事業成長にデザイナーは必要?経営視点で考えるデザインの役割とは | フリーランスデザイナー・業務委託採用|クロスデザイナー

事業成長にデザイナーは必要?経営視点で考えるデザインの役割とは

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事業の立ち上げや、初期段階で難しいのがどのような役割のプロジェクトメンバーを揃えるか、と言う問題です。人数が多ければその分だけ人件費は多くなることを考えれば、必要な役割に対して少数精鋭のチームを作りたい、というのが多くの事業責任者の考えるところでしょう。

実際、事業を成長させるためにどのような役割のメンバーが必要かは、その事業や性質によって異なります。その中でも、本記事では「経営視点における事業成長のためのデザイナーの役割」という観点から、プロジェクトの初期段階からデザイナーをアサインすることの意義を解説していきます。

デザインとは?

一般的にデザインというと、「ビジュアルを整える」「装飾する」など見た目に関するイメージをもつ人も多いと思います。もちろん、ビジュアルを整えることもデザイナーの業務範囲ではあります。しかし本来、デザインという言葉が指す範囲は、表面的なものにとどまりません。

元々、デザイン(design)は美術のデッサン(dessin)とも語源が同じと言われ、「計画を記号に表す」という意味のラテン語、デシグナーレ(designare)に由来すると言われています。これは、現在のdesignにも「設計する」「企てる」という意味にも繋がっています。

つまりデザインには本来「設計」という意味合いが含まれており、とくにビジネスにおいては「ある問題を解決するために物事を設計し、さまざまな媒体に表現すること」という意味で解釈されます。

単にビジュアルや見た目を良くするのではなく、どうすれば伝えたい情報が、伝えたい相手に伝わるか、最適な表現手段や方法を設計する。それこそ、ビジネスにおける本来のデザインの役割です。

事業成長におけるデザインの役割

では、事業成長におけるデザインの役割とはなんでしょうか。以下4つの観点から、考えてみます。

  • デザインの目的は、課題解決
  • UXデザインの重要性が高まっている
  • 競合との差別化・ブランドイメージの形成
  • ビジョンや理念の言語化・ビジュアル化

デザインの目的は、課題解決

先述の通り、デザインの定義は「ある問題を解決するために物事を設計し、さまざまな媒体に表現すること」です。この文章の前半に着目すると、「ある問題を解決するために」という言葉があります。デザインの本質的な役割は、問題を解決することや解決策を探るための思考プロセスにあり、「見た目を整える」という作業は、その手段の一つにすぎません。

例えば新規事業を立ち上げる際、企画の初期段階から実際に事業をスタートするまでは、さまざまな課題にぶつかることでしょう。そこにデザイナーが加わることで、そもそもの課題発見からデザイン的なアプローチによる解決まで、検討が可能となります。また、初期段階から参画してもらうことで事業に対するデザイナー側の理解も深まり、プロダクトやサービス自体の品質向上も見込めます。

UXデザインの重要性が高まっている

近年、事業運営においてはUX(ユーザー・エクスペリエンス)が競争力を高めるためのポイントとなってきています。そのため、UXデザインやUXリサーチといったスキルをもつデザイナーの役割も、重要性を増してきています。

また、UXを高めるために近年注目されている考え方が「人間中心設計(HCD)」といわれるもの。日本工業規格JISによると、「人間中心設計」は以下のように定義されています。

システムの使用に焦点を当て、人間工学及びユーザビリティの知識と手法とを適用することによって、インタラクティブシステムをより使えるものにすることを目的としたシステムの設計及び開発へのアプローチ。

▲引用「人間工学−インタラクティブシステムの 人間中心設計 2.7項

ごく簡単に言えば、「ユーザーが使いやすいシステムを作りましょう」ということですが、人間中心設計のゴールはUXを高めて、より良いユーザー体験を提供することです。この「人間中心設計」は専門家としての認定制度があり、最近ではデザイナーの中でもこの認定を取得する人も増えています。

特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(https://www.hcdnet.org/)

関連記事:人間中心設計とは? 具体的な設計方法と事例を解説

競合との差別化・ブランドイメージの形成

製品やサービスには、「機能的価値」と「情緒的価値」という2つの価値があります。「機能的価値」とは、その名のとおり、機能や品質面で顧客が感じる価値のこと。逆に「情緒的価値」とは、その製品やサービスを利用した際に得られる、精神的・感覚的な価値のことを指します。車で例えるなら、燃費や操作性など車の性能に関するものは機能的価値で、高級車などに乗ることで得られる精神的な充足感は情緒的価値と、捉えることができます。

とくに情緒的価値は、競合との差別化やブランディングにおいて重要といわれる要素で、デザインはその訴求手段として有効です。デザインにより統一された世界観や共感されるようなストーリーをユーザーに訴求することで、製品や企業のブランドイメージをより強固にすることへと繋がります。

ビジョンや理念の言語化・ビジュアル化

近年では、デザイン的なアプローチを取り入れた「デザイン経営」といわれる経営手法が登場するほど、ビジネスにおけるデザインの価値が高まっています。とくにスタートアップ企業などでは「CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)」という役職を置く企業も増えており、経営幹部の中にデザイナーを加えることで企業や事業の情報に、デザインの要素を加えていく手法もあります。

例えば、製品やサービスに限らず、経営者が抱くビジョンや理念などを、多くの人に伝わるようにデザイナーが言語化・ビジュアル化することで、クライアントや社員にスムーズに浸透させていくことも期待できます。

関連記事:CDO(最高デザイン責任者)とは?その役割と探し方

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事業成長にデザイナーは必要かを考える

ここからは、事業成長にデザイナーが必要かどうかをいくつかの観点から考えてみましょう。

デザイナーが必要なフェーズか

多くの企業では、事業の計画段階からデザイナーを起用することはそこまで多くありません。しかし、事業開発においても常にユーザー視点での体験的な価値を考えることは重要で、デザイナーに加わってもらう価値は十分にあります。

また冒頭述べたように、デザインをただ「見た目を整える作業」という表面的な理解しかしていないと、デザイナーを起用するのはどんどん後回しになります。

例えば、制作物が必要になってから、初めてデザイナーが加わると、デザイナー側は事業への理解が浅い状態で表現を模索しなければいけません。その状態でクリエイティブを制作し、結果的に十分な効果を発揮しなかったケースも多くあります。

もちろん、インハウスデザイナーを採用できるか、外注で信頼できるデザイナーを探すかは各社の判断によりますが、基本的にデザイナー側の事業に対する理解度が深ければ深いほど、最終的なアウトプットの効果も期待できます。

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顧客とのコミュニケーション方法で考える

自社にとってのデザイナーの必要性を、自社と顧客とのコンタクトポイントからも考えてみましょう。企業と顧客とのコンタクトポイントには、例えば以下のようなものがあります。

  • ロゴ
  • WEBサイト
  • 営業
  • カスタマーサクセス、カスタマーサポート
  • 店舗
  • ポスター、パンフレット、チラシなどの紙媒体
  • YouTubeなどの動画媒体
  • SNS
  • 広告(リスティング、ディスプレイなど)
  • 製品のパッケージ
  • イベント など

これらのうち、どのコンタクトポイントが重要になるかは、事業の性質や構造によって異なります。例えば上記のうち、おもな販売方法が営業である場合、デザインの事業貢献度はそれほど高くないため、デザイナーを起用するメリットはそれほど大きいとは言い切れません。つまり、事業にとってどのコンタクトポイントが重要なのかによっても、デザイナーの必要性は異なってくるということです。

また店舗がある場合は空間系のデザイナーが必要かもしれませんし、WEBサイトや広告が主なコンタクトポイントとなる場合はWEBデザイナーが必要になるかもしれません。「デザインする媒体」ごとに異なる専門分野のデザイナーがいるので、自社にとってのデザイナーの必要性を見極める際には、どんなデザイナーが必要なのかも併せて考えましょう。

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デザイナーの起用方法には、インハウスとアウトソーシングがある

ここまで事業成長におけるデザイナーの必要性について、どう判断すればいいのかを中心に解説してきましたが、実際にデザイナーに参画してもらおうと思った場合には、おもにインハウスとアウトソーシングの2つの選択肢があります。

それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

インハウスデザイナーのメリット・デメリット

メリット

インハウスデザイナーを採用する一番のメリットは「自社や、製品・サービスに対する理解が深いこと」です。ビジョンやコンセプトの正しい理解は、ブランドイメージを形成する際には非常に重要。デザイナーが発信情報をコントロールすることで、それらに統一したイメージや世界観を持たせることができるようになります。

また人件費は固定費なので、基本的にデザインの制作コストが安定しやすくなります。もちろんデザイナーを1人採用したとしても、すべての制作を1人で負担するのは難しいかもしれません。しかし、理解の深いデザイナーがいることで、たとえデザインを外注したとしても、事業の方針に沿った細やかなディレクションや監修などができるようになります。

デメリット

デメリットとして挙げられるのが、成長機会の損失です。インハウスデザイナーの場合、基本的に継続して自社の製品・サービスのみに向き合っていくことになるため、外部からの刺激が受けづらく、どうしても表現の方向性が偏りやすくなります。

デザイン会社への外注のメリット・デメリット

メリット

デザインに関する業務をデザイン会社へ外注する一番のメリットは、「納期やクオリティの安定」です。デザイン会社などでは、デザイン制作を進行管理から担ってくれる場合が多く、会社ごとにクオリティチェックに対する基準も定められているため、納期・クオリティともに品質が安定しやすくなります。会社によって得意・専門の領域が異なるため、発注前にはかならず実績を確認してから依頼するようにしましょう。

デメリット

一番のデメリットは費用が高くなることです。品質や納期の安心感を担保するために、ほかの手法に比べてデザインに関する費用が高くなりやすい傾向があります。とくに発注時点で、修正回数に制限を設けている会社も多く、想定外のトラブルや修正が起きた場合に、思わぬ予算が取られてしまうこともあります。

フリーランスへの外注のメリット・デメリット

メリット

フリーランスデザイナーへ外注する一番のメリットは、「発注の柔軟性」です。制作会社に比べると、比較的小さな単位からも発注できますし、逆により上流から加わって、会社のクリエイティブ全般の監修をお願いするなど、交渉次第でさまざまな起用の仕方ができます。また、業務量に応じて発注金額が変わるので、予算に応じて月の発注金額を調整しやすくなります。デザインスキルは人材によりピンキリではあるものの、期待に見合わない場合には契約を継続せずに別の人材を探すといった、トライアル的な発注もできます。

デメリット

デメリットは、「人材を探すことの難しさ」です。フリーランスデザイナーの探し方としては、自社で直接募集、SNSなどでの直接スカウト、紹介などさまざまな手法がありますが、いずれも初めて行うにはハードルが高く、プロセス、評価基準ともに一から定めるのは現実的とは言えません。

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コストを抑えてデザイナーを採用するならクロスデザイナーがおすすめ

これまで、事業成長におけるデザインの役割や、その必要性の判断方法、デザイナーを起用する方法についてお伝えしてきました。

デザイナーが必要かどうかは、社内の状況や事業の性質などによっても異なり、また必要な場合でもどんなデザイナーを起用すればいいのかは企業により異なります。一つ言えるのは、もし事業の始めからデザイナーに参画してもらいたい場合、「育成・教育」が必要なデザイナーを採用するのはリスクが大きいということです。

事業成長のために、最短距離で成果を上げるためには、即戦力となるプロのデザイナーが必要です。そのためにはデザイン会社やフリーランスなどへの外注も視野に入れ、事業にどうデザイン的な視点を組み込めるか検討しましょう。

また、予算が限られている場合にはフリーランスデザイナーへの外注を、第一におすすめします。クロスデザイナーには、経験豊富なフリーランスデザイナーが多く登録しています。

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クロスデザイナー編集部

日本最大級のデザイナー専門エージェントサービス『クロスデザイナー』の編集チーム。複数の現役デザイナーや編集者で構成されている。