Appleのリンゴマークやメルカリのマークなど、成功している企業のロゴは人々の印象に残っています。優れたロゴは単なる見た目の美しさだけではなく、企業の理念や価値観を瞬時に伝え、長く人々の記憶に残り続けます。しかし、「どんなロゴが良いロゴなのか?」「どうすれば印象的なロゴが作れるのか?」という疑問を持つ方も多いはず。
本記事では、企業ブランディングにおけるロゴの重要な役割から、効果的なロゴデザインに必要な要素、そして具体的な制作方法までを詳しく解説します。
企業のブランディングとは
企業のブランディングとは、企業や商品・サービスの価値を効果的に伝え、ユーザーとの強い信頼関係を築いていく長期的な取り組みです。単なる表面的なイメージづくりではなく、企業の理念や歴史、そしてビジョンを表現することで、市場における独自のポジションを確立することを目指します。
誰しも信頼できる会社から商品やサービスを購入したいと思うでしょう。情報が溢れる今の時代、ブランディングを通じて信頼関係を構築していくことは必須と言えます。
ロゴは、このブランドストーリーを象徴する最も小さく、最も力強い存在です。ロゴの印象によって企業や商品・サービスへのイメージも左右される重要な役割を持っています。
ブランディングにおけるロゴの3つの役割
ロゴは単なるデザインや記号ではなく、企業の価値観や理念を伝える重要なコミュニケーションツールです。
ここでは、ブランディングにおいてロゴが果たす3つの重要な役割について、具体的に紹介していきます。
- 企業や商品の認知度を高める
- 企業のイメージを形成する
- 他のブランドとの差別化につながる
1. 企業や商品の認知度を高める
ロゴは企業や商品の「顔」のようなものです。マクドナルドの黄色いMやAppleのリンゴマークのように、シンプルで印象的なロゴは多くの人の記憶に残りやすくなります。こうしたロゴを広告や看板、商品のパッケージなど、様々な場所で目にする機会が増えると、自然とブランド認知が広がります。見かける機会が増えれば増えるほど、親しみを感じてもらえるようになり、ブランド価値が強化されます。
2.企業のイメージを形成する
ロゴは、企業の価値観やビジョン、業界での立ち位置を一目で伝える存在です。たとえば、環境に優しい企業なら緑を基調としたやさしいデザイン、最新技術を扱う企業ならスタイリッシュでスマートなデザインというように、色やフォント、デザイン要素には心理的な影響を持っています。お店の外観や店員さんの制服で、そのお店の雰囲気が伝わってくるのと同じように、視覚的要素によってユーザーがブランドに対して抱く印象が形成され、企業イメージが作られます。
3. 他のブランドとの差別化につながる
たくさんの商品やサービスがある中で、ロゴが競合他社との差別化を図るための強力な武器となります。独自性のあるロゴは、ユーザーに対して「他とは違う」という印象を与え、ブランドの特徴や強みを視覚的にアピールします。
また、ユーザーが他のブランドと混同せず、自社のロゴを見た瞬間に「この会社だ」と思い出してもらえることが購入につながります。人は記憶にないものや知らない商品は購入をためらう傾向にあるため、記憶に残すためにロゴは重要な目印となります。
ロゴデザインに欠かせない4つの要素
ロゴはただデザイン性が高ければ良いというものではありません。ブランディングにつながるロゴには必要不可欠な要素が存在します。
ここでは4つの要素について解説します。
- 自社やブランドの理念を表現したデザイン
- シンプルで汎用性がある
- 商標権など法的な安全性の確保
- 独自性が高い
1. 自社やブランドの理念を表現したデザイン
ロゴはブランドの理念やビジョンを象徴的に伝えるデザインである必要があります。企業が大切にしている価値観や目標を視覚的に反映することで、ロゴを見るだけで多くの人に理解してもらえるものとなるでしょう。
たとえば、環境に優しい商品を作っている会社なら、木や葉っぱをモチーフにした緑色のデザイン、子ども向けの商品を扱う会社なら、明るく楽しい色使いのデザインというように、会社の個性や目指していることが一目で分かるロゴが理想的です。
2. シンプルで汎用性がある
ロゴは、どのような媒体やサイズでも効果的に機能する必要があります。たとえばAppleのリンゴマークのようなシンプルなデザインは、名刺や広告、ウェブサイト、商品パッケージなど、さまざまな場面で使用する際に視認性を損なうことがありません。また、モノクロでもカラーでも印象が変わらないことも重要です。複雑なデザインは、小さいサイズでは細部がつぶれてしまうため、ロゴの効果を最大化するためにはシンプルさが欠かせません。
3. 商標権など法的な安全性の確保
ロゴは会社や商品・サービスの「顔」のため、デザインには商標権や著作権の侵害がないように法的な配慮が必要です。他の企業やブランドと似たデザインを採用すると、後に法的なトラブルに発展するおそれがあります。
ロゴの制作後には商標登録を行い、自社の知的財産を保護することをおすすめします。既存のデザインやアイコンを流用する際には、適切なライセンスが付与されているかの確認も忘れず行いましょう。
また、著作権譲渡の対応は制作業者によって変わります。ロゴ作成を外注する際は、事前に確認しておきましょう。
4. 独自性が高い
競争が激しい市場で成功するためには、他のブランドと差別化できる独自性のあるロゴが必要です。ユーザーがロゴを見た瞬間に「このブランドだ」と認識できる特徴をデザインに組み込みましょう。
独自性は、形状、配色、フォントの選択などで生み出すことが可能です。市場調査を通じて競合他社のロゴを分析し、独自性を確保することで、ブランドが埋もれることなく記憶に残るデザインを実現できます。
ロゴ作成時のポイント
ロゴ作成時の2つのポイントを紹介します。
- 自社の目的や理念を整理する
- ロゴのテーマやデザインコンセプトを決める
自社の目的や理念を整理する
まず「何を伝えたいのか」を考え、自社の目的や理念を明確に整理することが重要です。目的は「信頼性のあるブランド」「革新性をアピールしたい」など具体化し、ブランドがユーザーに伝えたい価値観を洗い出していきます。
理念は、企業が大切にしている価値や長期的なビジョンを意味します。この整理が不十分だと、ロゴがブランドの本質を反映できず、顧客に響くデザインになりません。ロゴ作成前に、社員やステークホルダーと議論し、自社の方向性を共有しておくと、より一貫性のあるデザインが生まれます。
ロゴのテーマやデザインコンセプトを決める
目的や理念が整理できたら、次にロゴのテーマやデザインコンセプトを具体的に決めます。テーマとはロゴが伝えるべきメッセージやイメージを表し、たとえば、「自然」「信頼」「未来志向」など、ブランドの特徴を一言で表現します。
一方、デザインコンセプトは、テーマを視覚的にどのように表現するかを決めるガイドラインです。配色、フォント、形状などの要素をテーマに基づいて決定します。自然をテーマにするなら、緑色や柔らかいラインを使ったデザインが考えられます。これにより、デザインがぶれず、ブランドのイメージを一貫して伝えるロゴが完成します。
ロゴデザインの制作方法
ロゴデザインの制作方法は、4つのパターンがあります。
- 社内で制作依頼する場合
- デザイン制作会社に依頼する場合
- クラウドソーシングで発注する場合
- フリーランスに依頼する場合
社内で制作する場合
社内に広告やデザイン、ブランディングの担当部署があれば、社内でのロゴの制作が可能です。デザインや修正の指示が直接的に行えるため、スピーディーに進行できる点も魅力です。また、社内のスタッフは自社の理念やビジョンを深く理解しているため、それを的確に反映したデザインが期待できます。
しかし、専門的なデザインスキルが社内に不足している場合、完成したロゴのクオリティが低いおそれもあります。また、デザイン作業に時間を取られることで、本来の業務が滞るリスクもあります。まずは社内に十分なリソースがあるかを確認しましょう。
デザイン制作会社に依頼する場合
デザイン制作会社に依頼する場合、洗練された高品質なロゴが期待できます。制作会社ではヒアリングから納品までのプロセスが整備されており、予算に合わせて柔軟な提案を受けることができます。また、スケジュール管理がしっかりしているため、納期が遅れるおそれも少ないでしょう。
ただし、制作会社には運営コストが含まれるため、費用が比較的高額になるケースが多く、予算が限られている場合には負担となることがあります。さらに、複数のプロジェクトを並行して進めているため、細かな修正対応に時間がかかることもあります。
クラウドソーシングで発注する場合
クラウドソーシングで発注する場合、インターネット上で複数のデザイナーから提案を募集できるため、多様なデザイン案を一度に確認できる点が最大の魅力です。また、依頼時に予算を明確に設定できるため、コストの調整がしやすく、低予算でも依頼が可能です。
しかし、デザインのクオリティにはばらつきがあるため、期待通りの提案が得られないリスクもあります。また、フリーランスに直接依頼する方法とは異なり、プラットフォーム内でのやり取りが中心となるため、デザイン意図や細かな要望が伝わりにくいおそれもあります。単発のプロジェクトには向いているものの、継続的な関係性を築くのには不向きと言えるでしょう。
フリーランスに依頼する場合
フリーランスにロゴデザインを依頼する場合、直接的なコミュニケーションが可能なため、要望の伝達や修正対応がスムーズに進む点がメリットです。フリーランスの多くは、多様なプロジェクトに携わった経験を持っており、そのスキルや独自の視点からクリエイティブな提案を期待できます。また、制作会社よりも運営コストがかからないため、費用を抑えながら高品質なデザインを依頼できるケースが多いです。
ただし、個人で運営しているため、売れっ子デザイナーであれば業務の進行には時間がかかります。また、フリーランスを選ぶ際には、過去の実績やレビューを確認する必要があり、優れたデザイナーを見つけるのに手間がかかることがあります。法的な確認作業(商標権など)も自社で行う必要がある場合もあり、注意が必要です。
以下の資料では、外部人材を獲得するチャネルとしてよく挙げられる「業務委託」「派遣」「クラウドソーシング」について活用プロセスの違いや、メリットデメリットを解説します。無料でダウンロードできるのでぜひご活用ください。
参考記事:ロゴデザインの依頼方法は?事前の準備内容や費用相場も解説!
ロゴデザインをフリーランスに依頼する3つのメリット
ロゴデザインの制作方法には上述のようにさまざまな選択肢があります。その中でもフリーランスへの依頼は、コストや柔軟性、コミュニケーションの面で非常にバランスの取れた選択肢です。
以下でフリーランスに依頼する際の3つの主要なメリットを詳しく解説します。
- コストパフォーマンスが高い
- スピード感のある対応が可能
- 意思疎通がしやすい
1. コストパフォーマンスが高い
フリーランスに依頼する最大の魅力は、その高いコストパフォーマンスと言えるでしょう。
制作会社の場合、運営費やプロジェクト管理費などの間接費用がかかるため、依頼料金が高額になる傾向にあります。フリーランスは個人で運営しているため、これらのコストが発生しません。同じ予算でもより高品質なデザインを依頼することが可能です。
フリーランスは柔軟な料金設定をしている場合が多く、特定の範囲だけの依頼など予算に応じた提案をしてもらえます。また、すでに必要なスキルは持ち合わせているため、社内での育成費用もかかりません。このようにコストを抑えながらも満足のいく成果を得られる点が大きな魅力です。
2. スピード感のある対応が可能
フリーランスは一人で仕事を進めているため、無駄な承認プロセスや調整作業が発生せず、効率的に作業が進みます。修正依頼や進捗確認など、リアルタイムでフィードバックを受けながらプロジェクトを進行できる点は、制作会社と比較して大きなアドバンテージです。特にタイトなスケジュールの中でロゴデザインを完成させたい場合、フリーランスのスピード感は非常に頼りになるでしょう。
3. 意思疎通がしやすい
フリーランス本人と直接やり取りができるため、クライアントの意図や要望を正確に伝えやすい環境が整います。制作会社ではプロジェクトマネージャーや営業担当を介することが多く、情報が伝達される過程で認識違いが生じることがありますが、フリーランスの場合はそのリスクがほとんどありません。
また、デザイナー自身がプロジェクト全体を把握しているため、柔軟に提案やアドバイスをしてくれることも期待できます。細かな修正などにもタイムリーに対応してもらえるため、ストレスなくプロジェクトが進められるでしょう。
ブランディングにつながるロゴデザインを依頼したいのなら、クロスデザイナーがおすすめ
ブランディングにおけるロゴデザインの重要性についてお伝えしてきました。ただデザイン性が高いものを作れば良いのではなく、企業のイメージを形作るもののため、使用場面やターゲット、目的など多くのことを視野に入れて作成する必要があります。
ブランディングを依頼したいけど、コスト面や柔軟性が懸念となっているなら、ぜひ経験豊富な人材が揃っているクロスデザイナーにご相談ください。
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