「メタバースについてなんとなく知っているけれども、具体的に何ができるのか?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
この記事では、メタバースの概要を解説したうえで、活用するメリットや事例、注意点などを詳細に説明します。メタバースを開発する際におすすめの外注先も紹介するので、参考にしてください。
メタバースとは
最初に、そもそもメタバースとは何かを解説します。メタバースとは、インターネット上の仮想空間で、以下のような特徴を持っています。
- ユーザーはアバターを通じて、現実世界に近い活動を仮想空間で行うことができる。
- ユーザー間のリアルタイムでのコミュニケーションや相互作用が可能。
- メタバース内で経済活動が行われ、デジタルアセットが実際の価値を持つ。
- 誰もが自由にアクセス可能な、拡張性のある開かれたプラットフォームである。
メタバースとビジネスの融合は進んでおり、企業はさまざまな形で活用しています。エンターテインメント、ビジネス、教育など、さまざまな分野において、メタバースを活用することで、上記のような新しい体験を提供することが可能になります。
メタバースでできることとは?
ここでは、メタバースでできることは何かを具体的にイメージできるように、企業によるメタバースの活用シーンから、以下の7つについて解説していきます。
- イベントの開催・出展
- 広告出稿
- バーチャルストアの出店
- NFTアイテムの販売
- ブランディング
- バーチャルオフィス
- 教育プログラムの実施
1.イベントの開催・出展
メタバースは、物理的な制約を超えたイベントの開催に最適な場所です。メタバース内で製品発表会や展示会、カンファレンスなどを実施すれば、世界中の参加者を迎え入れることができ、ブランドの認知度を高めることができます。
2.広告出稿
メタバース内に広告を出稿することで、従来とは異なる手段でターゲットユーザーにアプローチすることが可能です。また、新たな顧客層にリーチできる可能性もあります。
3.バーチャルストアの出店
メタバース内に店舗を構築すれば、ユーザーは実店舗へ出向くことなく、リアルタイムで商品の閲覧や購入が可能になります。これにより、顧客に新しいショッピング体験を提供することができます。
4.NFTアイテムの販売
デジタル資産の所有権を保証するNFTを活用する企業も増えています。限定アイテムやデジタルアートなどをNFTとして販売することで、新たな収益源を生み出すことが可能です。
5.ブランディング
メタバースを利用して独自のブランド体験を創り出すことにより、新たなアプローチ方法でブランドのストーリーを伝えることが可能です。ユーザーはメタバース内でのインタラクティブな体験を通じて、ブランドとの関係を深めることができます。
6.バーチャルオフィス
リモートワークの普及に伴い、メタバース上にバーチャルオフィスを設置する企業も増えています。バーチャルオフィスを活用して、社員間のコミュニケーション不足を解消したり、共同作業を促進したりすることで、帰属意識やエンゲージメントの向上にもつながります。
7.教育プログラムの実施
教育分野でもメタバースの活用は進んでいます。学校がバーチャルキャンパスで授業を行うように、企業がメタバース内で研修やトレーニングプログラムを実施することで、社員は物理的な制約なくスキルアップを図ることが可能です。
メタバースを活用するメリット
企業がメタバースを活用することで、以下のように多くのメリットが得られます。
- 新しいビジネスモデルの創出
- 新たな顧客接点の獲得
- データ活用による製品・サービスの質の改善
- 作業効率の向上とコスト削減
- 社内コミュニケーションの円滑化
- 社員研修への活用によるスキル向上
これらの6つのメリットについて詳しく説明します。
1.新しいビジネスモデルの創出
企業がメタバース市場に参入することで、デジタル商品やサービス、バーチャルイベントなど、新しい収益源を生み出す機会が得られます。従来のビジネスモデルを拡張することができるうえ、急成長を遂げる市場でまったく新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
2.新たな顧客接点の獲得
メタバース内に顧客との接点を構築すれば、従来とは異なる手段で世界中のユーザーにアプローチすることができます。企業やブランドの認知度の向上や、新しいユーザー層の開拓につながり、顧客基盤を拡大することが可能です。
3.データ活用による製品・サービスの質の改善
メタバース内におけるユーザーの行動や興味関心に関する豊富なデータを、ビジネスに活用することができます。データの分析結果を反映して、製品やサービスの質の改善につなげることが可能です。
4.作業効率の向上とコスト削減
オフィススペースの物理的な制約や移動にかかるコストを削減し、リモートワークやバーチャルコラボレーションのスムーズな実施を促します。ARやMR技術を活用して作業現場での指示確認や情報共有を効率化したり、バリューチェーンをデジタルツインで可視化したりすることも可能です。
5.社内コミュニケーションの円滑化
バーチャルオフィスを設置し、メタバース内で社内イベントや会議を実施することにより、社員間のコミュニケーションを活性化させます。これにより、チームワークと生産性が向上する可能性があります。
6.社員研修への活用によるスキル向上
メタバースを活用して、バーチャル空間での研修プログラムやトレーニングを提供することで、社員のスキルアップをサポートします。また、企業側が負担する教育コストの削減にも繋がります。
メタバースを活用して成功している企業の事例
成功企業の事例からメタバースの活用方法を学ぶのも一つの方法です。ここでは、注目の事例を5つ紹介します。
- 国土交通省
- みずほ銀行
- ANA
- 日産自動車
- 大日本印刷
1.国土交通省
観光庁と国土交通省都市局が連携し、3D都市モデルをベースに横浜・みなとみらいエリアのメタバースを構築し、これをオクルージョンとして利用したXRコンテンツを開発。オクルージョンとは、現実世界と仮想世界の前後関係を再現するための技術や技法を指します。
さらに、XRコンテンツをオープントップバスと組み合わせた観光バスツアーとして提供し、新たな観光体験アトラクションを創り出しました。
実施事業者:観光庁 / 京浜急行電鉄株式会社 / 株式会社シナスタジア / 株式会社ネイキッド
実施場所:神奈川県横浜市 みなとみらい周辺
実施期間:2021年12月〜2022年1月
2.みずほ銀行
みずほ銀行は、次世代チャネルとしての有用性を検証する目的で、「バーチャルマーケット2022 Summer」メタバース空間「パラリアル大阪」のなかに、独自の<みずほ>ブースを出展。銀行店舗をイメージしたブースで、金融クイズとボルダリングを組み合わせたアトラクションを提供したり、アバターに着用させることが可能な3Dモデルを用意したりなどして、顧客との新しい接点を創り出しました。また、<みずほ>社員による座談会イベントを通じて、金融に関する知識の普及や新しいサービスの紹介を行いました。
名称:バーチャルマーケット2022 Summer
主催・運営:VR法人HIKKY
会期:2022年8月13日 ~28日
参考:メタバースビジネスに向けた〈みずほ〉の取り組みについて~「バーチャルマーケット2022 Summer」への出展について~
3.ANA
ANAは、バーチャルトラベルプラットフォームアプリ「ANA GranWhale」を開発。世界中の旅先や文化をVR技術によって再現することで、安全かつ快適に楽しむことができる新しい旅行体験アプリです。V-TRIP(旅のテーマパーク空間)とSkyモール(ショッピング空間)の2つのサービスで構成されています。
公開日:2023年12月11日
提供:ANA NEO株式会社
4.日産自動車
日産自動車は、メタバース上で世界中の人々が新たな体感・共感できる革新的なコミュニケーションの場として、2021年にVRChat上に独自のワールドをオープン。2023年にはメタバース上で電気自動車(EV)を活用し、サステナブルな暮らしを楽しむゲーム型コンテンツの「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開しました。
NISSAN EV & Clean Energy World 公開日:2023年1月20日
日産自動車、メタバース上でサステナブルな暮らしを体験するゲーム型コンテンツ「NISSAN EV & Clean Energy World」を公開
5.大日本印刷
大日本印刷(DNP)は、株式会社AKIBA観光協議会とともに、国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」に高精細な「バーチャル秋葉原」をオープン。ショップやギャラリーなどでのネット販売や広告サイネージなどをバーチャル空間で展開しています。
また、レノボ・ジャパン合同会社との共同サービス「メタバース空間を利用したラーニングシステム」により、3Dメタバース(仮想空間)を活用した新しい教育機会の創造を支援しています。このツールを活用することで、授業や面談、グループワークなどを3Dメタバース上で実施でき、外国との交流授業への活用や不登校支援、日本語指導などさまざまな学びを提供しています。
バーチャル秋葉原 公開日:2023年4月27日
参考:
国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」に高精細な「バーチャル秋葉原」が登場
3Dメタバースで学びの場を提供「メタバース空間を利用したラーニングシステム」
また、以下の記事では、デザイナー専門のエージェントサービス「クロスデザイナー」経由で、メタバース開発に関わるデザイナーを採用した法人様の導入事例をご紹介しています。あわせてご覧ください。
関連記事:チームの一員として並走してくれる、メタバース領域に強いデザイナーと出会った住友商事様
メタバースを活用する際の注意点
メタバースにはいくつかのリスクも存在します。企業がメタバースを活用する際の注意点は以下のとおりです。
- 個人情報の流出
- デジタルアセットの盗難
- メタバース空間のハッキング
- 匿名性を悪用した詐欺や犯罪
企業がメタバースを活用する際は、上記のリスクを理解し、適切な対策を講じることが求められます。それぞれ詳しく説明します。
1.個人情報の流出
メタバース内での活動は個人データを生成する場合があるため、セキュリティが不十分だと個人情報が流出するリスクが生じます。そのため、個人情報の共有は最小限にしてプライバシー設定を適切に管理し、重要なデータは二段階認証や強力な暗号化を用いて保護する必要があります。
2.デジタルアセットの盗難
メタバースでは、仮想通貨やデジタルアイテムなどのデジタルアセットがハッキングされることによる盗難のリスクが考えられます。セキュリティ対策を強化し、信頼できるプラットフォームを使用することが重要です。
3.メタバース空間のハッキング
メタバースのセキュリティの脆弱性を悪用した改ざんやハッキングにより、ユーザー体験に悪影響を及ぼす可能性があります。ソフトウェアを定期的に更新して常に最新に保ち、不正アクセスやマルウェア対策としてセキュリティソフトを導入することでリスクを軽減できます。
4.匿名性を悪用した詐欺や犯罪
メタバースは、ユーザーがアバターを通じて異なるアイデンティティを持ち、仮想世界で活動することができる革新的な空間です。そのため、匿名性を保ちつつも、多要素認証の導入、不正アクセス検知システムの設置、利用規約による不正行為の禁止といった詐欺や犯罪を防ぐための対策を講じることが重要です。
また、メタバースの技術や法整備の進展によって、これらのリスクは変化する可能性があるため、常に最新の情報を得て対応する必要があります。
メタバース開発の外注先3つ
メタバースを自社で開発するには、高度なスキルを持つ専門家の採用や育成を強化する必要があり、膨大な時間やコストがかかります。そのため多くの企業では外部の専門家に依頼することが一般的となっており、社内に開発の知見やリソースがない場合は外注することをおすすめします。
メタバース開発の主な外注先は以下の3つです。
- メタバースプラットフォームを提供する企業
- 制作会社
- フリーランス
それぞれ詳しく説明します。
1.メタバースプラットフォームを提供する企業
メタバースプラットフォームを提供する企業は、仮想空間の基盤となるプラットフォームの開発に特化しています。そのため、メタバース開発においても高い技術力と組織力を持っています。
2.制作会社
制作会社は、品質の高いビジュアルデザインやクリエイティブなコンテンツの制作に長けており、メタバース内でユーザー体験を高める機能性とデザイン性を両立したサービスを提供しています。依頼する際は、各制作会社の強みや得意分野を比較し、自社のニーズと照らし合わせて見極める必要があります。
3.フリーランス
メタバースの開発実績があるフリーランスは、高度なスキルと知識を持っており、最新のトレンドや技術に詳しいうえ、プロジェクトの要件や特定のタスクに対して柔軟な対応が可能です。そのため、企業に依頼するよりも予算を抑えつつ、効率的にメタバース制作をサポートしてくれるでしょう。
一方、プロジェクトの途中で辞めてしまう可能性があり、リスクを回避するためには円滑なコミュニケーションを確保する必要があります。また、フリーランスは一人で作業するケースが多く、大規模で複雑な要件のプロジェクトを担うには限界があるでしょう。そのため、メタバース開発をフリーランスに依頼する際は、知識やスキルのほかコミュニケーション力や信頼性についても慎重に評価する必要があります。
以下の資料では、「初めて外注を活用する」という方に向けて、外注の流れをステップとして解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひお気軽にご覧ください。
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メタバース開発をフリーランスのクリエイターに依頼するならクロスデザイナーがおすすめ
この記事では、メタバースの概要を解説したうえで、活用するメリットや事例、注意点などを詳細に説明しました。
メタバースを自社で開発するには膨大な時間やコストがかかるため、多くの企業では外部の専門家に依頼することが一般的となっており、社内に開発の知見やリソースがない場合は外注することをおすすめします。
主な外注先としては「メタバースプラットフォームを提供する企業」「制作会社」「フリーランス」の3つが挙げられますが、メタバースの開発実績があるフリーランスなら、企業に依頼するよりも予算を抑えつつ、効率的にメタバース制作をサポートしてくれます。その際、メタバース開発に関わるデザイナーへ外注する場合は、デザインの知識やスキル、費用相場について熟知した、実績と信頼のあるデザイナー専門のエージェントサービスに依頼すれば、業界に詳しく安心して任せられるでしょう。
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