企業のブランドイメージを体現するロゴ。重要とは分かっているものの、いざ制作となると「どう依頼すればいいの?」「何を準備すべき?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ロゴデザインの依頼方法から事前準備まで、段階を追って詳しく解説します。また、デザイン制作会社やフリーランスなどさまざまな依頼先の特徴も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ロゴデザインとは
ロゴデザインとは、企業の理念やブランドイメージを図案化した物です。ロゴは単なるシンボルや文字列以上の意味を持ち、企業のアイデンティティを一目で伝えたり、他社と差別化を図ったりするなどの重要な役割を持っています。
ロゴデザイン制作を依頼する前に準備すべき4項目
ロゴを制作する前に準備すべき項目について解説します。
- ロゴデザインを制作する目的
- ターゲット設定
- ブランドイメージやトーンの決定
- ロゴの利用シーン
ロゴデザインを制作する目的
ロゴは単なるデザインではなく、企業やサービスのイメージを伝える役割を果たします。そのため、制作に取り掛かる前に「なぜロゴを作るのか」をしっかりと整理する必要があります。
例えば、企業ロゴの場合、社名変更や事業拡大、経営方針の転換などがロゴデザインを見直すきっかけになることがあります。一方、サービスや商品の場合には、ユーザー体験の変化や大型アップデートなどが目的となることが多いです。
ロゴ制作の背景や目的が不明瞭なまま進めてしまうと、デザインの方向性がブレてしまい、ターゲットに響かないロゴが完成してしまうおそれがあります。企業の理念や目標を正確に伝えるためにも、ロゴを作る目的をしっかりと整理し、デザイナーに共有することが大切です。
ターゲット設定
ターゲットが誰であるかを具体的に定めることで、デザイナーは企業のコンセプトと一致した、ターゲットに響くデザインを提案しやすくなります。
たとえば、性別や年齢、趣味・嗜好などの属性を考慮し、ターゲットのニーズや好みを把握しておくことで、ロゴの方向性がブレず、スムーズな制作が可能になります。ターゲット設定をしっかり行い、デザイナーに共有しましょう。
ブランドイメージやトーンの決定
続いて「ブランドイメージやトーンの決定」を明確にすることも大切です。ロゴを見たターゲットにどう感じてほしいのか、どんな印象を持ってもらいたいのかを具体的に言語化しておきましょう。たとえば、落ち着いた雰囲気なのか、若々しくエネルギッシュなイメージなのかといった違いは、ロゴのデザインに大きく影響します。
また、デザインに使用したいモチーフやカラーの希望があれば、事前にデザイナーに伝えておくとスムーズです。反対に、使用してほしくないNGカラーやモチーフがある場合も理由とともに伝えることで、デザイナーがより的確な提案をしてくれるでしょう。
ロゴの利用シーン
ロゴはさまざまな媒体で使用されるため、どのようなシチュエーションでロゴを使うのかを事前に想定しておくことで、デザインの方向性が決まります。
たとえば、ロゴが大きな看板や店舗の外観に使われる場合、遠くからでも視認性が高く、インパクトのあるデザインが求められます。一方で、SNSのアイコンやアプリアイコンなど、サイズが小さくなる場合には、シンプルで可読性の高いデザインが重要です。また、名刺や封筒に使用する場合には、単色でも映えるデザインや、小さいサイズでも視認できるデザインが適しています。
ロゴの利用シーンを具体的に想定しておくことで、いざ展開する際に「このロゴでは使えない」というトラブルを未然に防げます。このように、ロゴをどのような場所、サイズ、色で使用するかを考慮することは、デザインの方向性を決めるうえで重要です。
ロゴデザインの依頼8ステップ
ロゴ作成を外注に依頼した場合のステップについて解説します。
- ロゴデザインを依頼先を決める
- ヒアリング
- 競合調査・市場分析
- イメージやトーンのすり合わせ
- デザイン案の作成と提案
- 修正・フィードバック
- ロゴの決定とガイドラインの作成
- 納品
1. ロゴデザインを依頼先を決める
まずはロゴデザインをどこに依頼するかを決定します。デザイン制作会社、フリーランス、クラウドソーシングなどから、自社の予算や要件に合った依頼先を選びます。それぞれの強み(コスト、対応力、専門性など)を考慮して最適な依頼先を見つけましょう。
2. ヒアリング
デザイナーと最初に行う重要なステップです。企業やサービスの背景、ターゲット、目的、確立したいブランドイメージ、訴求したいターゲット、想定される用途など、ロゴに反映させるべき情報を詳しく伝えます。この段階で双方が同じ認識を持つことで、デザインの方向性にブレがなくなります。
3. 競合調査・市場分析
デザイナーはヒアリングをもとに市場に出回っている競合のロゴを分析し、デザインやカラースキーム、フォントの使用などをリサーチしていきます。競合と差別化できるポイントを見つけ、独自性を強調したデザインを作るための大切な工程です。
4. イメージやトーンのすり合わせ
方向性が決まれば、次にロゴのイメージやトーンを決定します。たとえば、クールでモダンなデザインにするのか、親しみやすく柔らかいデザインにするのかを決め、色の使い方やフォントのイメージなどを具体化します。参考となるロゴやビジュアルを共有すると方向性がブレにくくなります。
5. デザイン案の作成と提案
ヒアリングの内容をもとに、デザイナーから複数のデザイン案が提案されます。色のバリエーションや形、文字の太さやフォントの異なる案が出てくるため、イメージに合うものを絞り込んでいきます。
6. 修正・フィードバック
提案されたデザイン案をもとに、細かな修正や変更を依頼します。色の変更やフォントの調整、要素の追加・削除など、「もっとこうして欲しい」という具体的なフィードバックを伝えましょう。
7. ロゴの決定とガイドラインの作成
修正を重ね、最終的なロゴを決定します。併せて、ロゴの使用ガイドラインも作成します。ガイドラインには、ロゴのサイズ、配色、フォントの指定、使用場所(ウェブサイト、印刷物など)に応じたルールが含まれ、ブランド全体の表現を統一して使用できるようにサポートする役割があります。
8. 納品
決定したロゴを納品してもらいます。印刷物やWebでの活用を考えて、適切な形式(Ai、png、jpgなど)でデータをもらいましょう。追加デザインや使用方法のアドバイスなど納品後のサポートも併せて確認しておくことをおすすめします。
ロゴ作成の費用相場
ロゴ作成の費用相場は、依頼する相手やプロジェクトの規模に応じて大きく異なります。
以下は、主な依頼先ごとの費用の目安です。
フリーランスの場合(3〜15万円)
1対1で直接やり取りできるため、柔軟な対応が期待でき、要望に合わせたオリジナルのロゴを制作してもらえることが多いです。デザイナーの経験やスキルによって価格は変動し、実績の多いデザイナーほど費用は高くなります。
デザイン制作会社の場合(30〜50万円)
制作会社ではチームでプロジェクトを進めるため、より多角的な視点でデザインを提案してもらえます。デザインのクオリティも高く、複数の案を提示され、ブランド戦略全体に合わせた提案を受けることができます。
有名デザイナーの場合(50〜300万円以上)
大手企業や有名ブランドのロゴデザインを手掛ける有名デザイナーになると一気にコストが跳ね上がります。プロジェクトの規模やデザイナーの知名度によって異なりますが、デザイナーのスキル、経験、知名度、実績などで価格は変動します。豊富な実績と経験を活かし、全体の戦略を包括したデザインが期待できます。
ロゴ作成にかかる費用の内訳
費用の内訳を以下、表形式で解説します。
名称 | 内容 | 費用相場 |
デザイン費 | ロゴの設計図ともなるデザインの費用 | フリーランス:数万円 デザイン会社:数十万円 |
作業費 | 設計図をもとに、実際にデータとしてロゴを作成する費用 | デザイナーの実作業に対してかかる費用のため、デザインの複雑さに応じて変動 |
提案数 | 初回に提案されるデザイン案で通常は2〜3案が標準 | 提案数に応じて変動 |
修正回数 | 提案されたデザインに対する修正依頼のこと、契約前に修正回数を確認しておくのがおすすめ | 一般的に2〜3回までが初回料金に含まれるが、無制限に修正できるプランもあり |
ディレクション費 | ロゴデザイン制作の企画や進行にかかる費用 | 一般的に制作費全体の10〜30% |
CI/VIマニュアル作成費 | CI(コーポレート・アイデンティティ)やVI(ビジュアル・アイデンティティ)に沿ってロゴの使用ルールをまとめたガイドラインの作成費用 | 簡易マニュアル:2〜5万円 詳細マニュアル:8〜15万円 |
著作権譲渡費 | ロゴデザインの著作権を譲渡するための費用 | 標準料金に含まれることもあるが、金額は数万円程度が目安 |
商標登録費 | ロゴの商標登録を行うための手続き費用 | 登録代行費は10〜15万円、商標登録の出願費用は1万円代から |
ロゴ作成にかかる費用は上記のように、デザインそのものだけではありません。企画・ディレクション費や修正回数、著作権譲渡費などさまざまな要素が含まれます。依頼内容や使用用途によって費用が変動するため、事前に詳細な打ち合わせを行い、予算や必要な項目を明確にすることが大切です。
ロゴデザイン制作先を選ぶ5つのポイント
ここでは、制作先を選ぶときのポイントを5つお伝えします。選び方を間違えると希望のロゴが完成しないばかりか、時間とコストを浪費してしまいます。ぜひ依頼前にチェックしておきましょう。
- 実績
- 料金
- 納期
- 修正対応
- アフターサポート
実績
クオリティの把握のため、デザイン制作先の過去の実績を確認しましょう。実績が豊富な制作先は、さまざまな業界や企業に対応した経験があり、企業の要望に合わせた最適な提案が期待できます。
また、過去のデザイン事例やポートフォリオを見れば、その制作先が自社のブランドイメージや業界に合ったロゴを提供できるかを判断できます。特に、自社が属する業界での実績が豊富な制作先を選ぶと、業界特有のニーズやターゲット層に最適なデザインを作成してもらえる可能性が高まるでしょう。
料金
ロゴデザインの費用は制作先によって大きく異なります。フリーランスであれば数万円から、制作会社では数十万円、大手になるとさらに高額になることがあります。料金が安い場合は、品質や対応範囲が制限されることがあるため、料金だけでなく、提案される内容や対応範囲との確認が必要です。
具体的には修正対応やガイドラインの作成、納品形式など、どこまで含まれているのかを確認しましょう。また、追加料金の発生条件(修正回数、提案数など)も把握しておくと予算オーバーを防げます。
納期
ロゴ制作は一般的には2週間〜1ヶ月前後の制作期間がかかります。
自社のマーケティングや商品リリースのタイミングを逆算して納期を算出しておきましょう。納期が短すぎると、デザインのクオリティが十分でないこともあるため、制作先がどのように納期を管理しているか、余裕を持ったスケジュールかどうかも確認します。
急ぎの場合は、納期短縮が可能かどうかを確認しつつ、追加費用が発生するかも事前に確認しておくことが必要です。デザインのクオリティと納期のバランスが取れているかを見極めましょう。
修正対応
デザイン提案後に修正を依頼できる回数や対応範囲は、制作先によって異なります。修正回数に制限がある場合は、追加費用が発生することがあるため、どの程度修正に対応してもらえるのかを確認しておきましょう。
アフターサポート
納品後のアフターサポートも重要です。ロゴの使用ガイドラインの提供や、追加のロゴバリエーション(縦横比の異なるバージョンや、カラー、モノクロのバージョン)の対応が含まれているかを確認しましょう。また、将来的にロゴの微調整が必要になった場合に、対応してもらえるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
ロゴデザインはどこに依頼する?
ここでは3つの依頼先を紹介します。
- デザイン制作会社
- クラウドソーシング
- フリーランス
デザイン制作会社
デザイン制作会社は、ロゴデザインを専門に扱うチームやプロジェクトマネージャーが在籍し、複数のデザイナーがプロジェクトに関わることが多いです。プロフェッショナルな体制で、ブランディング戦略を含むトータルなデザインサービスを提供します。
メリットとしては、高品質なデザインが期待できること、ロゴデザインだけでなく、CI/VIやブランディング全体を包括したサポートが可能なこと、運用後のアフターサポートが充実している点が挙げられます。
一方、デメリットはコストが比較的高めなこと、複数の提案や修正をくりかえるために時間がかかることが挙げられます。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、オンライン上で多数のデザイナーにロゴデザインを依頼できるプラットフォームです。コンペ形式で複数の提案を集めることができ、比較的短期間で多様なデザインを手に入れることができます。
メリットとしては、コストが比較的安価なことや多様な提案が集まることが挙げられます。しかし、多様なデザイナーがいるため品質がばらつきやすく、期待通りのクオリティにならないおそれもあります。また、納品後の修正対応やアフターサポートが限定的な可能性もあるため、依頼前には確認が必要です。
フリーランス
フリーランスのデザイナーに直接依頼すると、1対1でやり取りができるため、柔軟な対応が期待できます。フリーランスには、実績も豊富で独自のスタイルや個性を持つデザイナーが多く、クリエイティブな提案を受けやすいです。
メリットとしては、素早く柔軟な対応が可能なこと、コストパフォーマンスが良いことが挙げられます。しかし、1人でプロジェクトを進めるため、万が一デザイナーが体調不良になった場合は進行が遅れるおそれもあります。
以下の資料では、外部人材を獲得するチャネルとしてよく挙げられる「業務委託」「派遣」「クラウドソーシング」の活用プロセスの違いや、メリットデメリットについて解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ外部人材の効果的な活用にお役立てください。
ロゴデザインをフリーランスに依頼するメリット
ロゴデザインはフリーランスへの依頼がおすすめです。
メリットを3つ紹介します。
- コストパフォーマンスが高い
- 柔軟な対応が可能
- プロジェクトの一貫性が保てる
コストパフォーマンスが高い
フリーランスにロゴデザインを依頼する場合、デザイン制作会社に比べてコストを抑えられることが多いです。制作会社ではプロジェクトマネージャーや複数のデザイナーが関わるため、その分の人件費や運営費がかかりますが、フリーランスの場合は個人で対応するため、営業経費などの中間コストが省かれます。結果として、コストパフォーマンスが高く、高品質なロゴデザインを依頼できる可能性が高まります。
柔軟な対応が可能
フリーランスは、1人で仕事をしているため、時間や場所を選ばないことも多く、クライアントの要望に対して柔軟に対応が可能です。直接デザイナーとコミュニケーションを取りながら進められるため、急な修正依頼や細かな調整も迅速に行ってもらえます。制作会社では、プロジェクトの進行が複数のチームメンバーを経由するため、対応に時間がかかる場合がありますが、フリーランスなら素早く対応してくれることが多いでしょう。
プロジェクトの一貫性が保てる
1人のデザイナーがプロジェクトの最初から最後まで担当するため、デザインの一貫性が保たれます。デザイン制作会社では、デザイナーが複数関わることが多く、コミュニケーションの行き違いやデザインの方向性がずれるリスクがありますが、フリーランスの場合、最初の打ち合わせから納品まで一貫して対応してくれるため、統一感のあるロゴが完成しやすくなります。
ロゴデザインを依頼したいのなら、優秀なフリーランスデザイナーが豊富なクロスデザイナーがおすすめ
ロゴデザインの依頼方法や費用相場などについてお伝えしてきました。ロゴは作って終わりではなく、社会に浸透させることで企業のイメージを創り上げていく重要なものです。ロゴデザインを制作する目的やターゲット、事業展開などを事前に決定のうえ、ロゴデザインを制作することがおすすめです。
また、コスト面や柔軟性からフリーランスデザイナーへの外注を考えているなどがあれば、ぜひ経験豊富な人材が揃っているクロスデザイナーにご相談ください。
クロスデザイナーは、国内最大規模のデザイナー登録者から、厳正したデザイナーを最適なタイミングでご提案するフリーランスデザイナー専門のエージェントサービスです。現在、7,000人以上のデザイナーが在籍しています。
登録しているデザイナーとの合意があれば正社員採用も可能です。また、スカウトや人材紹介機能もあるため、採用難易度の高い、即戦力デザイナーの採用機会を最大限サポートしています。
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- クロスデザイナーに登録しているデザイナー参考例
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