「ブランディングは必要だと分かっているけれど費用が心配...」、多くの経営者や担当者はこの悩みを抱えているのではないでしょうか。
実際、ブランディングの費用は数十万円から数千万円まで幅広く、一体いくらが適正なのか判断に迷うところです。しかし、ブランディングは単なるコストではなく、企業の未来への投資となり、取り組むべき施策と言えるでしょう。
本記事では、ブランディングにかかる費用の相場はもちろん、その内訳や依頼先ごとの特徴、さらには賢く費用を抑えるコツまで徹底解説します。ブランディングの構築にぜひお役立てください。
ブランディングの費用相場はどのくらい?
ブランディングの費用相場は、企業の規模や目的、対象となる商品やサービス、求めるクオリティによって大きく異なります。一般的には、ブランディング全体のコンサルティングやロゴ、Webサイト、パンフレット、名刺などの制作を含めると、約400万円前後が相場です。
ただし、依頼する範囲や求めるクオリティによって費用は変動します。たとえば、ロゴデザインのみの場合は3〜50万円程度が目安です。
また、大手のコンサルティング会社に依頼する場合、1,000万円以上となるケースもあります。そのため、自社の目的や予算に合わせて、適切なブランディング戦略を検討することが重要です。
ブランディングの内訳:主な5項目
ブランディング費用の内訳について、主な5項目を解説します。
項目 | 納期・契約期間 | 費用目安 |
コンサルティング費用 | 3ヶ月〜1年 | 中小企業:10〜15万 年間契約:1,000万円 |
キャッチコピー制作費用 | 2週間〜2ヶ月 | 1~50万円 |
ロゴ・パッケージのデザイン | ロゴ:1〜3ヶ月 パッケージ:1〜6ヶ月 | ロゴ:3万円〜50万円 パッケージ:10万円〜100万円 |
Webサイト制作費用 | 1~3ヶ月 | 簡易サイト:30万円〜100万円 コーポレートサイト・ECサイト:100万円〜500万円以上 |
広告費用 | ー | デジタル広告:10万円〜100万円/月 テレビCM:100万円〜1,000万円以上 |
1. コンサルティング費用
ブランディング戦略の土台を築くために、現状分析や競合調査、ペルソナ設定などを行う費用です。
企業の目標や市場環境を考慮して最適なブランディング計画を立案するため、費用の相場は企業の規模や依頼範囲によって異なります。中小企業向けの場合、月額10〜15万円で、最低契約期間は3ヶ月〜1年が目安です。ただし、金額には幅があり、月額30万円近い会社もあり、大手になると年間で1,000万円以上の金額設定をしているところもあります。
戦略の質がその後の成果に大きく影響するため、慎重な選定が必要です。依頼の際は複数社から見積りをとって適正価格を見極めましょう。
2. キャッチコピー制作費用
キャッチコピーは、顧客の心をつかむための重要な要素であり、ブランディングの軸となります。制作費用は1~50万円程度と幅が広く、ブランドの規模やターゲット市場に応じて価格が変動します。ブランドメッセージやストーリーも同時に制作する場合は高額になる傾向があります。
キャッチコピーは企業や商品の印象を左右します。制作者とコミュニケーションも密になるため、依頼先の選定では相性の良さも重要です。
3. ロゴ・パッケージのデザイン制作費用
ブランドの顔ともいえるロゴや、商品パッケージのデザインにかかる費用です。これらのデザインは、商品のターゲット層に合わせたシンボルとも言えるもので、ブランドアイデンティティを示す重要な役割を持っています。
ロゴデザインの相場は3万円〜50万円程度、パッケージデザインは10万円〜100万円程度と幅が広いです。デザインの提案数や修正回数、デザインの複雑さ、依頼先のデザイン会社の規模によって価格が変動します。
4. Webサイト制作費用
Webサイトは企業の情報発信や集客の中心的役割を果たし、ブランディングの面でも顧客とのタッチポイントを増やす重要なツールです。制作費用は、簡易的なものなら30万円〜100万円、本格的なコーポレートサイトやECサイトでは100万円〜500万円以上になる場合もあります。サイトの規模や機能によって価格は変動します。デザイン性だけでなく、ユーザビリティやSEOを考慮することも重要です。
5. 広告費用
ブランドの認知度を高めるため、広告展開を行う際にかかる費用です。デジタル広告、テレビCM、雑誌広告、イベントプロモーションなど、媒体や規模によって費用は大きく異なります。デジタル広告の月額費用は10万円〜100万円、テレビCMでは100万円〜1,000万円以上となることもあります。広告の効果を最大化するためには、戦略的なプランニングが欠かせないため、自社のターゲットが見る媒体を選定するところから始めましょう。
ブランディング依頼先ごとの費用相場
ブランディングを依頼するときは、以下の3つから選ぶのが一般的です。
依頼先 | 相場 |
コンサルティング会社 | 500万円〜1,000万円以上 |
制作会社 | 10万円〜300万円 |
広告代理店 | 300万円〜500万円 |
コンサルティング会社
コンサルティング会社の相場は500万円〜1,000万円以上となっています。ブランド戦略の構築や現状分析、競合調査、ターゲット設定など、戦略的なブランディングの設計を一貫してサポートしてくれます。
専門的かつ長期的な視点でブランド戦略を構築できるのがメリットですが、費用が高額になりやすく、実行支援は別途費用がかかる場合がある点がデメリットです。
費用感は比較的高額で、大規模な企業ブランディングでは1,000万円以上になることもあります。依頼内容によって金額は大きく変わるため、まずは相談しましょう。
制作会社
制作会社の相場は10万円〜300万円です。ロゴ、Webサイト、パッケージデザインなどの具体的なデザイン制作を行います。デザインを通じてブランドの魅力を表現することが得意です。
視覚的なブランディングをプロのデザインで実現できるのがメリットですが、戦略構築部分には対応していない場合もあるため注意が必要です。
シンプルなロゴ制作なら10万円〜50万円程度、Webサイトやパンフレットの一括制作では100万円〜300万円が相場となります。ただし、依頼内容や制作会社の規模で価格は変わります。
広告代理店
広告代理店の相場は300万円〜500万円です。ブランドの認知度向上を目的とした広告戦略を得意としており、テレビCMやデジタル広告、イベントプロモーションなど、多角的なアプローチを展開します。
大規模な広告キャンペーンの実行力があるのがメリットで、デジタル広告やSNS広告は月額100万円程度から可能です。しかし、テレビCMや大規模な広告キャンペーンでは1,000万円以上の予算が必要になることがあります。会社によって得意な広告分野が異なるため、自社の戦略にあった会社を選ぶことが重要です。
ブランディングの費用対効果の測定方法
ブランディングの費用対効果の測定方法について解説します。
新規接触率を計算して、改善策を立てていくのが一般的です。
そこで、以下から新規接触率と改善策について解説します。
- 新規接触率を活用して効果を測定する
- 新規接触率の計算方法
- 新規接触率を向上させて効果を最大化する
新規接触率を活用して効果を測定する
新規接触率とは、ブランドや製品に初めて接触した人々の割合を示す指標です。
ブランディング施策の効果を測る際、この指標を活用することで、ブランド認知や新規顧客獲得の進捗状況を具体的に把握できます。たとえば、広告、SNS投稿、展示会など、複数のチャネルでどの程度新しいターゲット層にリーチできているかを測定することが可能です。
新規接触率が高いほど、その媒体を通じてブランド認知を高めたことを示しています。
新規接触率の計算方法
新規接触率は以下の式で計算します:
新規リーチUU÷各媒体の接触UU×100=新規接触率(%)
UU:ユニークユーザーのことで、一定期間においてWebサイトを訪問した人数を指す指標
新規リーチUU:ブランディング活動を通じて初めて接点を持った顧客数
各媒体の接触UU:その施策やチャネルで接触したすべての顧客数
たとえば、SNS広告を通じて10,000人がブランドに触れ、そのうち6,000人が初めての接触だった場合、新規接触率は60%となります。この数値を定期的に追跡することで、どの施策が効果的かを判断できます。そのため、新規接触率を高めることが、ブランド認知を高めることにつながります。
新規接触率を向上させて効果を最大化する
新規接触率を向上させるためには、ターゲット層を明確にし、それに合わせた戦略を取ることが重要です。
1.広告の効果測定とターゲティング強化
広告ごとにユーザーの属性(年齢、職業、関心、アクセスの時間帯など)を分析し、効果の高い広告や媒体を見極め、改善策を実施します。
2.コンテンツマーケティングの充実
ターゲット層に刺さる有益なコンテンツ(記事、動画、ホワイトペーパー)を作成し、初めての接触を促進します。
3.キャンペーンやプロモーションの実施
特典付きのキャンペーンや体験イベントを開催し、新規顧客との接触を増やします。
新規接触率の向上は、ブランドの認知拡大だけでなく、潜在顧客を育成する機会を増やすためにも重要です。継続的にデータを分析し、戦略を改善することで、費用対効果を最大化できます。
ブランディングの費用対効果を高める3つの施策
企業にとってブランディングは大きな効果をもたらしますが、構築すれば成功するものではありません。
以下で費用対効果を高める施策について解説します。
- ターゲットの明確化
- SNSを活用した活用した効率的なマーケティング
- コンテンツマーケティングの充実
1. ターゲットの明確化
ブランディングの成功には、ターゲットを明確にすることが不可欠です。効果的なターゲティングを行うことで、市場ニーズに合わせたマーケティングができ、競合他社との差別化につながります。顧客の年齢、職業、関心、購買行動などを基にペルソナを設定し、それに基づいたブランディング施策を展開しましょう。
ターゲット選定に役立つフレームワークとしては、3C分析、SWOT分析、PEST分析が挙げられます。フレームワークを上手く活用することで、自社サイトの長所や短所などを把握することができるようになり、効率的にブランディングを進めることができます。
2. SNSを活用した活用した効率的なマーケティング
SNSは、低コストで高いリーチ効果を得られるマーケティング手法として非常に有効です。
InstagramやLinkedIn、X(Twitter)など、ターゲットが集まるプラットフォームを選定し、一貫したブランドメッセージを発信することで、顧客とのエンゲージメントを強化できます。また、ターゲティング広告を活用することで、特定の属性を持つ顧客に対して効果的にリーチできます。
さらに、SNSは顧客の声を直接収集できる場でもあり、信頼性や説得力の高いブランディング構築のヒントが得られるでしょう。
3. コンテンツマーケティングの充実
ブランドの価値を伝えるためには、顧客にとって有益なコンテンツを提供することが重要です。ブログ記事、ホワイトペーパー、動画、ウェビナーなど、多様な形式のコンテンツを展開することで、ブランドの専門性をアピールできます。
また、SEO対策を施したコンテンツは、オンライン上での露出を増やしリード獲得につながるだけでなく、広告費の削減にもつながります。質の高いコンテンツは、顧客との信頼関係を築きます。SNS上でのシェアや口コミが広がることで、費用を抑えながら、ブランドへの信頼構築にもつながります。
ブランディングの依頼4ステップ
ブランディングの依頼は4ステップで完了します。
- 問い合わせ
- ヒアリング
- 見積りの受領
- 契約
1. 問い合わせ
ブランディングを依頼したい企業に問い合わせをしましょう。具体的には、HPの問い合わせフォームや電話、メールを通じて連絡します。この際、自社の課題や依頼したい内容を簡単に伝えることで、その後のやり取りがスムーズになります。また、問い合わせの際に対応の早さや丁寧さを確認することも、依頼先を選ぶ上での重要なポイントとなります。
2. ヒアリング
問い合わせ後、依頼先の担当者と詳しいヒアリングを行います。ここでは、ブランディングの目的、目標、ターゲット、現在の課題、希望する成果、予算、スケジュール感などを具体的に共有します。複数社と行う場合は、それぞれに渡す情報に差異がないようにしましょう。質問される内容は各社で違うため、新たな要望が増えてきた場合は全部の会社に伝え、条件や情報伝達は均一となるように注意が必要です。
ヒアリングは、依頼先が自社のニーズを正確に理解し、適切な提案をするための重要なプロセスです。また、ヒアリング時に依頼先の提案力やコミュニケーション能力を見極めること機会にもなります。
3. 見積りの受領
ヒアリングの内容を基に、依頼先に見積りを作ってもらいます。見積りには、具体的な作業内容、スケジュール、料金の詳細が記載されているため、それを確認して予算や依頼範囲に適しているかを判断します。
複数の候補がある場合は、それぞれの見積りを比較検討しましょう。価格だけでなく、内容や提案力も考慮して、最適なパートナーを選ぶことが成功の鍵です。
4. 契約
最終見積りと提案に納得したら、1社を絞り込んでいきます。
契約書には、作業範囲、納期、料金、支払い条件、トラブルが発生した際の対応などを明記します。契約書の内容を十分に確認し、双方が納得した上で署名を行いましょう。
ブランディング費用を安くするコツ
一般的には高額となるブランディング費用ですが、安くするコツもあります。
- 目的を明確にしてムダを省く
- 依頼内容を絞り、費用対効果を重視する
目的を明確にして必要部分だけを依頼する
ブランディング費用を抑えるためには、まずプロジェクトの目的を明確にすることが重要です。たとえば、「企業の認知度向上」や「ターゲット層の信頼獲得」など、具体的な目標を設定することで、必要部分だけに集中することができます。
目的が曖昧だと、それらを明確にする作業が発生してしまいます。結果として費用がかさんでしまうことがあるでしょう。事前に社内で議論を重ね、何が必要かを明確にしておくことで、費用を最適化できます。
依頼内容を絞り、費用対効果を重視する
ブランディングは多岐にわたる要素が絡むため、すべてを一度に依頼すると高額になりがちです。依頼したい内容を絞り、自社内で実施する範囲と依頼する範囲を決めましょう。
また、優先順位をつけて依頼内容を絞ることも効果的です。たとえば、「まずはロゴデザインを依頼し、その後にWebサイトをリニューアルする」など、段階的に進める方法も考えられます。必要最小限の施策で最大の効果を得られるよう、社内のリソースも把握しながら戦略的に依頼内容を調整しましょう。
ブランディングを効率よく構築したいのならフリーランスへのデザイン依頼がおすすめ
ブランディングの依頼ならフリーランスもおすすめです。
理由を以下で解説します。
- 費用が抑えられる
- 柔軟かつ迅速な対応が可能
- 独自性のあるデザイン提案が期待できる
1. 費用が抑えられる
フリーランスデザイナーに依頼する最大のメリットは、費用が抑えられる点です。制作会社に依頼すると、管理費や運営費が上乗せされるため、費用が高くなりがちです。一方で、フリーランスは個人で活動しているため、これらの間接コストが発生せず、予算を効率的に活用できます。
また、プロジェクトの内容や規模に応じて柔軟に価格設定ができるケースが多く、限られた予算でもクオリティの高い成果物が期待できます。
2. 柔軟かつ迅速な対応が可能
フリーランスは、個別でやり取りを行うため、柔軟かつ迅速な対応が可能です。タイトなスケジュールでの依頼や、急な修正が必要な場合でも、個別対応がしやすい点はフリーランスならではの大きな強みです。スムーズなプロジェクト進行ができ、結果的に満足度の高いデザインが期待できるでしょう。
3. 独自性のあるデザイン提案が期待できる
多くのフリーランスデザイナーは、さまざまな業界やプロジェクトに携わった経験を持ち、それぞれが独自のクリエイティブな視点を持っています。そのため、クライアントの要望に基づいたオリジナリティ溢れる、他と差別化されたデザイン提案が期待できます。社内と異なる視点を持ったフリーランスは、頼もしいパートナーとなるでしょう。
ブランディングの依頼なら、優秀なフリーランスデザイナーが豊富なクロスデザイナーがおすすめ
ブランディング依頼の相場についてお伝えしてきました。基本的に高額になるため、先に自社内で目的を整理し、依頼内容を明確にしておくことがおすすめです。
ブランディングは企業にとって重要なものですが、ただ費用をかけてやれば成功するものではありません。費用対効果を最大化するためには、依頼先の選定も重要です。特に限られた予算で高品質な成果を求める場合、フリーランスデザイナーという選択肢が注目されています。
コスト面や柔軟性からフリーランスデザイナーへの依頼を考えているのなら、ぜひ経験豊富な人材が揃っているクロスデザイナーにご相談ください。
クロスデザイナーは、国内最大規模のデザイナー登録者から、厳正したデザイナーを最適なタイミングでご提案するフリーランスデザイナー専門のエージェントサービスです。現在、7,000人以上のデザイナーが在籍しています。
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