ランディングページ(LP)は、自社の製品・サービスのコンバージョン(CV)に直結した非常に重要なWebページです。
「LPのデザイン制作をどこに依頼したらいいかわからない」
「LPの依頼先の選定方法がわからない」
といった企業の担当者に向けて、LPのデザイン制作を依頼する場合の外注先と依頼先のポイントを解説します。
LPとは
LPとは、ランディングページの略です。ランディングページには、2つの意味があり、「最初にたどり着いたページ」もしくは「製品・サービスを紹介するための完結型のWebページ」となっていますが、基本的には後者を指します。
縦長のWebページ
LPは、一般的なWebサイトと違って、製品・サービスを紹介することに特化したWebページです。1ページで完結しており、製品紹介に必要な情報量をページ内に盛り込むために縦長のページになっています。
リスティング広告やSNS広告などで表示させて、それを見たユーザーがクリックすることによって、LPに流入させる仕組みです。そのため、広告文などにより興味を持ったユーザーをLP内でどう惹きつけるかが重要となっています。
目的はユーザーに何らかのアクションを喚起させること
LPの目的は、ユーザーに何らかのアクションを喚起させることです。問い合わせをしてもらう、会員登録をしてもらう、購入してもらうなどさまざまなアクションが考えられます。
つまり、LPを制作する際はLP内でユーザーにどんなアクションをとってもらいたいか、LPの目的を明確にする必要があります。目的が明確ではないLPは、CVにつながりにくく、離脱の要因にもなってしまいます。
公開後も改善を続けることでCVR向上につながる
LPは公開後も改善を続けることで、CVR向上につながります。改善する際は、CTRが低いやCVRが低いなどといった現状課題の分析・把握をしたうえで、課題の原因について仮説を立て、改善案(仮説)を策定します。
関連記事:ランディングページ(LP)の改善方法(LPO)|チェックポイントや便利なツールも解説
さらに、仮説に基づいてテストを実施します。テストには「ABテスト」という、2パターンのデザインを用意して一定期間、変更前と変更後の様子を見ることで効果の良かったほうを選ぶという方法が有効です。
関連記事:ABテストの実施方法とサイト改善のメリット、注意点やおすすめのツールも解説
LPデザイン制作の流れ
LPデザイン制作の流れは次のようになっています。
- 目的・ターゲットの明確化
- ペルソナ設計
- ワイヤーフレーム作成
- デザイン制作
- コーディング
1. 目的・ターゲットの明確化
まず、LPの目的を決めましょう。ユーザーに会員登録をしてもらうのか、購入をしてもらうのかなどLPで取ってもらいたいアクションを明確にします。
また、ターゲットユーザーはどんな人なのか、誰に届けたいのか、年齢・職業・性別といった属性を明らかにします。
2. ペルソナ設計
ターゲットが定まったら、より具体的に一人の人としてその解像度を高めます。ライフスタイルや家族構成、趣味、どんなものを好むのかをターゲットユーザーの調査をもとに明らかにしていきます。
さらに、彼らがどんなときにLPを見て、どんな状況なのか、どんな気持ちになっているのか、どうするとアクションを起こしてもらえるのかなどをより深く考え、仮説を立てます。こうしたペルソナ設計を行うことで、ペルソナユーザーへの理解が深まり、確度の高い施策につながります。
ペルソナを明確にするほど、どんな情報を提示すべきか、どんな配色で、どんなデザインにすべきか、どんなコピーが良いのか、どのようにベネフィットを提示するのかが自然と明確になり、デザインやコピーの立案もしやすくなるでしょう。
構成の作成方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
関連記事:ランディングページ(LP)の作り方の手順や成果を出すポイント、参考サイトなどを徹底解説
3. ワイヤーフレーム作成
どんな情報を入れるべきかが決まったら、Webページを制作する際の設計図となる「ワイヤーフレーム」を作成します。ワイヤーフレームは、白か黒、グレーの色のみで、四角い枠や線などを用いて、LPのレイアウトをわかりやすく示したものです。
関連記事:ワイヤーフレームの作り方|目的と注意点、おすすめツールを徹底解説
このLPのレイアウトをたたき台として、さらにメンバー間で精度の高いものにするため、アイデアを出し合います。
4. デザイン制作
ワイヤーフレームが完了したら、そのレイアウトに基づいてデザインを制作します。ペルソナが好むような配色や画像などを選んで、ペルソナを惹きつけやすいデザインにしましょう。
デザインする際には次の点を意識すると良いでしょう。
- 写真やイラストを効果的に使う
- ユーザーの視線誘導を意識する
- ペルソナが好むカラーやテイストを選ぶ
- フォントサイズを変えてメリハリをつける
- 強調する文章は太さや色を変える
- CTAを目立たせる
- 文字や画像の余白を統一して整理する
5. コーディング
デザインが決まったら、デザインをWebページで表示させるためのコードを入力します。これを「コーディング(実装)」作業と言います。
HTMLやCSSなどのマークアップ言語を使用し、入力後はPC・スマートフォン・タブレットなど複数の端末で正しく表示されているかどうかを確認します。エラーや誤表記があれば、修正する「デバッグ」作業をして、正しく表示されるまで確認と修正を行います。
LP制作のコーディング(開発)では、次のものを用意しておきましょう。
- LPのURL
- 問い合わせを受信するアドレス
- 問い合わせへの返信文
また、LPは運用しながらその都度改善していくものなので、修正がしやすいかどうかも重要なポイントです。
LPデザインのポイント5つ
LPデザインのポイントとして、次の5つが重要です。
- ファーストビュー
- 共感
- ベネフィット
- 実績・事例(エビデンス・信頼の獲得)
- クロージング・アクションへの導線
1. ファーストビュー
ファーストビューは、LPでユーザーが最初に目にする箇所です。ユーザーはファーストビューを見た瞬間に、そのページが自分にとって有益かそうでないかを無意識に判断すると言われています。
そのため、ファーストビューでユーザーに「良さそう」と思わせる魅力・価値を提示できるかどうかが非常に重要です。ファーストビューでメリットを伝える要素として次の3つがあります。
- キャッチコピー
- CTA
- メインビジュアル
キャッチコピーでは商品がどんな価値を提供してくれるのかを提示し、商品の魅力・価値を訴求します。
CTAは、購入や問い合わせなどのページに遷移させるためのボタンで、ユーザーにアクションを促します。「購入する」「無料で利用してみる」などといった具体的な文言と視認性の高い配色・デザインによって、効果的な訴求をしましょう。
関連記事:効果的なCTAボタンのデザインは?意識すべきポイントや効果的な配置場所を解説
メインビジュアルでは、商品・サービスをユーザーが利用することで得られる未来やポジティブな状況を画像で提示します。魅力的な画像を使用し、ユーザーを惹きつけましょう。
2. 共感
次の段階では、ポジティブな状況と一転して悩みを提示します。ユーザーの共感を誘う内容で、興味・関心につなげます。
必ずしもネガティブな内容である必要はなく、興味・関心や共感につながることが重要です。「起承転結」のようなストーリー展開で「どうなるの?」と思わせてスクロールしたくなる構成にしたり、ファーストビューで提示した魅力や価値に対してどんな方法でできるのかを見せたりして、ユーザーの気を引くような内容にします。
3. ベネフィット
さらに、商品がユーザーにどんな価値をもたらすのか、どんな特徴があるのか、ユーザーにとって有益となることはどんなことなのかといった「ベネフィット」を端的に分かりやすく伝えます。
たとえば、化粧水やシャンプーなど美容商品の場合にはどんな成分を使っていて、お肌や髪の毛をどんな状態へ変化させられるのかを具体的に提示します。
4. 実績・事例(エビデンス・信頼の獲得)
商品を使った人にどんな効果があったのか、実例や実績を紹介します。こうしたエビデンスをしっかり提示することで、ユーザーの信頼獲得につなげます。
たとえば、「この美容液を使ったことでお肌のくすみが明るくなった」「〇人の肌の保水率が〇%改善された」「シャンプーを使ったことで髪質が改善された」などの具体的な数値データを記載します。実際の試用前後の写真を載せることでリアリティが増し、ユーザーの購入への動機づけを高めます。
5. クロージング・アクションへの導線
さらに、お客様の声や写真、有名人のコメントなどを用いて、ユーザーの購入を後押しさせるようにします。ただ良かったというだけでなく、実際にどう変わったのかを「〇%改善」など数値を用いて提示します。
料金やサービス内容を他社と比較して、優位性を示しても良いでしょう。
そのうえで、購入までのフローをわかりやすく提示します。複雑な手順ではなく、簡単に購入できるよう、イラストなどを用いてユーザーがシミュレーションできるようにしましょう。
Q&A(よくある質問)を入れて、さまざまな疑問や不安が解決できることをユーザーに示し、ユーザーが不安に感じる要素を減らします。最後に、CTAを配置しユーザーが「購入する」などのアクションにつなげられるよう、効果的な導線を引きます。
LP制作時の注意点
LP制作時の注意点は次の3つです。
- レスポンシブ対応で制作する
- ユーザーが知りたいことを重視する
- 公開後も改善を続ける
レスポンシブ対応で制作する
LPはモバイルやPC、タブレット、それぞれのデバイスに合わせてサイズを最適化できるレスポンシブ対応で制作しましょう。ユーザーがどのデバイスからアクセスしても、見やすく、アクションがしやすいようなデザインにしておくことが重要です。
逆に、表示崩れや見にくさがあると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
ユーザーが知りたいことを重視する
自社が伝えたいことよりユーザーが知りたいことにもとづいて、構成やデザインを制作しましょう。自社が伝えたいこととユーザーが知りたいことには、ズレが生じていることも多くあります。
ペルソナユーザーのニーズを調査などによって把握し、ニーズにもとづいた情報を提示することで、ユーザーの興味が引き付けられ、魅力を感じやすくなります。
公開後も改善を続ける
LPは作って終わりではなく、公開後も改善を続け、そのためのPDCAを回すことが重要です。しっかり考えた構成やデザインであっても、公開してみると反応が全くないこともあるでしょう。
逆に言えば、デザインや構成、コピーを固めすぎず、複数のパターンを用意しておいて、ABテストを実施しながら最適化していくということもできます。そうすることでペルソナユーザーの実際の好みや反応が良いものをつかみやすくなり、次のLP制作にもつなげられます。
関連記事:ランディングページ(LP)の改善方法(LPO)|チェックポイントや便利なツールも解説
LP制作の依頼先3つとその特徴
LP制作の依頼先には次の3つがあり、特徴として次のようなことが挙げられます。
メリット |
デメリット | |
内製 |
・コミュニケーションが取りやすい ・自社の事業・製品への理解が深い ・追加予算が必要ない |
・社外の視点に弱い ・採用コストや教育コスト、運用コストが掛かる |
制作会社 |
・一定のクオリティが期待できる ・公開後のLP改善にも対応している ・広告運用などのサポートにも対応 |
・費用が比較的高い ・制作期間が掛かることがある |
フリーランス |
・費用が大幅に抑えられる ・柔軟でスピーディな対応が可能 |
・スキルにバラツキがある ・マーケティングやリサーチ、戦略部分に弱い |
内製
内製の場合は、密にコミュニケーションが取りやすいことや自社の事業に理解が深いこと、追加予算が必要ないことがメリットです。
一方で、社外から見た視点に弱いというデメリットもあります。また社員を採用する場合には、採用から採用後の教育、雇用のためのコストが掛かるということも注意が必要です。
制作会社
制作会社に依頼する場合は、一定のクオリティが期待でき、公開後のLP改善施策や広告運用などのサポートも依頼できます。ただ、費用が比較的高いことや制作期間が掛かりやすいことが難点です。
制作期間はフリーランスや内製であれば、1ヶ月程度でできるところを2ヶ月以上掛かることがあり、スピーディーな制作には向いていません。ただし、プロモーションの規模が大きい場合、戦略設計や広告運用などサポートを依頼したい場合に制作会社に外注すると良いでしょう。
フリーランス
フリーランスは、費用が大幅に抑えられることや柔軟でスピーディーな対応に期待できることがメリットです。デザインのみ、コーディングのみといった依頼もできます。
しかし、一方でスキルにばらつきがあることやマーケティング・リサーチといった戦略部分にもかかわってもらうことは難しいということが注意点です。
内製のようにコンパクトかつスピーディーに動きたいものの、採用するほどコンスタントに人材を求めていない場合にはフリーランスに外注するのがおすすめです。
以下では、デザイン外注とデザイナー採用のコスト比較を解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
LP制作をフリーランスへ依頼するならクロスデザイナーがおすすめ
本記事では、LP制作の流れや依頼時にあたって必要なLPデザインのポイント・注意点、依頼先についてご紹介してきました。
LPは問い合わせや購入など何らかのコンバージョンを生むためのWebページなので、設計が非常に重要です。また、ペルソナに合わせたクオリティの高いデザインが求められます。
しかし、制作会社に依頼すると費用が大きく掛かるうえ、制作期間も大きく伸びてしまいます。一方、フリーランスに依頼すれば、費用が大きく抑えられ、スピーディーで柔軟な対応が可能です。
ハイスキルなフリーランスに依頼したい場合は、デザイナー専門のエージェントに依頼すると良いでしょう。エージェントを活用すれば、自社の依頼内容にマッチするデザイナーを紹介してくれます。
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