【比較解説】グラフィックデザインとWebデザインの違い10個 | フリーランスデザイナー・業務委託採用|クロスデザイナー

【比較解説】グラフィックデザインとWebデザインの違い10個

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グラフィックデザインとWebデザイン。同じ「デザイン」という名称を持ちますが、その違いを詳細には理解しきれないという方も多いのではないでしょうか。

多くの企業が、デザインの力を借りてブランド力を強化し、競争力を高めることを目指しています。本記事では、グラフィックデザインとWebデザインの違いを10個のポイントに分けて徹底解説します。デザインを外注する際の参考にして、自社のビジネスに活かしてください。

グラフィックデザインとWebデザイン

グラフィックデザインは、ポスターやチラシ、商品パッケージなど主に印刷物を対象としたデザインのことを指します。Webデザインは、パソコンやスマートフォンなどのブラウザ上で表示されるコンテンツのデザインのことを指します。

グラフィックデザインとは

グラフィックデザインとは、文字や写真、イラスト、図などのグラフィック要素を組み合わせて視覚的なコミュニケーションをデザインすることを指します。主に印刷媒体を対象としたデザインであり、別名「紙モノのデザイン」とも呼ばれます。

媒体はポスター、新聞、雑誌、書籍、看板、パッケージなど多岐にわたり、広告、ロゴ、パンフレットなどもグラフィックデザインに含まれます。情報を効果的に伝えるために、視覚的な要素を駆使してメッセージを明確に伝えることを目的にしています。

Webデザインとは

Webデザインとは、Webサイトやアプリケーションのデザインを指します。クライアントの要望や目的に沿って、パソコンやスマートフォンなどのデジタルメディアで表示されるコンテンツをデザインしていきます。また、ユーザーが使いやすいようにメニューやボタンを配置することも含まれます。

要件定義・依頼段階における違い

制作段階の初期における4つの違いについて解説します。

  1. 求められるスキル
  2. 使用するソフトウェア
  3. 表現の自由度
  4. ユーザー体験

1. 求められるスキル

グラフィックデザインは、魅力的で商品やサービスが売れるデザインを作成するための視覚的なデザインスキルと、 IllustratorやInDesignなどのデザインツールを使いこなすスキルが必要です。また、印刷物の特性を理解し、最適なデザインを作成するための印刷技術の知識も必要です。

グラフィックデザインにおいて大切なのはきれいなデザインよりも、クライアントの商品やサービスが売れるデザインをすることです。そのためには消費者心理を理解するスキルや、 周りの広告やポスターを見て流行を押さえ、最新のデザイントレンドに対応することも重要です。

Webデザインは、Webサイトやアプリケーションのデザインをユーザーが「買いたい」と思うような魅力的なものに仕上げるデザインスキルと、Photoshopなどのデザインツールを使いこなす操作スキルが必要です。

また、デザインしたものを実際にウェブページに反映させるためのHTMLやCSSなどのコーディングスキル、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースを設計するための知識、デザインがスマホやタブレットでも正しく表示されるようにするレスポンシブ設計のスキルを持っているデザイナーもいます。

2. 使用するソフトウェア


グラフィックデザイン

Illustrator、InDesignなど

WEBデザイン

Photoshop、Figmaなど

グラフィックデザインを作成する際には、主にIllustratorが使用されます。

グラフィックデザインでは、印刷物を作成することが多いため、ベクタ形式(パスベース)で画像を扱うIllustratorが最適です。ベクタ形式は、拡大縮小による劣化がないため、ポスターやチラシなどの大判印刷物やロゴデザインに適しています。サイズ変更も容易なため、品質を保ったまま「A4サイズをA2サイズに展開する」などの異なる媒体にも解像度の低下を気にせずに適用することができます。

Webデザインを作成する際には、主にPhotoshopが使用されます。

Webデザインでは、ページデザインをしながら写真の加工も行うケースもあります。Photoshopはラスタ形式(ピクセルベース)で画像を扱うため、ディスプレイに表示されるWebサイトのデザインに最適です。また、Photoshopで作成されたデザインは、ディスプレイ上で高い解像度で表示され、細部の修正や調整がしやすいのも支持される理由です。コーディング時にもスムーズに移行できるため、Webデザインのプロセス全体が効率的に進みます。

それぞれのソフトには特長があり、デザインの目的や用途に応じて適切なツールを選択することが重要です。

3. 表現の自由度

グラフィックデザインは印刷物を対象とするため、Webデザインのような動きや音楽を取り入れることはできませんが、静的表現においては高い自由度があります。

特色を使わないと表現できない色もある、印刷物のサイズや解像度には注意が必要など、印刷による制限が多い点はありますが、コーディングやブラウザの制約がないため、自由にレイアウトを崩したり、クリエイティブなデザインを取り入れることができます。フォントの種類やサイズに制限がないため、デザインに応じて最適なフォントを選択し、使用することもできます。

一方、Webデザインは表現の自由度が高いと言えます。もちろん、いくつかの制約はあります。その制約を理解しつつ動きのある表現を取り入れることで、魅力的なデザインを作成できます。

具体的な制約としては、デザイン後のコーディングで表現できないものはNGです。また、ブラウザごとに対応するCSSが異なるため、デザインがすべてのブラウザで正しく表示されるようにする必要があります。

デバイス上で使用できるフォントにも制限があり、特定のフォントが使えない場合は、代替フォントや画像化する方法を検討する必要があります。デバイスにおける最小のフォントサイズが10pxと決まっているので、10px以下でデザインを作ってしまわないよう気を付ける必要もあります。

このようにWebデザインは細やかな制約はありますが、動画や音楽を使用したり、JavaScriptを使って背景を動かしたり、画像を切り替えるなど、動きのあるデザインを作成できます。他にも、 ユーザーの操作に応じて変化するインタラクティブなデザインを取り入れることも可能です。

4. ユーザー体験

Webデザインとグラフィックデザインの両方で重要なのは、ユーザー(見る側)の視点を重視することです。どちらの分野でも、ユーザーに魅力的な体験を提供し、メッセージや情報を効果的に伝えることが求められることは共通です。

グラフィックデザインは、視覚的なコミュニケーション手段としての役割を担います。街中の広告や商品棚に陳列された製品パッケージなど、ユーザーの視界に入ることが最初の目的です。そのため、ユーザーがデザインを見てすぐに情報を理解し、メッセージを受け取ることが重要です。分かりやすく、シンプルに情報を伝えることが求められます。

Webデザインでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)が中心的な役割を果たします。ユーザーにとって直感的に操作できるようにデザインを設計することが重要です。具体的にはメニューの配置、ナビゲーションの明確さ、ボタンの視認性などを意識する、レスポンシブデザインでユーザーが異なるデバイスからでも快適に利用できるように心がける必要があります。

制作段階における違い

4つの違いを解説します。

  1. 色の表現方法
  2. 必要な解像度
  3. サイズ
  4. アクションの有無

1. 色の表現方法

グラフィックデザインでは、CMYK(Cyan、Magenta、Yellow、Key/Black)のカラーモードが使用されます。混ぜれば混ぜるほど色が暗くなり、インクを使った印刷物などの表示に使用されています。

CMYKは色の幅が狭く、金色、銀色や蛍光色は再現することは困難です。そのため、これらの色を使用する場合は特色インク(DIC)を使用します。特色インクは、CMYKで表現できない色を再現するためにあらかじめ調合されたインクです。モニターで見た色と印刷物の色が異なることを防ぐため、特定の色を確実に再現したい場合に使用します。

Webデザインは、RGB(Red、Green、Blue)のカラーモードが使用されます。これは、光の三原色を基に色を表現する方法で、色を混ぜれば混ぜるほど明るくなります。CMYKよりも色の幅が広いため、画面上で鮮やかな色を再現できます。

2. 必要な解像度

グラフィックデザインでは、印刷物の品質を保つために、300〜400ppi(ピクセル毎インチ)の解像度で作成します。

印刷物は一度印刷すると変更ができないため、初めから高解像度の画像を使用します。また、300ppi以下だと細部がぼやける可能性があり、400ppi以上にしても印刷機の性能上、目に見える品質の向上はほとんどなく、データが重くなるだけのデメリットがあります。推奨される解像度は350ppiのため、特に指摘がない場合は350dpiがおすすめです。

Webデザインでは、基本的に72ppiの解像度で作成します。Webサイトでは画像やテキストを読み込む必要があるため、高解像度の画像を使用するとデータが重くなり読み込みに時間がかかります。ユーザーにとってストレスとなり、ユーザビリティが低下します。72ppiはディスプレイ上で十分な視覚的品質となる解像度であり、問題なく表示できます。

3. サイズ

グラフィックデザインは、紙媒体に印刷するため、チラシやパンフレット、名刺などあらかじめ決められたサイズに合わせてデザインを行う必要があります。このため、限られたスペース内で情報を整理し、視覚的にバランスの取れたデザインを作成することが求められます。文章が多い場合は、フォントサイズや行間、空白などを工夫して、見やすく整えるなどの工夫が必要です。

Webデザインは、縦方向のサイズが決まっていません。横幅はデバイスごとに決まっていますが、縦方向はスクロールすることができるので、コンテンツ量に応じてページを自由に伸ばすことができます。

4. アクションの有無

グラフィックデザインには、ユーザーのアクションが存在しません。ポスター、チラシ、雑誌のレイアウトなど、視覚的に情報を伝える静的なコンテンツのため、ユーザーが直接操作する要素はなく、一方的に情報を届けます。

そのため、グラフィックデザインでは視覚的なインパクトを与え、情報を効果的に伝える必要があります。色、タイポグラフィ、レイアウトなどを駆使して、ユーザーに情報を理解させ、印象を与えます。

Webデザインでは、ユーザーがボタンをクリックする、フォームに入力するなど、さまざまなアクションが組み込まれています。ユーザーが直感的に操作できるように、ナビゲーションメニュー、ボタン、フォームなどを、目的の情報に素早くアクセスできるように利便性を考慮して配置する必要があります。

納品段階の違い

2つの違いを解説します。

  1. デザイン完成後の工程
  2. 納品方法

1. デザイン完成後の工程

グラフィックデザインは、デザインが完成した後は印刷工程に入ります。印刷後は修正が困難なため、印刷前に誤字脱字やデザインの不備を徹底的にチェックし、完成度の高いデザインを提供することが求められます。

Webデザインは、デザインが完成した後もいくつかの重要な工程が続きます。まず完成後に行うのはHTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングです。コーディングによってウェブサイトが実際に動作するようになります。Webサイトが正しく動作するかどうかを確認するためのテストとデバッグも行う必要があります。

また、Webサイトは新しいコンテンツの追加や既存コンテンツの修正など、随時更新が発生します。デザインの変更や追加が発生した場合、他のデザイナーや開発者が作業を引き継ぐことも多いため、PSDデータのレイヤーを整頓し、分かりやすく管理しておくことも重要です。

2. 納品方法

グラフィックデザインはデザイン完成後、JPGなどの形式でデザインを確認します。問題がなければ納品方法に関わらずテキストをアウトライン化し、必要な画像はラスタライズします。これによりフォントが正しく表示され、解像度が適切に保たれます。アウトライン化していないと拡張子によっては印刷所にフォントがなく、自分の作成した通りのフォントで印刷されないことがあるからです。

Webデザインも完成後は、まずJPGなどの形式でデザインを確認します。その後、コーディング工程に入ります。コーディングが完了し、システムが正しく動作することを確認したら、完成品の納品となります。

グラフィックデザインを外注するには?2つの依頼先

依頼先は2つ、それぞれの特徴について解説します。

制作会社

制作会社には、専門知識を持つデザイナーが多数在籍しています。グラフィックデザインだけでなく、ブランディング、Webデザイン、モーショングラフィックスなど、幅広いニーズに対応でき、高クオリティな成果物を期待できるでしょう。

大規模プロジェクトの場合は制作会社に依頼することがおすすめです。プロジェクトマネージャーが全体を統括し、ヒアリングから納品までの一貫したサポートが行われます。プロジェクトの進行がスムーズとなり、高い信頼性と安定したサービスを提供してくれます。

フリーランス

予算が大きく取れない場合や、小規模のプロジェクトの場合は柔軟性のあるフリーランスデザイナーがおすすめです。制作会社よりもコストが抑えられ、予算に合わせた柔軟な料金設定が可能です。

急な変更や短納期のプロジェクトにも迅速に対応できます。特定のスキルに特化したデザイナーにスポット依頼も可能であり、直接コミュニケーションを取ることで、スムーズな修正やフィードバックが期待できるのが魅力です。

グラフィックデザインを効率良くフリーランスに依頼したいのなら、クロスデザイナーがおすすめ

グラフィックデザインとWebデザインの違いについて、お伝えしてきました。明確な違いがあるため、それぞれの違いを理解して、制作に取り組む必要があります。

制作会社とフリーランス、どちらに依頼するかは自社の状況と照らし合わせて判断することをおすすめします。

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西原 小晴
記事を書いた人
西原 小晴

セールスライター/コンテンツディレクター。合同会社ウォンバット。京都府立大学農学部卒。印刷会社・マーケティング会社・デザイン会社にて知見を深め、累計8億以上の売上をサポートする。化学・製造DX・Webデザイン・ライティング・マーケティング分野が専門。