自社サイトや名刺、ロゴ、アプリ設計など、業務を進めるうえでデザインが必要になることは多いです。そんな大切なデザインですが、自社で内製するか、外注するかで迷うことはありませんか?
本記事では、内製と外注、双方のメリットとデメリットを紹介していきます。迷った時の判断基準として、ぜひ、参考にしてください。
デザイン外注のメリット4つ
まずは、デザインを外注するメリットを見ていきましょう。得られるメリットは以下の4つです。
・コストが必要な分だけに抑えられる
・成果物のクオリティが高い
・社内人材がコア業務に集中できる
・客観的な視点が手に入る
順番に解説します。
1. コストが必要な分だけに抑えられる
外注すれば、デザインツールのライセンスやパソコンなど、社内設備を整えるコストがかかりません。ツールやソフトを一から覚える必要もありませんし、人材育成にかかるコストも不要です。
高い技術を持ったデザイナーを社員として採用するのは、莫大な人件費がかかります。給与だけでなく福利厚生や社会保険などの負担がかかりますし、社内の設備投資が必要となります。
関連記事:デザイナーの採用コストはどのくらい? 費用を削減する方法も4つ解説!
その点外注の場合は、必要に応じて高いデザインスキルとノウハウを社内のリソースとして活用できるので、コストが抑えられます。
2. 成果物のクオリティが高い
制作会社であっても、フリーランスであっても、外注先は経験や実績が豊富なことが多いため、高いクオリティの成果物が期待できます。
また、デザインにおける最新の技術や流行は常に更新されていますが、専門家に任せることで、それらを取り入れることができ、より洗練されたデザインにすることも可能です。
さらに、ただ見た目が良いだけではなく、UI/UXにつながる導線設計やコンバージョンを期待できるデザインなど、求めるものに対しての戦略的な面も提案してくれるでしょう。
3. 社内人材がコア業務に集中できる
人的リソースが不足しているとき、新たに業務を与えてしまうと、社員の負担が増えてしまいます。満足のいく制作物が作れないおそれがあるどころか、その社員のコア業務への影響も懸念されます。
その点、外注を活用すれば、社内の負担が減るため、社員は本来の業務へ集中できるでしょう。
外注の場合は企画や要件定義をしっかり決めることで、あとは外注に任せられます。必要事項の確認や打ち合わせに対応するのみとなり、社員の業務を圧迫せずに質の高い成果物が期待できます。
4. 客観的な視点が手に入る
社内にいると視点や発想が固定されやすくなります。デザイナーに必要なのは、デザインを目にするユーザーが良いと思えるデザインを追求することです。客観的な視点が失われると、自分が良いと思うデザインを優先しがちになり、常に似通ったデザインになってしまうこともあります。
一方外注では、第三者の視点で提案をしてくれます。社内では気づけなかったデザインの不足部分の指摘や、外向けに伝わるデザインの提案を期待できます。
また近年は、公開後の状況を分析して、改善案を出してくれる制作会社も増えています。ただデザイン制作をするだけではなく、課題に応じて提案をしてくれる点はメリットと言えるでしょう。
デザイン外注のデメリット4つ
一方で、デザインを外注するとどんなデメリットがあるのでしょうか?外注時のデメリットについて4つ解説します。
・細かいニュアンスの共有が難しい
・内製に比べて制作期間が長くなりやすい
・制作費用が膨らむこともある
・情報漏洩のリスクがある
順番に解説します。
1. 細かいニュアンスの共有が難しい
外注の場合はさまざまな客観的視点が期待できますが、事業や商品への理解度が社内と異なるために「納品物がイメージとは違う……」ということも起こりやすいです。イメージをわかりやすく伝えるために、「コミュニケーションにかなりの時間がかかってしまった」ということもあります。
このような認識の齟齬を防ぐためにも、デザインイメージの共有は参考事例を用いて行うと効率的に進めることができます。Webサイトやアプリなど、制作したいデザインに近いものをあらかじめリサーチし、依頼時には共有するようにしましょう。参考事例を用いて、どのようなカラーにしたいのか、制作物にしたいのかを説明できると、お互いに同じ認識を持てるようになり、クオリティの高い成果物を期待できます。
2. 内製に比べて制作期間が長くなりやすい
外注は、最初に決めたスケジュールからズレなく進められる点がメリットです。一方でデザイナーとのスケジュール調整が必要となるため、社内にデザイナーがいる場合に比べて全体の制作期間が長くなる傾向があります。
また、社内だとすぐに確認できることでも、制作会社によっては連絡や進捗状況のレスポンスが遅いこともあります。レスポンスが早い制作会社を選ぶことも大事ですが、コミュニケーションにも時間がかかることを考慮して、制作期間を決めることも大切です。
以上のことから、外注で依頼する場合は納期が短い急な案件ではなく、納期に余裕のある案件を依頼したほうが良いでしょう。
3. 制作費用が膨らむこともある
外注の場合、1回の制作で数十万円の制作費用となることが一般的です。また、高いスキルを持ったデザイナーになれば、さらにその費用は上がるでしょう。
修正対応が○回まで無料のところもあれば、すべて有料の場合もあります。ホームページ制作なら、更新や修正で都度コストがかかることになります。
事前に制作費用には何が含まれるのか、修正対応は何回まで対応可能か、その料金はいくらかなど、明確にしておきましょう。
4. 情報漏洩のリスクがある
社内の情報を外部に共有することは、常に情報漏洩のリスクと隣り合わせであることを意味します。情報漏洩の結果、賠償責任が生じることや、企業としての社会信用の低下もありえます。
そのようなリスクを防ぐために、依頼前にNDA(秘密保持契約)を締結しましょう。NDAを締結しておけば、秘密情報について明確に定義することができ、万が一情報漏洩が発生した際も、責任の所在を明らかにすることができます。
デザイン内製のメリット4つ
続いて、デザインを内製化するメリットを4つ紹介します。
・スムーズな意思疎通ができる
・社内にノウハウや知見がたまる
・社風に合うデザインが仕上がりやすい
・急な案件にも対応できる
順番に解説します。
1. スムーズな意思疎通ができる
デザインを制作する際、コンセプトやターゲットの設定などに加え、細やかな修正や日程調整など、決めなければならないことが多数あります。内製であれば、制作に関わる人が常に社内にいるので直接会って話がしやすく、どういう意図で動いているのか、社内の状況も掴みやすく、スムーズに意思疎通ができるでしょう。
2. 社内にノウハウや知見がたまる
社内で取り組んだことのないデザインや分野にチャレンジすることもあるでしょう。企画から制作まで一連の流れをおこなうことで、想定より時間がかかることもありますが、その分経験とノウハウを蓄積させることができます。
「スムーズにいかずに、試行錯誤を繰り返してもクオリティを高めきれなかった」というケースもありますが、その過程もノウハウや知見となり、会社にとっては財産となります。将来的な企画や外部への発注の際にも生きてくるでしょう。
時間的にも人的にもリソースに余裕がある場合は、内製化を試みるのも有効です。
3. 社風に合うデザインが仕上がりやすい
会社によって決められたトーン&マナー(トンマナ)があります。これは制作物のデザインの統一感につながり、会社のブランディングにも通じる部分です。
内製の場合、これまで作ってきた制作物を知っているため、トンマナを説明せずとも、「その企業らしさ」が出て、社風に合うデザインが仕上がりやすくなります。外注の場合は細やかなすり合わせが必要な一方で、そのコミュニケーションコストを抑えられる点は内製化の大きな魅力とも言えます。
4. 急な案件にも対応できる
内製化は、急な案件が来ても対応しやすい点も魅力です。。外注であれば依頼先の選定や、やり取りに時間がかかりますが、社内であればメンバーの決定もスムーズになり、制作もスピーディに進めやすくなります。
さらに納期の短い案件を外注する場合は、特急料金が加算されることもあります。急な案件にも対応できるように社内で制作体制を整えておくことは、コスト削減にもつながるでしょう。
デザイン内製のデメリット4つ
内製化についてもメリットだけでなく、デメリットがあります。
・担当者によってクオリティに差がある
・スキルの上達に時間がかかる
・継続的な固定費(人件費)が発生する
・人材の確保が難しい
順番に解説します。
1. 担当者によってクオリティに差がある
当たり前ですが、新人デザイナーと、何年も案件をこなしてきたベテランデザイナーの間ではクオリティに差が出てしまいます。また、自社のみでしかデザインをしたことがない場合、トンマナや社風に合うようにデザインしてきた積み重ねから、どうしても傾向が似通ってしまうこともあるでしょう。
ときにはまったく違うジャンルをデザインするなど、発想力を転換させることも必要となります。
2. スキルの上達に時間がかかる
特に新人デザイナーの場合は、スキルの上達に時間がかかります。また、経験のあるデザイナーを雇ったとしても、その人のセンスやスキル、自社に合うかどうかは実働してもらわないとわかりません。場合によっては、実績のあるデザイナーでもデザインの方向性を理解してもらうために、時間がかかることもあります。
このようにデザインを内製化する場合は、すぐに即戦力で起用することが難しく、人材教育期間が必要である点はデメリットといえます。
3. 継続的な固定費(人件費)が発生する
社員として雇う以上は継続的な固定費として人件費が発生します。
デザイナーの採用で発生する費用としては、次のようなものがあります。
・給与
・社会保険費用
・福利厚生費用
・退職金
・ツールやソフトのライセンス代
・教育費
せっかく教育費をかけても、離職してしまうリスクもあります。内製化のために採用を進める際は、これらの費用やリスクを加味したうえで、採用を進める必要があります。
関連記事:デザイナーの採用コストはどのくらい? 費用を削減する方法も4つ解説!
4. 人材の確保が難しい
現在、Webデザインやスマホアプリのデザインなど、IT系のデザインは需要が急増しており、デザイナーは不足している状況が続いています。
総務省統計局の調査によると、全労働者人口のうちデザイナーは全体の0.29%というデータも出ているため、デザイナーがそもそも少ないことも採用難の理由です。
特に即戦力のデザイナーの場合は給与面も高くなることが多いため、コスト面でも確保が難しい点がデメリットとなります。
関連記事:デザイナーの採用が難しい理由は? 採用を成功させる6ステップを紹介
外注?内製?迷ったときの3つの判断軸
デザイン外注と内製について、それぞれメリットとデメリットについて解説してきました。しかし、気になるのは「結局どっちが良いの?」ということではないでしょうか。
最終判断は社内の状況によりますが、ここでは判断軸となる3つを紹介します。
1. コスト
結論、スポットや依頼回数が少ない場合は外注、継続して依頼をする場合は内製がおすすめです。
外注と内製について、それぞれ以下のようなコストが発生します。
外注 | 内製 |
・各案件ごとの報酬 | ・継続的な人件費 ・給与 ・残業手当 ・社会保険 ・福利厚生 ・通勤定期代、家賃補助 ・初期の設備投資費 ・高性能なパソコン ・デスク、椅子などの備品 ・プリンター ・ソフトのライセンス代 |
よりイメージしやすくするため、コストを以下のように仮定します。
・内製:人件費が年間500万円、初期投資が100万円
・外注:Webデザイン外注300万円
この場合、外注が一回だけであれば内製よりもコストを抑えることができます。しかしクライアントワークを含め、外注が1年に3回以上ある場合は、内製のほうがコストを抑えることができるでしょう。
上記のケースを含め、一般的に継続的に案件がある場合、内製したほうが最終的にはコストが削減できます。また、社内にノウハウや知見がたまることで、制作の効率化も期待できるため人件費が抑えられることもあります
しかし、定期的な案件がない、社内でデザイナーを雇う予定がない、もしくは育成する予定がない場合は外注のほうがコスト削減になるでしょう。
2. 納期
納期が短いプロジェクトでは、内製の方が業務のスケジュール調整がしやすく、対応できる可能性が高くなります。外注の場合、納期が短いとスケジュールが合わなかったり、特急料金がかかったりしてコストが高くなることもありえます。
逆に納期に余裕があり、高いクオリティが必要な制作物の場合、無理に社内のリソースを割く必要はありません。外注に任せて、社内人材はコア業務に集中した方が効率的です。
3. デザイン案件の数
依頼したい案件の数が複数ある場合は、内製の方が最終的にはコストも抑えられます。しかし、継続案件がない場合は外注のほうが良いでしょう。
また案件の数が読めない場合は、直近のデザイン制作数や、会社がデザイン事業に注力をしていくのか方向性も踏まえながら、判断することが大切です。
デザインを外注するならフリーランスがおすすめな理由
今後デザイン外注する予定がある方は、制作会社以外にもフリーランスに依頼をする手段もあります。
制作会社ではなく、フリーランスへの依頼がおすすめの理由を3つ紹介します。
・費用が抑えられる
・クオリティが高い
・コミュニケーションが取りやすい
1. 費用が抑えられる
フリーランスに外注する場合は、対個人との契約になるため制作会社に比べて費用を抑えることができます。
たとえばWebデザインを制作会社に依頼する場合は、ページの種類や設計にもよりますが、30万円〜2,000万円ほど費用が発生することが多いです。
一方でフリーランスデザイナーに依頼する場合は、こちらも案件によりますが、40~70万円が相場となっています。(参考:フリーランススタート)
ほかのデザイン領域に関しても一般的に制作会社に依頼するよりもフリーランスデザイナーに依頼するほうが費用を抑えられることが多く、予算が少ない企業でも依頼することが可能です。
2. クオリティが高い
フリーランスデザイナーは、独立する前に大手制作会社やデザイン事務所で実績や経験を積んでいることが多いため、クオリティの高い制作物を期待することができます。
実際にフリーランスデザイナーを紹介する「クロスデザイナー」の場合は、デザイン会社に10年以上在籍していた方やアートディレクターとして活躍していた方も数多く在籍しています。
さらに制作会社の制作実績は誰が担当していたかわからないこともありますが、フリーランスデザイナーの場合は個人のポートフォリオを持っているため、期待するデザインに関して認識のズレも起こりにくいです。
3. コミュニケーションが取りやすい
外注するデメリットの章では、制作会社に外注するときは担当部署が多いことで、コミュニケーションコストが高くなるおそれがあることを伝えました。
この点、フリーランスデザイナーに依頼する場合は、対個人とコミュニケーションを取るため、意思疎通がしやすいです。結果、デザインイメージの共有もスムーズにできたり、問題が発生した際も、すぐに連絡を取ることができます。
このように本来外注ではデメリットとなるコミュニケーション面もカバーできる点は、フリーランスデザイナーに依頼するメリットと言えるでしょう。
デザインをフリーランスに外注するならクロスデザイナーがおすすめ!
本記事では、デザインの内製と外注についてそれぞれ紹介してきました。
どちらを選ぶかは、長期的な視点と会社の方向性も踏まえて決めることをおすすめします。
今回ご紹介したメリット・デメリットをぜひご参考にして、自社にとって良い選択をしてください。
なお、フリーランスデザイナーに依頼をするなら、クロスデザイナーがおすすめです。
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