企業の人事担当者やデザイン職のマネジメント担当者の中には、デザインチームやデザイナーの目標設定の仕方で悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、デザインチームやデザイナーの目標を設定するメリットや方法を解説します。
目標設定のフレームワークもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
デザイナーの目標設定とは
デザインチームの目標を設定する際は、会社の経営理念や事業目的に沿う必要があるため、まずは上位組織の目標から確認します。
そのうえで、企業>部門>チーム>デザイナーといった関連性を意識して、上位組織の目標と方向性を一致させることが重要です。
チームの目標を決めたら、チーム目標に関連する各デザイナーのマイルストーンを設定し、企業やチームの成長に貢献できるような目標を設定しましょう。
デザイナーを採用する前に、チームとして必要なデザインの目標を設定し、そこから逆算して募集をかけていくことも可能です。このように職務の定義を先に行い、それに合わせて人材をアサインすることを「ジョブ型」と呼びます。以下の資料ではジョブ型雇用に必要不可欠なジョブディスクリプションの作成方法について、テンプレート付きで解説しています。無料でダウンロード頂けますので、ぜひご覧ください。
デザインチームで目標設定をする3つのメリット
デザインチームで目標設定をすることで得られるメリットは、主に以下の3点です。
- チームメンバーのモチベーションが上がる
- 目標達成に必要な行動が明確になり生産性が上がる
- 人事評価や組織運営がスムーズになる
それぞれについて説明します。
チームメンバーのモチベーションが上がる
「決められた仕事を日々こなすだけで、モチベーションが維持できない……」
メンバーのこのようなネガティブな感情は、適切な目標を設定することで解消できるでしょう。
具体的かつ少し背伸びをすれば達成可能な目標があれば、「絶対に達成したい!」と目標達成への本気度が高まり、モチベーションの維持に繋がります。
目標達成に必要な行動が明確になり生産性が上がる
「働きがいを感じられず、パフォーマンスが落ちてしまう……」
このような悩みを持つメンバーに対しては、目標を達成するまでの道のりを明確にすることが重要です。
適切な目標に対して、達成までに必要な行動をスモールステップで示すことで、「確実にゴールしたい!」と、集中力が高まりパフォーマンスの向上に繋がるでしょう。
人事評価や組織運営がスムーズになる
マネジメント側にとっては、設定した目標に対するメンバーの行動や方向性、達成度が明らかになり、人事評価がしやすくなる点が最大のメリットでしょう。
目標を達成できない場合は、課題や改善策の検討に役立ちます。
企業や組織の方向性と目標にズレが生じた場合は、早期に軌道修正できるため、組織のスムーズな運営に繋がります。
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目標設定のフレームワーク3選
目標設定をする際にはフレームワークを活用することで、目標達成の確立を上げることもできます。
ここで、組織や個人の成長に寄与する3つのフレームワークをご紹介します。
- SMARTの法則
- OKR
- MBO
それぞれ詳しく見ていきましょう。
SMARTの法則とは
SMARTの法則とは、具体性・計測可能・達成可能・上位目標との関連性・明確な期限といった5つの要素に従って、目標達成に向けて掘り下げる手法です。
達成可能で効果的な目標を設定する方法として注目を集めています。
SMARTの法則は1981年に提唱されてから40年以上経過しているため、時代遅れと言われることもあるようですが、決してそうではありません。
新しい要素が追加され、SMARTER・SMARTTA・SMARRTといった発展型もあるほど、広く活用されています。
SMARTの法則の設定方法
ここからは、SMARTの法則に基づく目標の具体的な書き方を、例を交えてご紹介しましょう。
1.Specific 具体的で明確である
「売上をアップする」「節約する」といった抽象的な表現を用いた曖昧な目標は、人によって基準が異なり、達成度が測定しづらいといったデメリットがあります。
「CVRを上げる」「消耗品コストをカットする」というように、誰にでも明確に理解できる具体的な表現を用いましょう。
2.Measurable 成果を数値で測定できる
目標の達成度を測りやすいよう定量的な表現を用いましょう。
上記の「Specific」で立てた目標について、成果を数値で測定できるよう改めるとすれば、「CVRを3%に上げる」「消耗品コストを5%カットする」といった形になります。
3.Achievable 達成可能で現実的である
「Specific」で立てた具体的で明確な目標に対して、「Measurable」で定量的な表現で達成度を計測する方法を決定したら、現実的に達成可能かどうかを検討しましょう。
経済や市場などの外部環境の変化に依存するような目標は不適切で、ストレスに発展しやすいため注意が必要です。
4.Relevant 上位目標や上位概念と関連性がある
「Achievable」で現実的であると判断した目標が、企業や上位組織の目標達成に貢献するものであるか、妥当性を検討しましょう。
個人の目標であれば、キャリアアップの方向性や、自身の仕事に関する価値観・キャリアビジョンなどの上位概念と矛盾しないかを検討することも重要です。
5.Time-bound 達成期限が明確である
「Relevant」で上位目標や上位概念と矛盾がなく、妥当であると判断した目標に対して、達成する期限を明確にしましょう。
上記の「Measurable」で立てた目標について、達成期限を明確にして改めるとすれば、
「第3四半期でCVRを3%に上げる」「2024年3月までに消耗品コストを5%カットする」といった形になります。
SMARTの法則を設定する際の注意点
「Achievable」でお伝えしたように、目標は達成可能で現実的であることが重要ですが、必要以上に難易度を下げる必要はありません。
適切な難易度で、チャレンジすれば達成する見込みがある目標の方が、モチベーションを保ち、努力をし続けることが容易になります。
また、目標を一度設定したら終わりでは効果は上がりません。
目標を達成するまでのプロセスを明確にし、達成状況の把握や評価など目標管理を行うことが重要です。
OKRとは
OKRとは、「Objectives and Key Results」の頭文字を取って略した言葉で、「目標と主要な結果」を意味します。
企業の重要な目標や主要な成果とリンクさせながら、チームのOKR、個人のOKRと細分化して設定する方法です。
OKRはアメリカのインテル社で誕生し、GoogleやFacebookなど、シリコンバレーの有名な企業が取り入れて成果を上げていることから、日本でも注目を集めています。
日本企業で早くからOKRを導入して成功している企業の例として、メルカリ、freee、Sansan、Chatworkなどが挙げられます。
OKRの設定方法
ここからは、OKRを導入する際の具体的な手順をご紹介します。
1.社内におけるOKRの運用ルールを設定する
OKRを導入する前に、社内におけるOKRの運用ルールを定義しましょう。
具体的には、目標を設定する頻度、達成状況を把握しレビューするためのスケジュールなどです。
また、目標はトップダウンか、ボトムアップか、またはハイブリッドか、誰がどのように設定するかを検討しましょう。
2.企業、組織、個人の順にOKRを設定する
企業の目標と主要な結果を設定しましょう。
目標は具体的で定量的な表現を用いる必要があります。そのためOKRの設定には、前章で紹介したSMARTの法則が役立ちます。ぜひ活用してください。
企業の目標と主要な結果を設定したら、次に大きな組織である部門、小さな組織であるチーム、個人とつなげていきます。すると、上記の図のようにツリー状に紐づいて、すべての目標と主要な結果が可視化されます。
3.達成状況を共有しレビューする
OKRを設定後は放置せず、1で決めたレビューのスケジュールに従って、進捗状況の確認と評価を行いましょう。週次や月次で達成状況を共有することで、早期に問題を発見し対処することが可能です。
4.PDCAを回す
レビューを基にPDCAを回して、評価指標を修正し目標を改善します。継続的に改善して柔軟に運用することで、さらに効果を発揮することが期待できるでしょう。
OKRを設定する際の注意点
OKRは企業から個人まですべての目標と主要な結果が可視化され、設定後は頻繁に改善することで精度が増し、効果を上げることができます。
ただし、導入コストとPDCAを回す運用コストがかかる点に注意が必要です。
MBOとは
MBOとは「Management by Objectives」の頭文字を取って略した言葉で、「目標による管理」を意味します。
経営学の名著「マネジメント」の著者で、経営の神様と呼ばれるピーター・ドラッカーが提唱した方法です。
企業の経営理念やチームの目標に沿って、メンバーが主体的に目標を設定して管理を行い、設定した期間における達成度合いで評価します。
MBOの設定方法
ここからは、MBOを導入する際の具体的な手順をご紹介します。
1.社内におけるMBOの運用ルールを設定する
MBOを導入する前に、社内におけるMBOの運用ルールを定義しましょう。
具体的には、企業や組織の目標と状況の把握、目標設定から評価面談までのスケジュールなどです。
2.メンバーが自身の目標設定を設定する
MBOの一番のポイントは、トップダウンで目標を課されるのではなく、メンバーが自身の目標を設定する点にあります。
主体的に目標を設定し管理することで、目標達成へのモチベーションが上がり、成果につながるという考え方に基づいています。
3.目標を達成する手段と評価基準を設定する
目標達成に向けた手段を検討し、計画を立案しましょう。
評価基準を設ける際は、数値化された成果だけではなく、行動も評価するためにコンピテンシー評価なども取り入れることをおすすめします。
コンピテンシー評価とは、パフォーマンスの高い優れたメンバーの行動特性を基準とした評価方法です。
4.目標達成に向けて行動する
目標と達成手段、評価基準、1で設定した目標設定から評価面談までのスケジュールを、個々の目標管理シートに落とし込み、目標達成に向けて行動に移します。
評価者は定期的にメンバーと1on1を行って進捗状況を確認し、問題が生じた場合などは必要に応じてサポートしましょう。
5.行動と達成度を評価する
評価面談の前にメンバーが自己評価を実施し、自身の行動を振り返ります。
評価者は目標の達成度だけではなく、成果につながる行動を客観的に評価して、フィードバックを行うことが重要です。
そのうえで、今後のスキルアップや新たな目標設定などについて話し合いましょう。
MBOを設定する際の注意点
メンバーが設定した個人目標の妥当性を判断するためにも、評価者は事前に企業や組織の目標と状況を理解しておく必要があります。
また、目標設定で企業や組織と個人の目標をすり合わせる際に、上司から一方的にメンバーへ目標を押し付けると、従来のノルマ設定と同様に納得感が得られず、モチベーションの低下につながるおそれがあります。
MBOの目的である個人の主体性を発揮できるような運用を目指しましょう。
デザイナーを採用するならクロスデザイナーがおすすめ
本記事では、デザインチームやデザイナーの目標を設定するメリットや方法を解説し、目標設定のフレームワークについて詳細にご説明しました。
デザインチームやデザイナーの目標設定をすることで、メンバーのモチベーションが向上して成果を上げることができたり、人事評価や組織運営がスムーズになったりといったメリットが得られます。
デザイナーを採用するなら、フリーランスデザイナーに特化したエージェントサービスのクロスデザイナーがおすすめです。
OKRやMBOの導入をサポートすることも可能です。
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