アートディレクションは、広告やWebサイトだけでなく、パッケージや映像、環境、空間デザインなど多岐に渡ります。
本記事では、アートディレクションを行うアートディレクターの仕事内容、年収、必要なスキル、採用方法について解説します。
アートディレクションとは
アートディレクションとは、Webサイト、ゲーム、パッケージ、広告、動画などのビジュアル面の制作を指します。デザインコンセプトの開発、色彩、タイポグラフィ、レイアウト、写真、イラストレーションなどのビジュアル要素の選定と組み合わせも含みます。
アートディレクションの仕事の流れ
以下の4ステップで進みます。
- プロジェクトの目的、クライアントの要望を把握
- チームメンバーの選定
- デザインのコンセプト設計
- ディレクションを行う
1. プロジェクトの目的、クライアントの要望を把握
まずはプロジェクトの方向性を決定するために、クライアントの課題や要望を把握するところから始めます。
打ち合わせで挙がった要望や条件を検討し、内容の細部を詰めていきます。デザインのラフ案をいくつか出してクライアントの意向を確認し、制作物の方向性にズレがないようにしておきます。
2. チームメンバーの選定
実際に制作に参加するメンバーを選定します。デザイナー、プログラマー、コーダー、ライターなど業務に必要なメンバーを選びましょう。チームでの仕事になってくるため、コミュニケーションが取りやすいメンバーであることも重要です。
3. デザインのコンセプト設計
打ち合わせで出た課題や要望をまとめて、デザインの方向性を定めてコンセプト設計をしていきます。「問い合わせにつながることが目的なので、問い合わせボタンの色と配置は目立つようにする」「高級感を出すために色味を抑えて、細身のフォントを使用してスタイリッシュさを出す」など、世界観の方向性をまとめていきます。
4. ディレクションを行う
コンセプトの合意が取れたら制作開始です。コンセプトの方向性から外れていないか、デザインに一貫性があるかなどを確認しながら進めていきます。必要に応じてスタッフに修正の指示を出して、制作スケジュールを管理していきます。
アートディレクターとは
アートディレクターとはアートディレクションを仕事とする人です。クライアントの意向を汲み取り、予定通りにプロジェクトが公開できるようにスケジュール調整していく重要なポジションです。具体的にはプロジェクトの企画からデザイン、チームメンバーの選定、スケジュール管理と進行を担当します。
アートディレクションの対象範囲が広いため、Webデザインが得意な人もいれば、バナーや広告分野が得意な人など、さまざまな人がいます。
関連記事:Webデザインにおけるアートディレクターとは?デザイナーとの違いや仕事内容、必要なスキルを解説
アートディレクターとデザイナーの違い
アートディレクターは前述の通り、企画からデザイン面でのディレクション、納品までのスケジュール管理を行います。一方デザイナーは、アートディレクターの指示のもと、実際にデザインの制作を担います。
このように、アートディレクターは管理する人、デザイナーは実務を行う人という明確な役割の違いがあります。
関連記事:デザイナーとアートディレクターの違いとは?どちらを採用すべきか比較解説
アートディレクターの働き方
アートディレクターの働き方は、その業界やプロジェクトの性質によって大きく異なります。コンセプト開発、チームマネジメント、クライアントとのコミュニケーション、デザインレビュー、スケジュールと予算の管理などを行います。創造力と組織力、コミュニケーションスキルを兼ね揃えている必要があります。
アートディレクターの年収
アートディレクターの平均年収は、2024年2月に 求人ボックス 給料ナビが公開しているデータによると402万円となっています。全体の給与幅としては304〜832万円と比較的広く、大手代理店のアートディレクターでは1,000万を超えることも珍しくありません。
アートディレクターは求められるスキルや経験も高いため、グラフィックデザイナーなど他のクリエイターと並んでも年収が高くなる傾向にあります。
アートディレクションに必要な3つのスキル
アートディレクションで重視されるスキルは以下の3つです。
- デザイン系の知識とスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
1. デザイン系の知識とスキル
アートディレクションに必要なスキルとして、まずはデザイン系の知識とスキルが挙げられます。実務につくデザイナーに的確な指示を出すには、デザインに関する知識がなければできないからです。
クリエイティブの品質を担保するため、デザインがクライアントのニーズをも満たすものとなっているか、一貫性はあるかなどの判断を求められます。このようにアートディレクションをするには、デザインに対する感度の高さやスキルが非常に重要になります。
2. コミュニケーションスキル
アートディレクションを進行していく中で、クライアントをはじめ、チームメンバーと連携して制作物を作り上げていきます。そのため、高いコミュニケーションスキルが求められます。
どんなに高いスキルを持っていたとしても、周囲のスタッフと良い関係を築いていくことができなければ、進行に支障をきたすおそれがあります。スケジュール管理能力も日頃からコミュニケーションができているかで左右されます。
3. マネジメントスキル
チームメンバーを管理・指揮し、スケジュールに遅れなく進行するためにはマネジメントスキルも必要です。社内のメンバーを上手くとりまとめなくては、クライアントの要望に答えるものを作るのは難しいといえるでしょう。マネジメントスキルは実際にチームの一員として関わっていく中で経験として養われていくので、キャリアを積み重ねた人の方が持っている傾向にあります。
アートディレクションを担える人材の採用方法5選
採用方法を5つ紹介します。
- エージェント
- 求人広告
- ダイレクトリクルーティング
- リファラル採用
- ソーシャルリクルーティング
1. エージェント
エージェントから求職者を紹介してもらう採用手法で、採用後に費用が発生するため、先にどのようなデザイナーが在籍しているか確認できる点が魅力的です。有名なサービスとしては、クロスデザイナーやレバテック、マイナビクリエイターなどがあります。
求める人材を紹介してもらえるため、自社で探す手間が省けるだけでなく、ミスマッチが起きにくいのがメリットです。また、エージェントが応募者の確保や面接日程調整をしてくれるので、採用担当者の負荷を低減できます。ただし、他の手法と比べて費用が高くなる傾向にあるので、予算や採用人数を事前に決めてから活用しましょう。
2. 求人広告
求人媒体に費用を払い、求人広告を掲載して応募を待つ手法です。有名なサービスとしてはdoda、マイナビ転職、リクナビNEXTなどがあります。
求職者の多くは求人サイトに登録するため、リーチできる求職者数が多いのがメリットです。しかし、他社との差別化がしにくく掲載企業数も多いため、雇用条件で比較され、応募者数が0になるデメリットもあります。また、掲載できる条件が限られるためミスマッチや採用活動の効率を下げるリスクもあります。
3. ダイレクトリクルーティング
求職者が個人の経歴やスキルを公開し、企業側が求職者個人に直接アプローチする採用手法です。従来の「応募が来るのを待つ」姿勢ではなく、「攻めの採用」とも呼ばれています。有名なサービスとしては、Workshipやビズリーチ、Wantedly、Greenなどがあります。
ターゲットが何を求めているかを把握した上で、自社の魅力を伝えるスカウトを送付することで、ハイクラスな人材から関心を持ってもらえる可能性もあります。
ターゲットを探す手間と、スカウトの文面の創意工夫が必要であり、効果が出るまでには時間がかかるかもしれません。しかしサービス費用は低めな傾向にあるため、採用コストを抑えて、必要な人材のみにアプローチできるメリットがあります。
一方、行動量と試行錯誤が多いため、他の採用と比べて工数が上がります。人材ごとにアピールする内容を変えたり、自社に興味を持ってもらうために魅力を伝え続けることは根気がいる作業です。
4. リファラル採用
社員から人材を紹介してもらう採用手法です。社員とつながりがある場合、入社前に社風や文化を伝えることができるため、ミスマッチが起きにくくなります。入社後の高い定着率も期待できます。
リファラル採用を進めるには、リファラル制度自体を社内に告知したり、紹介報酬を設定したりするなど、多くの人を紹介してもらえる工夫をすることが大切です。
デメリットとしては、必要なときに紹介が生まれるとは限らないことや、紹介された人材の不採用時/トラブル発生時に人間関係が悪化するリスクなどがあります。
5. ソーシャルリクルーティング
X(Twitter)やFacebook、YouTubeなどのSNSを使う採用手法のことで、ダイレクトリクルーティングとの違いは、SNSのみに特化している点です。
SNSの場合は、直接スキルの高い人材に働きかけることができるだけではなく、投稿がシェアされれば自社の認知向上・応募獲得も期待できます。ハッシュタグや検索などで、今までリーチしなかった層にも届けることもできるでしょう。
求職者にとってはSNSを通じて企業と気軽にコミュニケーションがとれることが魅力です。また、企業がSNSを通じて発信する情報は、決まりきった定型文ではなく、親しみを感じやすい内容も多くあります。文化や社風、働く人の雰囲気が伝わり、好感度アップにもつながります。
デメリットとしては、短期的に成果を出すのが難しく、定期的な情報発信が必要なことが挙げられます。また、配慮に欠けた発言で炎上するリスクもあるため、企業の顔としての自覚を持って運用しましょう。
アートディレクションを依頼したいならクロスデザイナーがおすすめ!
アートディレクションの仕事内容について、お伝えしてきました。物も情報も溢れる現代において、ビジュアル面の重要度は増しており、デザインやアートディレクションの注目度も高まっています。
アートディレクターは非常に需要が高い一方で、求められるスキルや経験も高いため、採用は困難と言えます。急いで人材を探している場合には、採用だけでなく、フリーランスデザイナーに外注することも視野に入れてはいかがでしょうか。
コスト面や柔軟性などのメリットもあるフリーランスデザイナーへの外注を考えているのなら、経験豊富な人材が揃っているクロスデザイナーがおすすめです。
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