ずっと働いてほしい」と思うほど優れた人材なら、合意を得たうえで正社員として雇用することも検討しましょう。

2. 報酬の支払い方を明確にする

外注のために結ぶ業務委託契約書には、報酬の支払い方法や支払い時期ついても具体的に記載しなければなりません。依頼する仕事内容にもよりますが、請負契約なら「成果物1点につき○○円」と記載します。準委任契約なら時給や月給を記載します。

また報酬額を確定する締め日と報酬の振込日も定めて記載しておきましょう。支払い方法は原則銀行振込となっており、振込手数料は基本的に業務を依頼する企業側が負担します。クラウドソーシングなどオンライン上のプラットフォームでは、クレジットカードでの支払い方にも対応しています。外注方法によって報酬の支払い方も変わるため、自社にあわせて検討することが大切です。

3. 秘密保持契約を別途締結する

「秘密保持契約書」とは、外部の人間に業務を委託する際に開示する情報の扱い方について取り決める契約で、業務委託契約書とは別で結ぶ必要があります。簡単にいえば「業務で得た情報を他者には秘密にせよ」といった内容です。「秘密保持契約書」には以下の内容を記載します。

・秘密情報の内容
・開示範囲
・使用目的
・期間(秘密情報を取り交わす期間または受領した情報の秘密を保持する期間)
・情報漏えい時の措置
・損害賠償
・管轄裁判所

秘密保持契約書は企業とフリーランスの署名押印が必要ですが、電子契約サービスを使えば署名押印のために郵送する手間も時間もかけずに契約を結べます。

4. 下請法に注意する

フリーランスへ外注するときは「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」を理解しておかなければなりません。下請法は親事業者が下請事業者と主従関係とならないように取り締まることを目的に制定された法律です。下請法は取引内容や資本金など基準が設けられており、以下の取引に適用されます。

・製造委託
・修理委託
・情報成果物作成委託
・役務提供委託

下請法が適用されない企業は代わりに独禁法(独占禁止法)が適用されることがあります。また、「偽装請負」で労働者として認められたときは、労働基準法または労働組合法が適用されることも。どちらにしても依頼時に定めた契約内容から外れた働き方をさせると、何かしらの法律が適用されてるおそれがあることを覚えておきましょう。

違反すると企業名や違反内容が国民に公開されます。取引先企業にも公になると信用を失ってしまうため、フリーランスへ外注するときはお互いに対等な立場で仕事を進められるように努めることが大切です。

5. 外注費の勘定科目に注意する

フリーランスへ仕事を依頼して支払った費用は「外注費」として勘定科目で計上が可能です。「外注費」は給与と違って、源泉徴収義務はなく、課税仕入となり消費税の納税額を控除することが可能です。しかし、2023年10月よりインボイス制度が本格的に始まると、フリーランスから「適格請求書」が発行されなければ、仕入税額控除ができなくなります。

いきなり仕入税額控除がゼロになると影響も大きいことから、2029年10月まで段階的に控除額が減額される経過措置期間が設けられました。「外注費」の勘定科目で処理をしたいなら、取引するフリーランスが適格請求書発行事業者かどうか確認することも考えたほうが良いでしょう。

デザイナーへの外注ならクロスデザイナーがおすすめ!

本記事では、フリーランスへ外注する方法や注意点について解説をしました。外注するメリットやデメリットをふまえて、自社にあった外注先を見つけることが大切です。外注時に締結する業務委託契約は下請法をはじめ、労働に課する法律なども理解する必要があります。

なお、デザイナーの外注はクロスデザイナーがおすすめです。

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吉永 ゆくら
記事を書いた人
吉永 ゆくら

デザイン系の専門学校でグラフィックデザインを学ぶ。デザイン事務所に就職後、縫製業と企業の専属ライターを経てフリーランスに。デザイン・縫製・Webとものづくりの楽しさとやりがいを仕事を通して感じています。現在はオウンドメディアのコンテンツ制作を中心に活動中。