デザイナーのキャリアパスの選択肢は豊富です。クリエイティブなスキルを生かした職種へキャリアチェンジも可能ですが、経営にデザイナーの思考を取り入れる動きもあり、幅広い領域でデザイナーの需要が高まっています。ただし「将来性のある職種は?」「どんなスキルが必要なの?」とわからないことも多いものです。
この記事ではデザイナーの主なキャリアパスを9つ紹介します。市場価値が高い職種や必要なスキルもまとめました。参考になさってください。
デザイナーがキャリアアップを考えたほうが良い理由
デザイナーとして働く人のなかには、将来のキャリアプランに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
デザイナーは事業会社や制作会社だけではなく、フリーランスで活躍する人もいるなど多様な働き方があります。
デザイナーのおもなキャリアアップは以下のとおりです。
- アシスタントデザイナー
- デザイナー
- シニアデザイナー
- リードデザイナー
- チーフデザイナー
- アートディレクター
- クリエイティブディレクター
アシスタントデザイナーからスタートし、少しずつキャリアアップをしていくのですが、シニアデザイナーあたりから部下をもつようになります。役職があがればマネジメント力が求められます。
企業に勤めていれば、提示されるポジションで自分の市場価値を知ることが可能です。目指すポジションがあるなら今、自分が身につけるべきスキルがはっきりとわかることから、目標を達成するまでのキャリアパスが描きやすくなります。
デザイナーの9つのキャリアパスと必要なスキル
デザイナーはデザインのスキルや経験だけではなく、マネジメント力を身につけることで幅広い領域で活躍できます。ここではデザイナーのキャリアパスとして選ばれやすい8つの職種と必要なスキルを紹介します。
1. Webデザイナー
グラフィックデザイナーで紙媒体のデザインを中心に活躍してきたなら、培ってきたデザインスキルがWebデザイナーへ転向してもそのまま活かすことが可能です。制作に必要なソフトもほとんど変わりませんが、Web媒体に掲載するためのHTML/CSSについて学ぶ必要があります。
Webデザイナーは描けるキャリアパスも豊富なため、グラフィックデザイナーでキャリアを考えているならおすすめの職種です。
必要なスキル・知識 | illustrator、Photoshop、Adobe XD、HTML/CSS、 JavaScriptなど |
関連記事:Webデザイナーはどんな職種?仕事内容や必要なスキル、年収について紹介!
2. インハウスデザイナー
インハウスデザイナーはデザイン事務所などではなく、自社で扱う制作物のみデザインするデザイナーです。自社製品の立ち上げから、各媒体のデザイン制作や運用、プロモーション活動などさまざまな活動に携わります。チームで制作にあたるため、クリエイティブな要素よりも協調性が求められることもあります。
多様なデザイン制作に携わる機会は減りますが、デザイン以外の仕事を多く経験できます。たとえばマーケティングやアクセス解析などです。ほかにも外部人材をまとめるディレクター業務も経験できます。制作現場の全体像を知ることができるため、Webマーケターやアートディレクターへのキャリアパスも描けます。
必要なスキル・知識 | デザイナーの基本スキル、コミュニケーション力、スケジュール管理能力、ディレクション能力、 |
3. Webマーケター
WebマーケターはWebデザイナーとして培った知識をそのまま活かせる職種です。マーケティング戦略は集客に欠かせません。Googleアナリティクスなどアクセス解析ツールから得たデータを分析し、クライアントの要望に沿って集客のための戦略を立てて、実際に必要な施策をクリエイターに依頼するのが仕事です。
デザインスキルをいかして自身で制作する方法もあります。マーケティング知識をもつWebデザイナーなら、より訴求力のあるデザインが見込めるため強みとしてアピールが可能です。
必要なスキル・知識 | HTML/CSS、JavaScript、PHP、SEO、WordPress、Googleアナリティクスなど |
4. Webコンサルタント
Webコンサルタントは、企業が抱える経営課題を解決するためのアドバイスを提供するのが仕事です。Webマーケターよりも担当領域が広く、客観的な視点が求められます。未経験でもなれる職種ですが、アクセス解析やデータ分析のスキルをはじめ、課題解決に向けた提案ができるようにWeb媒体全般の知識が必要です。
デザイナーは「売れるデザイン」を口頭で説明できるスキルをもっていますし、実装可能かどうかも即答できる強みがあります。こうしたデザイナーで培った知識をいかして、経営戦略に携わりたい人におすすめの職種です。
必要なスキル・知識 | Web媒体に関する知識、データ分析力、情報収集力、倫理的思考力、コミュニケーション力など |
5. UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーはWebデザインで培ったスキルや知識をいかせる職種です。Webデザイナーと異なる点は、より顧客視点であることです。見た目のクリエイティブな要素よりも、プロダクトを使用する消費者の使いやすさを重視したデザインをします。
販促効果や集客など、マーケティングも含めて担当できることから、UI/UXデザイナーは市場価値の高い職種として注目を浴びています。需要が高いものの、備えた人材が不足していることからデザイナーから転向するならおすすめの職種です。
必要なスキル・知識 | AdobeXD、Figma、HTML/CSS、JavaScript、データ分析、情報収集力、共感力、コミュニケーション力など |
6. フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアはWebサイトやアプリの構築やカスタマイズを担当する職種です。Webデザイナーが制作したデザインをWebサイトに実装していきます。そのため、HTML/CSSなどコーディングの知識は必須です。
Webデザインの経験があればデザイナーが何を表現したいのかくみ取ることができますし、修正してほしい点も伝えやすいメリットがあります。グラフィックデザイナーなどWebデザインの経験がない人でフロントエンジニアを目指すなら、ポートフォリオ用にWordPressでWebサイトを作成して練習をするのがおすすめです。
必要なスキル・知識 | HTML/CSS、JavaScript、フレームワーク、WordPressなど |
7. Webディレクター
WebディレクターはWebサイト制作全般のディレクションを担当する職種です。クライアントの要望をもとにコンテンツの企画を立てて、予算や納期にあわせてチームをつくります。Webデザイナーやライター、エンジニアなど必要な人材を集めて、スケジュールどおりに進められるようにディレクションをします。
Webディレクターになるために特別な資格は必要ありませんが、進捗確認や的確な指示出しのために、Webサイトに関する幅広い知識が必要です。
必要なスキル・知識 | Web制作に関する知識、SEO、Googleアナリティクスなどアクセス解析ツール、マネジメント力、コミュニケーション力など |
8. アートディレクター
アートディレクターはビジュアルデザインの進行、品質管理を行う総責任者です。Webサイト制作では、ロゴやアイキャッチなどのデザインの取りまとめを行います。多くのWebデザインの実績を積み、スキルを磨くことが大切です。
プロジェクト管理の指揮を任されることもあります。大きなやりがいを得られる仕事ですが、制作物を納期までに仕上げるためにチームのモチベーションを落とさないためのマネジメント力やコミュニケーション力も必要です。
必要なスキル・知識 | Webデザイン、UI/UXデザイン、マネジメント力、コミュニケーション力など |
アートディレクターについてくわしく知りたい人は下記の記事が役立ちます。
関連記事:Webデザインにおけるアートディレクターとは?デザイナーとの違いや仕事内容、必要なスキルを解説
9. Webプロデューサー
Webプロデューサーは、Webサイトの制作をプロデュースするプロジェクト全体の統括者です。Webサイトのターゲットやコンセプトなどを提案します。
実際に顧客と打ち合わせを行い、制作現場で中心的な役割を担うアートディレクターやWebディレクターとともに進めていくため、コミュニケーション力は必須です。制作現場の知識が豊富なら、各工程をふまえたプロジェクト管理ができます。
必要なスキル・知識 | Webサイト制作、セールスライティング、マーケティング、企画・提案力、マネジメント力、コミュニケーション力など |
デザイナーのキャリアパスの描き方
デザイナーとしてキャリアアップを成功させるには、方向性を見失わないように具体的なキャリアパスを描くことが大切です。デザイナーのキャリアパスの描き方を4つのステップで解説します。
ステップ1. 理想のキャリアプランを描く
まずはキャリアの方向性を定めます。自分の得意なことや強みを書き出して適性を把握することがポイントです。専門性を高めてスペシャリストとして働くのか、制作現場から離れてマネジメントに関わるのか判断します。
「将来的に○○○○になりたい」といった長期的な目標が決まったら、さらに希望年収や働き方などを具体的に決めていきます。その実現に向けた短期的なキャリアプランも立てておくことで、今どう行動すれば良いのかが見えてきます。
ステップ2. キャリアの棚卸しをする
つぎに、これまでやってきた仕事でどのようなスキルを身につけてきたのかキャリアの棚卸しをします。
キャリアの棚卸しから、自身がもっているスキルが明確になるため、目標達成にはどのようなスキルや知識が必要なのかを把握することが可能です。
これまで紙媒体で活躍していたグラフィックデザイナーからWebデザイナーを目指しているなら、HTMLやCSS、JavaScriptなどプログラミング言語の習得が必要だとわかります。
キャリアの棚卸しをしながら、これまでの仕事で最高のデザインをピックアップしてまとめておけば、ポートフォリオとしても使うことが可能です。
ステップ3. 狙えるポジションを把握する
キャリアの棚卸しで自分がもっているスキルを把握したら、現在のポジションから目指せるポジションを把握します。同じ職種なら、今もっているスキルや知識をそのままいかすことが可能です。
ただし、目指しているポジションでもっているスキルや知識がいかせないときは、必要なスキルや経験を獲得しなければなりません。
現在、グラフィックデザイナーで将来は制作会社のアートディレクターを目指すなら、Webデザインのスキルをはじめ、情報設計や要件定義など身につけなければならないスキルがたくさんあります。
ステップ4. 具体的なキャリアプランを立てる
目指すポジションを得るための具体的なキャリアプランを立てていくのですが、現状の働き方によってプランの立て方は変わってきます。
目標とする職種で採用されるには実績やスキルが不足している場合、今の職種で経験を積んでいく方法があります。ただ単純にこれまでどおりに仕事をこなしているだけでは、経験の幅は広げることはできません。
やりたくない、興味のない分野にも積極的にかかわっていくことで新たなスキルを身につけることが可能です。将来、マネジメント側になる気はなくても、どういうことをしているのか知ることで、現場でもつねに管理側を意識した行動をとれるようになります。
理想のキャリアプラン実現に向けて転職も検討する
目指すポジションがあるものの、提示されたキャリアパスが自分が描いていたキャリアプランとはほど遠く、市場価値の低さにがっかりすることもあると思います。自身の市場価値や立ち位置を見直すきっかけになりますが、現在の会社ではこれ以上の経験は積めないと判断したら、思い切って転職を視野に入れるのもひとつの方法です。
デザイナーはおもに「事業会社」「制作会社」の2つがあり、ターゲットによって事業の規模や案件の種類が異なります。
形態 | 特徴 |
事業会社 |
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制作会社 |
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それぞれ求められるスキルや経験が異なります。働いてみたい企業がどういった特性をもっているのか確認をして、足りないスキルを把握します。もし転職を視野に入れて動くなら、スキルアップができる環境かどうか募集要項を確認したうえで自身のキャリアプランにあった企業を選ぶことが大切です。
デザイナーにおすすめの転職エージェントは以下の記事でくわしく紹介しています。参考になさってください。
関連記事:Webデザイナー採用の転職エージェント12選!メリット・デメリットも解説
デザイナーとして活躍の幅を広げるならクロスデザイナーへ
デザイナーは多様なキャリアパスを描ける職種です。まずは自己分析で自分の適性を把握したうえで、目指す職種・ポジションを定めてください。現在の会社では目標を叶えるのは難しそうだと判断したら、転職も視野に入れたほうがいいでしょう。
「デザイナーとして活躍の幅を広げたい」と思うなら、クロスデザイナーにおまかせください。クロスデザイナーは日本最大級のデザイナー専門のエージェントサービスです。採用ミスマッチを防ぐために、スキルやカルチャーのマッチングを行います。
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