社会経験が豊富な人材を獲得する中途採用は、企業にとって重要な人材戦略の一つです。ただし、中途採用を行うにはさまざまな採用コストが発生するため、効率の良いコスト管理が必須と言えるでしょう。
中途採用にかかる費用は、企業の規模や業界によっても異なりますが、新卒採用よりも高額になるのが一般的です。しかし、適切な採用方法を選択すれば、これらのコストを削減することが可能です。
そこで今回は、中途採用にかかる費用の相場や、新卒採用との違い、コスト削減のコツを徹底解説します。中途採用のコストを削減したい、または適正化したいとお考えの方も、ぜひ参考にしてください。
中途採用のコストとは?主な費用の内訳も解説
中途採用における採用コストとは、企業が中途採用を行う際に発生する全ての費用を指します。
一般的に、採用コストには「内部コスト」と「外部コスト」がありますが、中途採用でも同じです。
採用コストの計算式
採用の採用コストは、次の計算式で算出できます。
採用コスト=内部コスト+外部コスト
中途採用の主な内部コストの内訳
中途採用の内部コストには、企業内部で発生するさまざまな費用が含まれます。以下に主な内訳を紹介します。
- 人件費
- 面接関連費用
- 内定者フォロー費用
- 研修費用
それぞれ解説します。
1.人件費
採用活動を行う際には、採用担当者や面接官の時間と労力が不可欠であるため、これらの人件費がかかります。 例えば、採用担当者が候補者の履歴書を確認し、面接を行い、最終的な決定をするまでの時間はすべて人件費として計上されます。
2.面接関連費用
採用費用には、面接のための会場の準備や、候補者の交通費や宿泊費が発生するケースもあります。遠方の候補者を面接する場合に、交通費や宿泊費を企業が負担すると、採用コストが増大します。
3.内定者フォロー費用
人材獲得競争が激化する現代では、内定者が入社前に企業との関係を深めるための活動が必須です。そこで、採用企業が内定者向けのオリエンテーションや交流イベントを開催するケースが増えています。
4.研修費用
新しい従業員が企業の業務プロセスや文化に適応するためには、十分な研修が必要です。そのため、新しい従業員向けのオンボーディングプログラムや、専門的なスキル研修を実施する必要があります。
中途採用の主な外部コストの内訳
一方、中途採用の外部コストには、以下のような項目が含まれます。
- 求人メディアへの出稿費・掲載費
- パンフレットの制作費
- 採用テストの費用
- 採用代行の費用
- 採用ツールの導入・利用費用
- 合同説明会の出展費
- 人材紹介会社への紹介料
- 内定者の研修費(外部委託する場合)
それぞれ解説します。
1.求人メディアへの出稿費・掲載費
求人メディアへの出稿費や掲載費は、求人広告を出すための費用です。これには、オンライン求人サイトや紙媒体の求人広告の費用が含まれます。企業の規模や求人の内容によって費用は異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度かかることが多いです。
2.パンフレットの制作費
採用パンフレットの制作費は、企業の魅力や募集要項を伝えるための印刷物の制作費用です。デザイン費用や印刷費用が含まれ、部数やデザインの複雑さによって費用が変動しますが、数万円から数十万円程度が一般的な相場です。
3.採用テストの費用
採用テストの費用には、適性検査や能力検査などのテストの実施費用が含まれます。外部のテスト提供会社に依頼する場合が多く、1人あたり数千円から数万円程度の費用がかかります。
4.採用代行の費用
採用代行の費用は、採用プロセス全体を外部の専門業者に委託する際の費用です。一般的には求人広告の作成、応募者の選考、面接の調整などが含まれます。
費用は依頼する業務の範囲や企業の規模によって異なりますが、数十万円から数百万円程度かかることがあります。
5.採用ツールの導入・利用費用
採用管理システム(ATS)や面接スケジューリングツールなどの導入・利用費用です。これらのツールは採用プロセスを効率化するために使用され、月額料金や年間契約料金が発生します。一般的には、年間で数万円から数十万円程度必要です。
6.企業説明会や合同説明会の出展費
合同説明会の出展費は、企業が合同説明会に参加するための費用です。ブースの設置費用やパンフレットの配布費用などが含まれます。費用はイベントの規模や場所によって異なりますが、数十万円程度かかることが多いです。
7.人材紹介会社への紹介手数料
人材紹介を利用することで、中途採用で重視すべき専門スキルを持つ候補者を紹介してもらえます。 ただし、人材紹介を利用して人材を獲得する場合は、成功報酬として採用者の年収の一定割合(理論年収の30〜35%が相場)の支払いが生じます。
8.内定者の研修費(外部委託する場合)
内定者の研修費は、内定者に対して外部の研修機関で研修を受けさせる際の費用です。研修の内容や期間によって費用は異なりますが、数万円から数十万円程度かかることが多いです。内定者研修の実施は、内定者がスムーズに業務を開始できるようになるだけでなく、内定辞退や早期離職のリスクが軽減されるため、結果的に採用コストの削減につながります。
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中途採用コストの平均相場を業界・企業規模別で比較
以下では、採用コストの平均相場を、企業規模や業種別で比較します。
企業規模別の採用コストの相場
以下は、企業規模別の採用コストの相場です。ぜひ参考にしてください。
企業規模(従業員数) |
採用コストの相場(年間の平均額) |
小規模企業(50名以下) |
約86.7万円 |
中規模企業(51~300名) |
約299.0万円 |
大規模企業(301~1,000名) |
約550.4万円 |
超大規模企業(1,001名以上) |
約1290.5万円 |
参考:マイナビ 中途採用状況調査2024年度版 より
上記のように、企業の規模が大きくなるほど採用コストも増加する傾向にあります。これは、採用活動の範囲が広がることや、より多くのリソースが必要になるためです。
業種別の採用コストの相場
以下は、業種別の採用コストの相場です。ぜひ参考にしてください。
業種 |
採用コストの相場(平均額) |
IT・通信・インターネット |
約998.5万円 |
金融・保険・コンサルティング |
約907.5万円 |
メーカー |
約827.9万円 |
環境・エネルギー |
約635.6万円 |
不動産・建設・設備・住宅関連 |
約539.2万円 |
公的機関 |
約534.2万円 |
運輸・交通・物流・倉庫 |
約525.3万円 |
サービス・レジャー |
約438.3万円 |
流通・⼩売・フードサービス |
約399.9万円 |
医療・福祉・介護 |
約262.8万円 |
商社 |
約241.7万円 |
マスコミ・広告・デザイン |
約53.0万円 |
参考:マイナビ 中途採用状況調査2024年度版 より
上記の数値には、求人広告費、人材紹介費、面接費、研修費などの総合的なコストを含んでいます。採用コストが大きく異なる要因は、業種によって必要なスキルや資格が異なるためです。
例えば、マスコミや広告、デザイン業種の採用コストが低い要因として、ほとんどの工程を内製化できることが挙げられるでしょう。
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新卒採用と中途採用のコストを比較
新卒採用と中途採用のコストには、それぞれ異なる特徴があります。そこで以下では、新卒の採用コストの特徴と、中途採用との違いについて解説します。
新卒と中途の採用コストの特徴
新卒採用のコストは、主に以下のような項目にかかります。
- 求人広告費
- 説明会・セミナー費用
- インターンシップ費用
- 選考プロセス費用
- 内定者フォロー費用
上記のように、新卒の採用コストの多くが、中途採用のコストに共通する項目です。
ただし、新卒採用では即戦力となる人材を求めるケースが中途採用よりも少ないために、人材紹介などを利用するケースが少ないのが特徴です。
一方、中途採用では、即戦力となる人材を求めるケースが多くなることから、人材紹介会社を利用するケースが増えるために、一人当たりの採用にかかる採用単価が高くなりやすい傾向にあります。
新卒と中途の採用単価の違い
株式会社リクルートが運営する「就職みらい研究所」が行なった2020年の調査によると、新卒採用の方が中途採用よりも平均的に採用単価が安い傾向にあります。
具体的には、新卒採用の採用単価は約93.6万円で、中途採用の採用単価は約103.3万円となっており、約10万円もの差が見られます。
ただし、企業の規模や採用手法によって採用にかかる費用は大きく変動するため、一概に新卒の採用コストや採用単価が低いとは言えません。
また、新卒と中途のどちらの採用方法が適しているかは、企業のニーズや状況によって異なります。新卒採用は将来の成長を見据えた長期的な投資と考え、中途採用は即戦力を求める短期的なニーズに応える手段として、それぞれのメリットを考慮して選ぶことが重要です。
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中途採用コストを削減するための7つのポイント
以下では、中途採用コストを削減するための主なポイントを紹介します。
- ミスマッチを防ぐ
- 求人広告を見直す
- SNSやオウンドメディアを活用する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
- 内部コストを見直す
- 採用代行を活用する
- リファラル採用を推進する
それぞれ解説します。
1.ミスマッチを防ぐ
採用のミスマッチを防ぐためには、求めるスキルや経験を明確にし、応募者の適性をしっかりと見極めることが重要です。適性検査や面接の質を高めることで、早期離職を防ぎ、再度の採用コストを削減できます。
また、ジョブディスクリプションを作成して、詳細な職務内容や求めるスキルを明確にし、面接での質問を工夫することで、候補者とのミスマッチを防ぐことが可能です。
関連記事:採用ミスマッチが起こる原因は?起きた時の対処法と予防策を徹底解説
また、下記の資料では、自社に必要な業務を顕在化するためのジョブディスクリプション作成のポイントをテンプレート付きで解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
2.求人広告を見直す
求人広告の内容や掲載する媒体を見直すことで、より効果的にターゲット層にアプローチできます。費用対効果の高い媒体を選び、広告の内容を最適化することで、無駄なコストを削減できます。
関連記事:デザイナーの採用媒体14選|迷わないサービスの選び方も解説
3.SNSやオウンドメディアを活用する
SNSや自社のオウンドメディアを活用することで、低コストで広範囲に求人情報を発信できます。特にSNSはターゲット層に直接アプローチできるため、効果的な採用手法と言えるでしょう。
関連記事:ソーシャルリクルーティングとは?採用するメリット・デメリット、運用方法や成功事例を徹底解説
4.ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングは、企業が直接候補者にアプローチする手法です。人材紹介会社を介さずに採用活動を行うことで、紹介料を削減できます。また、ターゲットを絞った採用が可能となります。
関連記事:ダイレクトリクルーティングのメリットは?採用費用や成功事例、注意点を徹底解説
5.内部コストを見直す
採用活動にかかる内部コスト(人件費や時間)を見直し、効率化を図ることも重要です。採用プロセスの自動化ツールやATS(採用管理システム)を導入することで、業務効率を向上させ、コストを削減できます。
6.採用代行を活用する
採用代行サービスを利用することで、採用活動全体を外部に委託し、内部リソースを節約できます。専門家による効率的な採用活動が期待でき、結果的にコスト削減につながることがあります。
ただし、ノウハウは蓄積されにくいため、コスト効率も踏まえた上で内製化すべきどうかをしっかりと判断することが重要です。
7.リファラル採用を推進する
リファラル採用(社員紹介制度)は、既存社員からの紹介で候補者を集める手法です。信頼性が高く、ミスマッチが少ないため、採用コストを大幅に削減できます。また、紹介者にインセンティブを提供することで、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
関連記事:リファラル採用とは? メリットやデメリット、報酬費用や注意点を徹底解説
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効果的な人材活用にはフリーランスへの外注がおすすめ
フリーランスへの外注は、企業にとって多くのメリットがあります。以下にその主な理由をいくつか挙げます。
- 迅速に人手を確保できる
- 即戦力を確保できる
- コストを削減できる
- 社内リソースを有効活用できる
- 専門性と柔軟性の高い人材を活用できる
それぞれ解説します。
1.迅速に人手を確保できる
フリーランスを活用することで、急なプロジェクトや業務の増加に迅速に対応できます。求人活動や面接プロセスを省略できるため、必要なスキルを持つ人材を短期間で確保することが可能です。特に、短期的なプロジェクトや一時的な業務増加に対しては、フリーランスの即戦力が大いに役立ちます。
2.即戦力を確保できる
フリーランスは特定のスキルや経験を持つ専門家が多く、即戦力として活躍できます。このようなフリーランスは、既に業界や職務に精通しているため、研修やトレーニングの時間を大幅に削減できるのもメリットです。これにより、プロジェクトの立ち上げや進行がスムーズに行われ、成果を早期に得ることが可能です。
3.コストを削減できる
フリーランスを活用することで、固定的な人件費を削減できます。フリーランスはプロジェクト単位や時間単位で契約することが多く、必要な時に必要なだけのリソースを確保できます。また、福利厚生やオフィススペースの提供が不要なため、総合的なコスト削減が可能です。
4.社内リソースを有効活用できる
フリーランスに定型業務やイレギュラーな業務を任せることで、社内の人材がコア業務に専念できます。例えば、短期間のプロジェクトや特定の専門スキルが必要な期間業務をフリーランスに依頼することで、社内のリソースを効率的に活用できます。
5.専門性と柔軟性の高い人材を活用できる
フリーランスは、特定の分野で高い専門性を持っている人材が多く、柔軟な働き方が可能です。これにより、企業は必要なスキルセットを持つ人材をタイムリーに活用できるのが魅力です。特定の技術や知識が必要なプロジェクトにフリーランスを活用することで、迅速かつ効果的にプロジェクトを進めることができます。
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優秀なフリーランスの人材の獲得はクロスデザイナーにおまかせ
優秀なフリーランスの人材の獲得には、クロスデザイナーの利用がおすすめです。以下では、その主な理由を紹介します。
- 豊富なデザイナーデータベース
- 高い審査基準
- 幅広い専門分野
- 迅速な対応
- 専門的なサポート
それぞれ解説します。
1.豊富なデザイナーデータベース
クロスデザイナーは、登録デザイナー数が7,000人以上と国内最大級の規模を誇っており、さまざまなニーズに対応できる優秀なデザイナーを迅速に見つけることが可能です。
具体的には、UI/UXデザイン、アプリデザイン、グラフィックデザインなど、多様な分野のデザイナーが登録されているため、プロジェクトに最適な人材を提案できます。
2.高い審査基準
クロスデザイナーに登録する際のデザイナーの審査通過率はわずか5%程度であり、厳選された優秀な人材のみが登録可能です。また、フリーランスを提案する際には、デザイナーのポートフォリオや実績をクライアント企業と共有することで、ミスマッチを最小限に抑えることができます。
このような高い審査基準を設けることにより、質の高いデザイナーを確保し、プロジェクトの成功を支援しています。
3.幅広い専門分野
クロスデザイナーには、UIデザイン、アプリデザイン、デザインエンジニア、ゲームデザイン、グラフィックデザインなど、さまざまな分野の幅広いデザイナーが登録されています。
豊富なジャンルのデザイナーが登録していることで、企業のプロジェクトや課題に最適な人材を迅速に紹介できるため、専門性の高い業務にも対応可能です。
4.迅速な対応
クロスデザイナーは迅速な対応が可能で、平均1営業日以内にデザイナーを紹介できるため、急なプロジェクトにも迅速に対応できます。例えば、最短即日で複数名の即戦力デザイナーを提案し、条件が合えば最短3日でアサイン可能です。
5.専門的なサポート
クロスデザイナーでは、専門の採用コンサルタントが案件内容をヒアリングし、最適な採用要件を提案しています。これにより、採用のミスマッチを最小限に抑えることが可能です。具体的には、稼働日数やスキル条件などの要件をクライアント企業からお伺いし、企業のニーズに合ったデザイナーを紹介します。
国内最大級のデザイナー専門のエージェントサービスである、クロスデザイナーには、厳正な審査を通過したハイスキルなデザイナー7000人以上が在籍しており、自社に合うデザイナーを見つけることができます。また、制作開始後も担当のコンサルタントがさまざまなトラブルや困りごとにも間に入って対応してくれるため、安心です。
さらに、登録しているデザイナーと合意があれば正社員採用もできます。スカウトや人材紹介機能もあるため、採用難易度の高い、即戦力デザイナーの採用機会を最大限サポートしています。
エージェントに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週2〜3日の柔軟な依頼も可能なので、自社の作業量に応じて効率的に外注することが可能です。
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Workship MAGAZINE編集部。フリーランス、マーケティング、会計経理、経営分野が専門。個人事業主としてスポーツインストラクター、飲食店経営、飲食コンサルを経て、現在はコンテンツ制作会社を経営中。
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