デザイナーは個人事業主やフリーランスとして活動している場合が多く、支払う報酬に対して源泉徴収が必要となる可能性があります。しかし、どのような場合に源泉徴収が必要となるかについては、専門的な知識が必要です。
基本的には、個人のデザイナーに対して業務を委託し、その報酬を支払う際には源泉徴収が必要となります。しかし、業務委託するデザイナーが法人の場合には、源泉徴収する必要がありません。
今回は、このような基本原則を踏まえ、デザイナーに支払う報酬に源泉徴収が必要となるケースや計算方法を詳しく解説します。デザイナーに業務委託をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
源泉徴収とは?デザイナーの報酬に源泉徴収が必要なケースを解説
源泉徴収とは、所得税や住民税などの税金を、給与や報酬などの支払い時に、支払者が支払うべき税金を差し引いて納付する仕組みです。
源泉徴収の対象となるのは、給与所得や報酬所得などの所得の種類によって異なります。
一般的に、個人事業主やフリーランスなどの自営業者に支払われる報酬は、源泉徴収の対象です。そのため、デザイナーに仕事を依頼する場合、デザイナーが個人事業主(副業人材やフリーランスを含む)であれば、支払った報酬から源泉徴収を行う必要があります。
源泉徴収が必要となるデザイン料の範囲
デザイン料とは、デザインの作成に対して支払われる報酬や料金のことです。
デザインの範囲は非常に広く、国税庁の通達では以下のようなデザインの種類が源泉徴収の対象として示されています。
- 工業デザイン(自動車、オートバイ、テレビジョン受像機、工作機械、カメラ、家具等のデザイン
及び織物に関するデザイン) - クラフトデザイン(茶わん、灰皿、テーブルマットのようないわゆる雑貨のデザイン)
- グラフィックデザイン(広告、ポスター、包装紙等のデザイン)
デザインとその施工とを併せて請け負った者にその対価を一括して支払う場合には、その対価の総額をデザインの報酬や料金と施工の対価とに区分し、デザインの報酬や料金について源泉徴収を行う必要があります。
ただし、デザインの報酬や料金の部分が極めて少額であると認められるときは、源泉徴収をしなくても差し支えありません。
源泉徴収税額の計算方法
源泉徴収税額は、支払金額に応じた源泉徴収税率を掛けて求めます。
源泉徴収税率は、支払金額の種類や支払者の種類によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- 給与所得:10.21%(所得税と復興特別所得税の合計)
- 賞与:5.105%~40.84%(所得金額によって段階的に上昇)
- 退職所得:5.105%~20.42%(所得金額によって段階的に上昇)
- 支払報酬:10.21%(所得税と復興特別所得税の合計)
- 支払配当金:20.315%(所得税と復興特別所得税の合計)
なお、消費税は源泉徴収の対象となりません。支払金額に消費税が含まれている場合は、消費税を除いた金額に源泉徴収税率を掛けて源泉徴収税額を求めます。
例えば、デザイナーに10万円(消費税込み)の報酬を支払った場合、消費税を除いた金額は10万円÷1.1=約90,909円です。
この金額に源泉徴収税率10.21%を掛けると、源泉徴収税額は約9,281円となります。
したがって、デザイナーに支払う金額は、10万円から9,281円を差し引いた約90,719円です。
源泉徴収した所得税の納付方法
源泉徴収した所得税は、原則として、支払った月の翌月10日までに国に納める必要があります。納付期限を守らないと、延滞税などの追徴課税が課せられますので注意が必要です。
納付方法には、税務署や金融機関の窓口での納付と、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用したキャッシュレス納付の2種類があります。
キャッシュレス納付の場合は、インターネットバンキング、クレジットカード、ダイレクト納付、スマホアプリ納付などの方法から選択できます。
また、納付する際は、納付書の役割をする「所得税徴収高計算書」が必要です。所得税徴収高計算書には、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書と、報酬・料金等の所得税徴収高計算書の2種類があります。
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デザイナーを採用する企業におすすめの人材サービス10選
デザイナーの採用は、デザインのスキルやセンスを評価することが難しいため、専門的な知識やノウハウを持った人材サービスに依頼することが効果的です。
デザイナーに特化した人材サービスを活用することで、デザイナーのポートフォリオやキャリアプランを適切に分析し、企業のニーズに合った人材を紹介してくれる可能性が高まります。
また、面接や条件交渉などのサポートも行ってくれるため、採用の成功率や効率を高めることができます。
そこで以下では、デザイナーの採用に強い、おすすめの人材サービスを10社紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. クロスデザイナー
クロスデザイナー(XDesigner)のおすすめポイント
- デザイナーに特化したエージェントサービス
- 審査通過率5%の厳正した優秀なデザイナーに依頼できる
- 最短即日で提案可能
クロスデザイナー(XDesigner)は、フリーランスのデザイナーに特化した、国内最大級のエージェントサービスです。
WebデザイナーやUI/UXデザイナー、グラフィックデザイナーなど、各種デザインに対応できる優秀なデザイナーのみが7,000名以上在籍しているため、最短で即日提案も可能。
また、クロスデザイナーには審査通過率5%の厳正な基準をクリアしたデザイナーしか登録できません。そのため、採用難易度の高い即戦力デザイナーの中から、自社にマッチしたデザイナーを厳選して契約できるメリットがあります。
さらに、成果物や人柄などを確認して業務委託契約から正社員として雇用したいと思った場合は、双方の合意があれば契約形態の変更も可能です。
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2. レバテッククリエイター
出典:レバテック
レバテックのおすすめポイント
- 条件や雇用形態など企業の採用ニーズに合わせた支援を実施
- ITエンジニア、デザイナーに特化したサービスを提供
- 採用要件の整理段階から採用後までのトータルなサポートが可能
レバテックは、ITエンジニア・デザイナー専門のエージェントサービスのひとつ。レバテックでは、新卒採用から中途採用、人材派遣、フリーランスへの業務委託など、さまざまニーズに合わせた採用をサポートしています。
3. Re Designer
出典:Re Designer
Re Designerのおすすめポイント
- デザイン会社が運営するエージェントサービス
- デザイナーがタイプ別で分類されているため、探しやすい
- 無料相談から採用支援まで、トータルなサポートを提供
Re Designerは、デザイン制作会社であるGoodpatchが運営するエージェントサービスです。そのため、デザイナー人材の特性やスキルへの知見が深く、企業のニーズを的確に汲み取った最適なマッチングが可能です。
4.リクルートエージェント
出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントのおすすめポイント
- 業界No1の規模を誇る転職エージェントでデザイナーの応募や求人数が多い
- 求職者のスキルや経験を理解した上で、質の高い人材をマッチングが可能
- 業界最大手のリクルートグループの強みを活かした求人企業のPRができる
リクルートエージェントは、求人数・求職者数ともに業界トップクラスの転職エージェントとして、採用企業の採用活動を強力にサポート。デザイナーだけでなく、幅広い業界や職種の採用活動を支援しています。
5. 99designs
出典:99designs
99designsのおすすめポイント
- 直接依頼、コンペ型での募集も可能
- 専門的なデザイナーが見つかる90以上のカテゴリー
- デザイナーのレベルがわかる登録審査
99designsはフリーランスのグラフィックデザイナーとクライアントをつなぐプラットフォーム。オーストラリアのメルボルンを拠点とする会社が運営しており、登録されたデザイナーを検索して直接仕事を依頼する方法と、コンペ形式で世界中のデザイナーからの提案を受ける方法から選択可能です。
6. doda(クリエイター・クリエイティブ職)
doda(クリエイター・クリエイティブ職)のおすすめポイント
- 完全成功報酬型なので安心したデザイナー採用が可能
- 専門性の高いデザイナーの登録が豊富
- 専任担当者が高品質なマッチングを実現
dodaは大手人材紹介サービスの1つで応募者数が多く、急な欠員が出てすぐに採用がしたい場合でも対応可能です。また、応募者対応などの時間を軽減したい方にもおすすめです。採用全般についての知見がないため、アドバイスがほしいといった相談にも親切に対応します。
7. クラウドワークス
出典:クラウドワークス
クラウドワークスのおすすめポイント
- デザイナーを含めたユーザー数が480万人と豊富
- 発注手数料が無料で安心して利用できる
- 充実したサポートサービスを提供
クラウドワークスは、No.1のユーザー数を誇るクラウドソーシングサービス最大手のひとつ。初めて発注する際は、専任のコンシェルジュのサポートを無料で受けることができ、依頼文の作成なども代行可能です。
8. ココナラビジネス
出典:ココナラ ビジネス
ココナラの進めポイント
- ビジネス利用向けに厳選されたサービスを提供
- オンライン完結のシンプルなEC型取引でデザイナーに依頼できる
- 請求書払い、源泉徴収にも対応可能
ココナラは、ビジネスシーンでの利用に特化したサービス購入プラットフォームです。価格やスキル、実績などからデザイナーを比較・検討できるため、デザイン案件を商品のように購入できるスタイルが特徴。
9. ランサーズ
出典:ランサーズ
ランサーズのおすすめポイント
- 350種類以上の多様なカテゴリーのプロが多数在籍
- パッケージ選択で低コスト&スピード納品が可能
- 外注サポート機能が充実しており、デザイナーへの案件依頼にも対応
ランサーズは、仕事を簡単に依頼できる日本最大級のマッチングプラットフォームです。個人のデザイナーへ直接依頼できるため、手数料などの中間コストが抑えられ、スピーディーに案件をスタートできるのが魅力です。
10. リクルートエージェント
出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントのおすすめポイント
- 初期費用が不要で安心
- 専門のアドバイザーが効率的なデザイナー採用をサポート
- 国内19拠点で幅広いニーズに対応します
リクルートエージェントは、幅広いスキルと実績を持った人材を全国エリアから探せる日本最大級のエージェントサービス。完全成功報酬型で、必要なデザイナーを効率よく採用できるのが特徴です。
優秀なフリーランス人材を源泉徴収なしで活用する方法
上記のような転職・フリーランスエージェントを活用する際に注意したいのが「契約形態」です。なぜなら、採用するデザイナーが個人事業主(副業・フリーランスを含む)の場合には、源泉徴収が必要となるからです。
そこで、デザイナー個人と契約するのではなく、デザイナーとの間にエージェントを介する「三者間契約」を結ぶ方法があります。
三者間契約を行う場合、デザイナーを採用する企業は、エージェントと契約を結ぶことになります。この場合は、契約先が企業(法人)となるため、源泉徴収する必要がありません。
また、デザイナーが非課税事業者である場合でも、契約先はあくまでエージェントである法人となるため、インボイス(適格請求書)を受け取ることができ、仕入れ税額控除の対象として消費税の経費処理が可能です。
さらに、クロスデザイナーをはじめとするオンラインの人材サービスを利用することで、2024年1月から施行される改正電子帳簿保存法への対応も容易となります。
▼下記の資料では、デザイナー採用に関するポイントや、三者間契約についてもわかりやすく解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
デザイナーに外注する際の源泉徴収でよくある質問5つ
Q1. デザイナーに外注する場合、源泉徴収は必要ですか?
A1. デザイナーに支払う報酬は、原稿料やデザイン料などの源泉徴収の対象となります。したがって、支払者は支払額から所得税を源泉徴収して国に納付する必要があります。ただし、外注先が法人の場合は、源泉徴収の必要がありません。
Q2. 源泉徴収の税率はどのくらいですか?
A2. デザイナーに支払う報酬から源泉徴収する所得税の税率は、支払額によって異なります。支払額が100万円以下の場合は10.21%、100万円を超える場合は20.42%です。例えば、報酬が10万円の場合は、10,210円を源泉徴収し、残りの89,790円をデザイナーに支払います。
Q3. 消費税は源泉徴収の対象に含まれますか?
A3. 基本的に消費税は源泉徴収の対象となりません。支払金額に消費税が含まれている場合は、消費税を除いた金額に源泉徴収税率を掛けて源泉徴収税額を求めるようにしましょう。
Q4. 源泉徴収した税金はいつ、どこに納付すれば良いですか?
A4. 源泉徴収した所得税は、原則として、支払った月の翌月10日までに国に納める必要があります。納付期限を守らないと、延滞税などの追徴課税が課せられますので注意が必要です。
Q5. デザイナーは源泉徴収された税金をどのように処理すれば良いですか?
A5. デザイナーは、源泉徴収された税金を収入として計上し、所得税の確定申告の際に納付すべき税額から控除します。支払者から支払調書を受け取ることで、源泉徴収された税金の額を確認できます。
▼下記の資料では、業務委託人材の労務管理の注意点やポイントを、正社員とも比較しながら解説します。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
優秀なフリーランスデザイナーの採用にはクロスデザイナーがおすすめ
上記のように、デザイナー専門エージェントの活用は、自社にマッチしたデザイナーを紹介してもらえることや、ポートフォリオなどを確認しやすいことなど、さまざまなメリットがあります。
そこで、優秀なデザイナーをエージェントを通じて採用したいと考えている場合には、経験豊富で厳しい審査をクリアしたフリーランスデザイナーが揃うクロスデザイナーがおすすめです。
クロスデザイナーは、厳正したデザイナーを最適なタイミングで提案できるフリーランスデザイナー専門のエージェントサービスで、現在7,000人以上のデザイナーが在籍しています。
登録しているデザイナーとの合意があれば、正社員としての採用も可能です。また、スカウトや人材紹介機能もあるため、採用難易度の高い即戦力デザイナーを採用できるでしょう。
また、前述したように、三者間取引によるインボイス制度への対応や、改正電子帳簿保存法への対処も万全です。
クロスデザイナーに相談いただければ、最短即日提案から3営業日でのアサインも可能です。また、週2〜3日の勤務といった柔軟な依頼も可能であるため、自社の作業量に応じて効率的な業務委託を実現できます。
以下では、クロスデザイナーのサービス資料を無料でダウンロードできますので、ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
- クロスデザイナーの特徴
- クロスデザイナーに登録しているデザイナー参考例
- 各サービスプラン概要
- 支援実績・お客様の声
Workship MAGAZINE編集部。フリーランス、マーケティング、会計経理、経営分野が専門。個人事業主としてスポーツインストラクター、飲食店経営、飲食コンサルを経て、現在はコンテンツ制作会社を経営中。
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