サービスサイトは、商品やサービスの紹介に特化したWebサイトのことで、お問い合わせや購入などCVまでスムーズにつなげやすい特色があります。特に、BtoBマーケティングに重要で、やや複雑なサービスの内容や効果についても、Webサイトを制作することでより効果的な訴求が可能です。
そこで本記事では、コーポレートサイトとの違いや制作のポイントなどについて解説します。
サービスサイトとは?コーポレートサイトとの違いや事例を紹介
サービスサイトは、特定の商品・サービスに特化したWebサイトです。コーポレートサイトでは紹介しきれない商品の詳細情報や、購入できる機能、登録ができる機能などを持っています。
コーポレートサイト・ブランドサイト・LPとの違い
サービスサイトは他のWebサイトとどう違うのか、目的・用途やターゲットなどの違いから解説します。それぞれの違いをサイト別に一覧化した表が以下です。
サイトの種類 | 定義 |
目的・用途 |
ターゲット |
必要な項目 |
サービスサイト |
特定の商品・サービスを紹介するWebサイト |
・集客
・サービス理解 ・購入につなげる |
・見込み顧客
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コーポレートサイト |
企業の基本情報を掲載するWebサイト(ホームページ) |
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など |
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ブランドサイト |
特定のブランドや製品・サービスを紹介するためのサイト |
・ブランドの魅力や良いイメージを伝える ・ユーザーに興味・関心を持ってもらう |
・見込み顧客 ・リピーター(愛用者)などの一般消費者
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LP |
申込みや問い合わせなどのアクションを誘導するための商品・サービスを紹介した1ページ完結型のWebページ |
・購入やお問い合わせ、資料請求など何らかのアクション(CV)をとってもらうこと ・CVRの最大化 |
・見込み顧客 ・リピーターなど一般消費者・法人顧客 |
|
サービスサイトは主にBtoBの見込み顧客がターゲットです。コーポレートサイトでも商品・サービス情報は掲載していますが、より詳細な情報を落とし込み、会員登録や購入までができるようになっているのが大きな違いです。
コーポレートサイトでは、企業理念や採用情報、IR情報など会社として信頼できる情報を盛り込む必要があるため、サービスサイトのように商品・サービスの情報を詳しく掲載できない場合があります。
サービスサイトとブランドサイトとの大きな違いは、後者が一般消費者向け(BtoC)に作られているということです。代表的なブランドサイトには、Appleの公式Webサイトがありますが、主に法人顧客向け(BtoB)に作られたサービスサイトと比べると使用するシーンや使う人に焦点が当てられ、サイト上でブランドイメージを創出する点が大きく異なります。
一方、ランディングページ(LP)もまた特定の商品・サービスをアピールし、購入につなげる目的があります。しかし、サービスサイトではLPのように単一ページとは限らず、複数の下層ページをあわせもった構成が多くなっています。
LPがWeb広告と組み合わせて運用するのに対し、サービスサイトでは一般的なWebサイトと同様、SEO対策が可能なため、ブログページを記載して集客につなげるという活用の仕方が多いです。
目的は集客・リード獲得
サービスサイトの目的は、集客やリード獲得にあります。コンテンツを増やして、自然検索ユーザーからの流入者数を増やすことが可能です。
サービスに関連した内容のキーワードを盛り込んで、検索ユーザーに見つけられるよう、SEO対策をしておきましょう。
サービスサイトの事例
サービスサイトの事例として、ビジネスチャットツール「Chatwork」をご紹介します。
運用元のコーポレートサイトは別に存在しており、Chatworkの運営企業kubellのホームページでは、企業情報や事業内容、IR情報などを掲載しています。上記のサービスサイトでは、Chatworkの製品情報や機能、料金プランなど製品を利用するための情報に特化した内容となっているところに違いがあります。
このほか、フリー株式会社が運営するfreeeなどコーポレートサイトとは別にサービス情報に特化したサービスサイトを持つ企業は多くあります。
関連記事:売上獲得に効果的なサービスサイトの参考事例10選!BtoBに適した制作のポイントも紹介
サービスサイトが必要なケースとは?コーポレートサイトと分ける事例と統合する事例
ただ、必ずしもサービスサイトを設けている企業ばかりではありません。サービスサイトが必要ないケースもあり、コーポレートサイトと分けて制作する必要がある場合について解説します。
サービスサイトを必要とするケースは次のようになっています。
- サービスの種類が多い・サービスを紹介する情報量が多い
- 集客に特化したWebサイトをつくりたい
- サービスによってターゲットが異なる
順に解説します。
サービスの種類が多い・サービスを紹介する情報量が多い
まず、サービスの種類が多い場合です。製品・サービスが複数存在しており、コーポレートサイト内で紹介しきれない場合に、別にサービスを紹介することに特化したWebサイトを作ると良いでしょう。
たとえば、クラウドサービスの「freee」には、会計や申告、工数管理などバックオフィスをサポートできるさまざまなアプリがあり、さらに法人か個人事業主かによってもサービスが大きく分かれます。
そうした場合には「freee会計」「freee人事労務」など特化したサイトを作ったほうが、freee全体についてはもちろん、各機能についても詳しく紹介することができるため、ユーザーにとってもわかりやすくなり、訴求しやすくなります。
またサービスの紹介で、機能や用途など盛り込む情報が多い場合には、特化したサイトで紹介から登録までをサイト内で完結できるようにすれば、効率的です。
たとえば、職場の工数管理アプリ「kintone」。
用途や機能などを紹介するためには、部署別の活用法や事例など、さまざまな情報が必要になります。
コーポレートサイト内にあると非常に煩雑になってしまいますが、サービスサイトがあればサイト内で必要な情報をしっかり記載できます。
集客に特化したWebサイトをつくりたい
集客を目的とするWebサイトを作りたい場合にも有効です。
企業名とサービス名が異なる場合、特にBtoBサービスである場合にはサービスサイトがあるとより効果的に訴求できます。
サービスによってターゲットが異なる
会社で持つサービスによってターゲットが異なる場合には、サービスサイトを別に作ったほうがより効果的な訴求が可能です。
たとえば、NTTコミュニケーションズが提供する「まなびポケット」。インターネット上で学習ができる「クラウド型教育プラットフォーム」サービスですが、NTTは電話やデータセンターなどさまざまなサービスを展開しているため、ターゲットが大きく異なり、整理が必要です。
サービスサイトが必要ないケース
反対に、次のような場合にはサービスサイトを分けて作るよりは、コーポレートサイト内で完結させたほうが良いでしょう。
- 自社の認知度を高めたい
- 制作費をあまり掛けたくない
- サイトリリース後の管理リソースが十分ではない
自社の認知度が低く、製品自体のPRよりも製品を通して自社を知ってもらいたいと考える場合にはサービスサイトをあえて作る必要はありません。自社のコーポレートサイトを使って製品の紹介をし、自社のブランディングとつなげるようにしていくと良いでしょう。
サービスサイトに必要な情報・構成とは
サービスサイトに必要な情報・構成は、製品や企業などによって異なるものの、おおむね次の7点が挙げられます。
- サービス・商品のスペック(機能)製品比較
- 価格・料金プラン
- 資料請求・問い合わせフォーム
- 導入事例
- FAQ
- 会社概要
- オウンドメディア
これらを下層ページに配置するなどして、トップページはターゲットの属性に合わせたデザインとニーズに沿ったコピーとCTAで訴求し、見やすくわかりやすい構成を心がけましょう。順に解説します。
サービス・商品の概要・機能・製品比較
まず、最も重要なのはサービスや商品の概要や機能といった基本的な情報を掲載することです。そのサービスは、どんなことができるのか、どんな機能があるのかをわかりやすく記載します。
たとえば、ビジネスチャットアプリ「Chatwork」のサービスサイトでは、チャットやタスク管理などChatworkの4つの機能をテキストとイラストで開設しています。
価格・料金プラン
商品の基本情報とともに必要なのが、価格・料金プランです。
料金プラン・料金体系や支払い方法は、伝わり方がズレるとトラブルの原因にもなります。整理して記載しましょう。
資料請求・問い合わせフォーム
資料請求やお問い合わせフォームなどのページも必須です。サービスサイトを訪問したユーザーが目的に合わせて行動できるページを必ず入れるとともに、ユーザーが訪れやすいようCTAを固定表示しておきましょう。
導入事例
サービスのメリットがわかる「導入事例」のページも、商品の内容に合わせて配置しておきます。ユーザーがサービスの導入を検討している際に、自分たちと同じような立場の事例を提示しておくと、背中を押してあげることができます。
導入事例は、なるべく実際の企業名と顧客へのインタビューを通して紹介するのが効果的です。インタビューにより、サービス導入のきっかけや、役に立ったエピソードなどを引き出して記事にまとめましょう。
FAQ
「よくある質問」などで知られるFAQも重要な要素です。Q&A形式で設置し、購入にあたっての不安や疑問点などを解消できるようにしましょう。
FAQ配置のしかたは、ページの下部に置くパターンもあれば、下層ページにあえて独立して設置するパターンとそれぞれです。サービスの特性に合わせて、質問やページをカテゴリ分けして、ユーザーがストレスなく疑問点を解消しやすい構成にしましょう。
会社概要
商品・サービスを提供する運営元がどういう会社なのかといった情報も必須です。
会社概要は、会社名や所在地、代表者名や資本金など会社としての信用を得るために必要な情報を必ず記載しておきましょう。
オウンドメディア
サービスサイトでは、SEO対策も可能です。SEO記事やインタビュー記事などを配置しておくと、検索ユーザーとの接点を増やし、商品への理解を深めてもらえます。
自社のサービスをターゲットユーザーにより深く知ってもらうために、記事や動画などサービスに合わせたコンテンツを投入し、ユーザーへの効果的な訴求につなげましょう。
サービスサイト制作のポイント
サービスサイト制作のポイントは次の3つです。
- 潜在ニーズと顕在ニーズのどちらにも対応する
- 流入経路を確保する
- SNSでシェアされる仕組みを作る
潜在ニーズと顕在ニーズのどちらにも対応する
ユーザーの中には、ニーズ(悩み)が具体化されていない潜在的な層と具体的なニーズを持つ層とがいます。サービスサイトでは、潜在ニーズを持つユーザーと顕在ニーズを持つユーザーのどちらにも伝わるように記載しましょう。
たとえば、顕在ニーズを持つ層には明確なベネフィットを提示し、潜在ニーズのユーザー層にはニーズ(悩み)をいくつか提示して、それらを認識してもらえるようにします。どちらの層にも訴求できるような文言やデザインなどを意識して配置すると良いでしょう。
流入経路を確保する
サービスサイトを作っても見てもらわなければ意味がありません。サイトへの流入経路を作っておきましょう。
流入経路としては、自然検索、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンでのWeb広告の掲載、SNSの自然検索やSNS広告などがあります。SEO記事を掲載し、自然検索からの流入者を増やせば、広告費を掛けずに、検索ニーズに合わせた顧客獲得につなげられます。
SNSでシェアされる仕組みを作る
流入者数を増やす対策として、SNSによる拡散も大きな効果を持ちます。GoogleやYahoo!などの自然検索によるSEO対策だけでなく、X(旧Twitter)やInstagramなどでシェアされやすい仕組み作りも同時に取り組んでおくと、流入のチャネルが増えて効果的です。
サービスサイト制作の依頼先3つとその特徴
サービスサイト制作の依頼先には次の3つがあり、それぞれの特徴は次のようになっています。
依頼先 |
メリット |
デメリット |
内製 |
・密なコミュニケーションが取りやすい ・一定の事業理解が既にあるため、コミュニケーションコストが掛かりにくい |
・社外視点に弱い ・コア事業が手薄になるリスクがある ・教育・採用・運用のコストが掛かる |
制作会社 |
・一定のクオリティを期待できる ・サイト制作以外のプロモーションも期待できる |
・費用が割高になる ・時間コストが掛かる |
フリーランス |
・費用を大幅に抑えられる ・スピーディーで柔軟な対応が可能 |
・スキルにばらつきがあるため、選定を慎重に行う必要がある ・納期遅延や廃業のリスクがある |
内製
サイト制作が可能なリソースを社内で確保できるなら、内製も可能です。また、新たに人材を雇用して、依頼することも一つです。
内製の場合は、一定の事業理解がすでにある状態で依頼できるため、コミュニケーションコストを省けることがメリットです。一方で社外視点に弱く、ターゲットへの訴求に対して効果的なアイデアが得られにくい可能性があります。また採用の場合には、教育や採用、運用のコストが掛かるため、継続的な事業として行う以外は外注したほうが効率的です。
制作会社
サイト制作が可能な会社に外注する方法も一つです。
一定のクオリティが期待でき、広告運用やSEO対策などサイトリリース後に必要なサポートも依頼することができるのがメリットです。ただし、その分費用が割高になることや、制作期間が長くなることがデメリットとしてあります。
フリーランス
フリーランスのWebデザイナーに依頼するという方法もあります。Webデザインやコーディングなどサイト制作のスキルとともに、マーケティングの知見もある程度持っているとよりスムーズです。
制作会社と同じような依頼内容であっても、個人に依頼すれば半額以下に抑えられることや、納期や依頼内容の変更に対してスピーディーで柔軟な対応も期待できます。
ただ、フリーランスは、スキルにばらつきがあり、得意分野もさまざまです。また個人で請け負うため、病気やけがなどの際には代わりとなる人がおらず、納期遅延や廃業のリスクがあることも念頭に置いておく必要があります。
以下では、フリーランスにデザイン外注した場合とデザイナーを採用した場合のコスト比較をしています。無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
サービスサイト制作の依頼先選定のポイント
サービスサイト制作の依頼先選定のポイントは次の3つです。
- 実績
- マーケティングの知見
- コスト
実績
まず、サイト制作の実績を確認しておきましょう。これまでにどんなサービスサイトを制作したことがあるのか、どんな業種やサービスが多いのかを見ておきます。
また、どんなことを得意とするのか、どんなデザインやどんなことが可能なのかを把握し、依頼したい内容に近いかどうかを確認します。
マーケティングの知見
サービスサイト制作では、マーケティングの知見があるかどうかも重要なポイントです。サービスサイトは作って終わりではなく、サイトリリース後の集客が非常に重要だからです。
SEO対策やSNS集客に対しても一定の知見やノウハウがあるデザイナーに依頼すれば、より効果的なサイトにつながります。
コスト
コストは金銭的な費用だけを想定してしまいがちですが、コミュニケーションコストや時間・工数などさまざまなコストがあります。よりスムーズにコミュニケーションでき、よりスピーディーに制作できるパートナーを選ぶとより良いサイト制作につなげられます。
費用コストを大きく抑え、スピーディーに制作するにはフリーランスに依頼するのがおすすめです。
サービスサイトを依頼するならクロスデザイナーがおすすめ
本記事では、サービスサイトとはどういうものか、どういう際に必要なのかについてや、制作のポイントなどについて解説してきました。また、サービスサイト制作の依頼先や選定のポイントについても紹介しています。
サービスサイト制作を依頼する場合には、費用を大きく抑えられるフリーランスデザイナーに外注するのがおすすめです。フリーランスに依頼する際には、ハイスキルな人材を持つエージェントサービスを活用すれば、スキル未達や納期遅延などフリーランスに依頼するリスクを最小限に抑えやすく安心で、なおかつコストを抑えるというメリットも生かせます。
厳正な審査を通過したデザイナー7,000人以上が在籍するクロスデザイナーに依頼すれば、最短即日で自社にマッチした人材を提案することも可能です。双方で合意があれば、社員への採用もでき、事業の状況に応じて、採用形態を柔軟に変えることもできます。
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