「サービスの成長に必要なデザイン組織の役割」ウェビナーレポート | フリーランスデザイナー・業務委託採用|クロスデザイナー

「サービスの成長に必要なデザイン組織の役割」ウェビナーレポート

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昨今、商品や差別化の観点から、自社事業にデザインを取り入れる企業は増えています。

サービスや事業が成長すれば必要なデザイナーの人数も増えるため、デザイナーを組織化しようと考える方も多いのではないでしょうか。

一方で、「社員だけで構築すべきか」「育成とどう組み合わせるか」など、悩ましい点も少なくありません。

そこで今回、複数の事業会社でデザイン支援や組織化に携わり、現在はフリーランスとして活躍される玉木様をご招待。クロスデザイナーでデザイン責任者を務める小林と共に、「サービスの成長に必要なデザイン組織の役割」について、パネルディスカッションを行いました。

※この記事はオンラインイベント「サービスの成長に必要なデザイン組織の役割」より、内容を一部抜粋したダイジェスト版レポートとなります。

玉木 絵美子(たまき えみこ)

フリーランス/サービスデザイナー。1984年生。千葉県出身。文化服装学院を卒業後、ファッションデザイナーを経てWeb業界へ転職。 2022年にフリーランスになり、5年で9社のアプリケーションやサービスの新規開発、リニューアルに携わる。 チームビルディングでは、2社でチーム賞を受賞し、人材の育成サポートにも注力している。

小林 新 (こばやし あらた)

株式会社GIG XDesigner事業部 エキスパート/マネージャー。1985年生。埼玉県出身。武蔵野美術大学を卒業後、デザイン会社数社を経て2017年GIGに入社。クリエイティブ事業部長を務めるなどのマネジメント業務と並行し、デジタル領域におけるコミュニケーションデザインやサービスデザインまで様々な顧客のプロジェクトに、デザイナー・アートディレクターで参画。

サービスを成長させるデザイン組織とは?

玉木重要なのは、組織内に「良いデザイン組織とは何か」という共通認識があるか、社内で話し合えているかどうかだと思います。組織のメンバー全員が、同じ方向を向いて仕事に取り組めているかどうかや、求める組織 のビジョンが曖昧なままでは、せっかく優秀なデザイナーが集まっても、その力を最大限に活かすことはできません。

まさに、よくある失敗例として、何となくデザイン組織を作った方がいいんじゃないか? という安易な発想で、組織化を進めてしまうケースがあります。
流行りの手法やサービスに飛びつく前に、まずは「なぜデザイン組織が必要なのか?」「どのような組織を目指したいのか?」を、しっかりと議論する必要があると思います。

逆にビジョンや目的が決まっていると、フリーランスとして参画する際もすごくやりやすいです。

小林デザイン組織について考える際は、あくまでサービスを成長させるための組織である、という点に立ち返るべきだと思います。

その上で大事なのはユーザー志向の部分ですね。UXデザイナーでも、あるいはマーケターでも、どんな職種が集まった組織でも良いですが、ユーザー目線でプロジェクトを考えて改善していけるような組織になっているかが重要です。

玉木最初から全部ができるわけではないと思うので、フリーランスなど外部の専門家の力を借りながら、自社の課題や目指すべき方向性を考えていくことも一手ですね。

デザイナーの教育体制はどうあるべきか?

玉木:ただ手厚い教育体制を整えるだけではなく、デザイナー自身のモチベーションを会社側が上げていけるかという点も重要かなと。

周囲に聞ける人がいなかったり、経験値が不足したまま放置されたりすることを避けるためには、メンター制度やペアワークなど、先輩デザイナーから若手デザイナーへ、ノウハウやスキルを共有できる仕組み作りも大切です。

人に教えることで、教える側自身のスキルや身につく部分も大きいので、インプットして他者に教えることを繰り返せる組織の仕組みを作っていければ理想的だと思います。

小林:そもそも、なぜ教育しないといけないのかに立ち返るべきだと思います。

もちろん、入社後に成長実感がないとすぐに離職につながってしまったり、スパルタだとついてこれなかったりという背景もあります。ただ、最終的には会社の利益や、サービスを成長させるためにもっと活躍してほしい人材が必要だから教育するものかなと。

ですので、ただ教育・育成するのではなく、企業のサービスや事業内容・組織としてのビジョンから逆算して、どのように育成していくべきかを明確にする必要があります。

ー実際にはどのような教育体制を構築していけば良いのでしょうか?

小林:デザイナーに必要なスキルは多種多様なのですが、まず始めに「綺麗にレイアウトを組める」「綺麗に文字組みができる」「色合いを考えられる」など基礎のデザイン力が備わったデザイナーで揃っていることは大事だと思います。

玉木:「誰から教わるか」もとても重要だと思います。

一般的にはマネージャーが育成するということも多いと思いますが、必ずしもその上長が教えられるとは限らないですよね。組織の形にこだわりすぎず、その目的に対して一番成果を出している人から教わると、成長スピードも早くなると思います。

AI時代におけるデザイナーの役割と求められるスキル

玉木:単調な仕事をやるようなデザイナーはますます需要が減っていくと思います。デザインだけでなくビジネス全体を読み解いて、提案したりアウトプットの形にして出したりできるデザイナーがより重宝されていくのかなと。

ただ作業をするデザイナーとは大きく差がついてくると思いますね。

小林:デザインにおけるリサーチの部分も、AIを使う人が増えてきています。そう考えると、作業的なところがどんどん圧縮・簡略化されていく中で、意思決定やディレクションができる人材にどんどん価値が集約されていくと思います。

デザイン組織構築の成功に向けて

小林:まだまだ「デザイン組織」と呼べる形の組織は多くないと思うので、まずは本来のあるべき姿を目指していくことが重要だと思います。

経営戦略にデザインを取り込む、ユーザー中心の視点を組織で持つなど、一個一個改善して良くしていくことが、最終的にデザイン組織に繋がっていくのではないでしょうか。

玉木:大事なのは、やはり目的ですよね。「自社のデザイン組織はどうなりたいのか」というのが一番重要だと思いますが、それが少しでもわかった時点で、同じような目的で上手く回っている企業があれば、そこをモデリングしたらいいと思います。

自分たちだけで考えて何とかするよりかは、上手くいっている事例の真似から始めて、どんどんオリジナリティをつけていけば、その企業オリジナルの素敵なデザイン組織になると思いますね。

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クロスデザイナー編集部

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