LP制作を依頼する前に流れを押さえておけば、よりスムーズです。依頼前に必要なことを準備しておくことで、より早く、より成果の高いLPを期待できます。
そこで本記事では、LP制作の流れと効果を上げるポイント、依頼先の選び方などについて解説します。
LP制作の流れ
LP制作の流れは次の通りです。
- LP制作の目的を決める
- ターゲット・ペルソナを決める
- LPの構成を設計する
- LPのコピー(原稿)を作成する
- LPのデザインを作成する
- コーディング(実装)する
- 公開・効果測定する
順に解説します。
関連記事:ランディングページ(LP)の作り方の手順や成果を出すポイント、参考サイトなどを徹底解説
LP制作の目的を決める
まず、LP制作の目的を決めましょう。
- 会員登録者数を増やす
- 購入者を増やす
- 商品を知ってもらう
- キャンペーンに参加してもらう
などLPを通じてターゲットユーザーにどうしてほしいのか、コンバージョン(CV)の内容を明確にします。
LPの目的はCVを高めること、CVR(コンバージョン率)の最大化です。そもそもの目的を決めなければ、構成やデザインの方向性が決まりません。事業課題に合わせて、まずは目的を明確化しましょう。
ターゲット・ペルソナを決める
LP制作の目的が決まれば、誰に届けたいのか、ターゲット層を設定しましょう。30代女性接客業などといった年代や職業、性別などターゲット属性を決めたら、より詳細なペルソナ像をアンケート調査などから想定します。
ペルソナは、名前、家族構成、職業、ライフスタイルなどを細かく定め、彼らが商材と接点(タッチポイント)を持つ状況として、どういった場面にあるのかを探ります。どんな悩み(ニーズ)を持っていて、どんなライフシーンの中で商材を知り、検討し、購入に至るのか、カスタマージャーニーマップを作成するなどして明確化します。
関連記事:カスタマージャーニーマップの作り方4ステップ|作成するメリットや注意点、成功事例も紹介
LPの構成を設計する
ペルソナと商材とのタッチポイントを提示したら、そのストーリーにもとづいてLPの構成を設計します。
LPでは、次のように基本的な構成があります。
- ファーストビューで惹きつける
- 共感を示す・興味関心を惹きつける
- エビデンスを提示して信頼性を獲得する
- 不安を解消する・後押しをする
- クロージング
また、こうした構成にもとづいて、デザインの設計図「ワイヤーフレーム」を作成します。ワイヤーフレームとは、線と白・黒・グレーの配色のみで作られるデザイン性のない図で、どこに何を配置するのか、何を優先順位とするのかといった情報を入れるものです。
関連記事:ワイヤーフレームの作り方|目的と注意点、おすすめツールを徹底解説
LPのコピーを作成する
構成が決まれば、LPのコピー(原稿・本文)を作成します。LPでは、コピーも非常に重要な要素です。
コピーは、冒頭の「キャッチコピー」と商品やサービスの詳細を伝える「ボディコピー」があります。ペルソナの悩みをもとに内容を構成し、言葉遣いや悩んでいること、共感などにはしっかり練って作成しましょう。
LPのデザインを作成する
コピーや構成をもとにデザインを作成します。配色やレイアウトの原則にもとづいたうえで、ペルソナを惹きつける色やテイスト、フォントなどを用いて制作します。
デザイン制作の際には次の点を意識しましょう。
- 写真やイラストを効果的に使う
- ユーザーの視線誘導を意識する
- フォントサイズを変えてメリハリを付ける
コーディング(実装)する
デザインが決定したら、Webページとして実装します。HTML、CSS、JavaScriptといったマークアップ言語を用いてコードを入力させることで、表示させます。
コーディング後は、PC・タブレット・スマートフォン、それぞれのデバイスで正しく表示されているかどうかを確認し、そうでなければ修正します。デバッグ作業を経て、問題なければいよいよ公開です。
公開・効果測定する
LPを公開後は、実際に効果があるかどうかも測定します。リスティング広告やSNS広告などでLPを運用し、訪問後の反応を確認します。
定期的に数字を確認し、改善のための施策を立案します。このように、CVRを最大化させるためのPDCAを継続して回すことが重要です。
LPの基本的な構成要素
LPの基本的な構成要素と流れは次のようになっています。
- ファーストビューで惹きつける
- 共感を示す・興味関心を惹きつける
- エビデンスを提示して信頼性を獲得する
- 不安を解消する・後押しをする
- クロージング
ファーストビューで惹きつける
ファーストビューとは、ユーザーがLPに遷移した際に一番最初に目にする部分です。ユーザーはファーストビューを目にした一瞬でそのWebページに離脱するか留まるかを判断すると言われています。
そのためファーストビューでは、次の3点に注意しましょう。
- キャッチコピー:誰のどんな課題を解決するのか、どんな未来を提示するのか、解決のための手段は明確か(数字などを使って具体的にする)
- アイキャッチ(メイン画像):キャッチコピーと整合性のある素材にする
- CTA:目を引く位置・カラーにする、ボタンは1つに絞ってユーザーが迷わないようにする
メイン画像では、ユーザーの悩みを解決した後の明るい未来を提示できるようなものだと、良い印象を与えやすく効果的です。
関連記事:効果的なCTAボタンのデザインは?意識すべきポイントや効果的な配置場所を解説
共感を示す・興味関心を惹きつける
ファーストビューで興味を持ってもらったユーザーが次のアクションに進むかどうかを決める重要な要素です。先述したキャッチコピーで惹きつけ、次のボディコピーでユーザーに共感を示しながら、商材のベネフィット(有益性)を明確に伝えます。
商材を使うことで、具体的にどんな変化があり、問題や課題をどう解決できるのかを明確に提示します。
興味関心を惹きつけるポイントは、ユーザーの悩みを踏まえ、共感しながらも、何を求め、どんな疑問を持っているのかを的確にとらえることです。求めていることを解決できる情報を提供しましょう。
エビデンスを提示して信頼性を獲得する
さらに商材の有益性を証明する「エビデンス(証拠となる数値・実証結果など)」を提示して信頼性を獲得することが重要です。
信頼性を獲得するには専門性・実績の2つを意識しましょう。
自社が商材の分野において専門性を持っていること、専門家が開発に携わっていることなども掲載するとより説得力が増します。
また、商材を使用したことで使用前とどう変わったのか、どんな効果があったのか、どんな実績につながっているのかを数値を使って具体的に提示します。
たとえば、美容商材の場合には次のようになります。
使用後:素肌が明るくなり、張りのある状態に
どんな未来があるか:すっぴんでも見せたくなるような肌になる
さらに、他の顧客からの肯定的な評価(利用者の声)や専門家・著名人からの推薦なども掲載して、より信頼性を持てる情報を提示します。
利用者の声では、ただ良かったというだけでなく、肌の水分量が〇%アップしたなど具体的な数値をもってどう改善したのかなどの情報も盛り込むとより信頼性が増すでしょう。専門家や著名人からの推薦でも、具体的な数値を意識して商材の効果を伝えると良いです。
ただし、虚偽の内容やデータを記載することはもちろんNGです。
不安を解消する・後押しをする
ここまで読んでもらえれば、ユーザーはある程度説得性を持って受け入れてもらえたものの、使用にあたっての不安は多少残っています。
- 料金は高くないか
- 購入すると半年以上のサブスク支払いといった縛りはないか
- 自分には合わないのではないか
競合他社との料金やサービス内容を比較して提示したり、「よくある質問」としてユーザーのさまざまな疑問に対してQ&A方式でわかりやすく記載したりします。
クロージング
最後まで読み進めてくれたユーザーにスムーズにCVしてもらえるよう、わかりやすく、見やすい位置・配色にCTAを配置します。
また、CTAボタンを押した先のエントリーフォームで離脱することがないよう、入力しやすく、入力は少なくて済むような設計にしておくと良いです。また、エラーが出やすい箇所は、あらかじめわかりやすく目立たせておきましょう。
LP制作の効果を上げるポイント
LP制作の効果を上げるポイントは次の6点です。
- レスポンシブ対応にする
- ユーザーのニーズに沿ったコピーにする
- 広告文とLPランディングページの情報にずれや被りがない
- 公開後も改善を続ける
- 表示速度を最適化する
- 申込フォームを最適化する
レスポンシブ対応にする
モバイル表示にも最適化できる「レスポンシブ対応」にしておきましょう。
総務省の「令和4年通信利用動向調査」によると、「個人のインターネット利用機器は、スマートフォンがパソコンを上回り、20〜59歳の各年齢階層で約9割が利用している」という結果が出ています。
また、モバイルユーザーに合わせたデザインであるほど、検索エンジンから高く評価される傾向があり、検索時にも表示されやすくなります。
ユーザーのニーズに沿ったコピーにする
ユーザーの悩みを理解し、どう解決できるのか、解決することによってどんな状態が得られるのかを明確に伝えることが重要です。決して自社の商材をPRするだけではなく、ユーザーの悩みを解決することに寄り添ったコピーにしましょう。
広告文とLPの情報にズレや被りがない
広告文とLPの情報にズレや被りがあると、せっかくリスティング広告を配信しても検索エンジンから評価されず、掲載されない可能性もあります。また、広告文とズレがあるとユーザーがLPをクリック後に違うページにきたと勘違いし、離脱してしまうおそれもあります。
広告文とLPの情報は必ず一致させ、スムーズな遷移につなげましょう。
公開後も改善を続ける
LPは公開後の検証・改善が重要です。複数パターンのデザインを入れて、良い反応が得られたほうを活用する「ABテスト」を実施して改善を図ると良いでしょう。
関連記事:ABテストの実施方法とサイト改善のメリット、注意点やおすすめのツールも解説
ABテストでは、CTAのデザインやキャッチコピーの文言、フォームの改善などさまざまな検証項目があります。現状課題を分析し、仮説を立てて改善施策を策定し、仮説にもとづいて改善し、また検証するというPDCAを回して、CVRを最大化していきましょう。
関連記事:ランディングページ(LP)の改善方法(LPO)|チェックポイントや便利なツールも解説
表示速度を最適化する
表示速度が遅いと、どんなに良い内容・デザインのLPであってもユーザーはページを見ないうちに離脱してしまう要素となってしまいます。表示速度はGoogleアナリティクスなど無料ツールを使って測定できます。
モバイル端末で3秒以上読み込みにかかってしまうと、53%の訪問者が離脱するとも言われています。表示速度は遅くならないよう、最適化しておきましょう。
申込フォームを最適化する
申込フォームの入力がしにくいと離脱の原因にもなってしまいます。次の3点を意識しましょう。
- シンプルでわかりやすいフォーム
- 簡単に情報を入力できる
- 入力する手間が省けるようになっている(郵便番号を入力するだけで住所表示されるなど)
プライバシーポリシーへのリンクも含めて記載しておくことで信頼性の獲得につながります。
LPの依頼先3つ
LP制作の依頼先として次の3つがあります。
- 自社(内製)
- 制作会社
- フリーランス
自社(内製)
まず、自社で制作するという方法です。
内製すると、社内にLP制作のノウハウが蓄積されます。どんなデザインや構成、コピーなどが売れやすいのか、離脱が起きやすいのかといった情報を社内で共有でき、今後のLP制作にも引き継いでいけます。
しかし、一方でノウハウが蓄積されるまでに時間が掛かり、採用コストや教育コストなどさまざまなコストが掛かります。さらにミスマッチや早期離職などのリスクもあるため、継続的な事業でなければ外注する方がおすすめです。
制作会社
外注先として、制作会社に依頼するのも一つです。
制作会社に依頼すれば、クオリティの高いLP制作が期待できます。また、LP制作だけでなく広告運用やLP改善などのサポートにも対応しており、費用対効果を高めることもできるでしょう。
一方でLP制作において企画・戦略設計の部分から携わるため、制作期間が長期化しやすく、短納期には対応しにくいでしょう。さらに、広告運用なども依頼すれば、もちろん制作期間や費用もプラスされるため、それだけの費用を投下できるかどうかの判断も必要になってきます。
関連記事:LP制作を依頼すべき14社を比較|選び方や費用相場も解説
フリーランス
外注先として、フリーランスに依頼するという方法もあります。
フリーランスに依頼することで費用を大幅に抑えることができます。同じような依頼内容やデザイン・クオリティであったとしても、制作会社に依頼する場合は2倍以上の費用が掛かります。
デザインのみ、コーディングのみといった部分的な依頼もでき、納期の変更やスピーディーな対応など柔軟な対応が期待できます。
一方でフリーランスはスキルレベルに個人差があることから、選定は慎重に行ったほうが良いでしょう。初めての外注の場合には特に選定が難しいですが、エージェントサービスを活用することで自社に合った優秀なフリーランスを紹介してもらうことができます。
関連記事:LP制作をハイスキルなフリーランスに依頼するには?制作会社とも比較して紹介
下記では、デザインをフリーランスに外注した場合とデザイナー採用の場合のコスト比較をしています。3つの依頼先として、フリーランスに依頼する場合が最もコストを抑えることができるため、費用を抑えてスピーディーに進めたい場合にぜひご活用ください。
LPの依頼先を選ぶポイント
LPの依頼先を選ぶポイントは次の3つです。
- LPの制作実績
- 広告運用・改善業務まで依頼が可能か
- 費用公開後の改善に対応できるか
LPの制作実績
依頼先選定の基準として、まずLPの制作実績を確認しましょう。実績が豊富であるか、どんなLPデザインなのかといったことはもちろん、自社と同じ業種・業界があるかどうかも重要です。
広告運用・改善業務まで依頼が可能か
広告運用・改善といったLP制作の関連業務までの依頼が可能かどうかも大きなポイントです。LPは作って終わりではなく、公開後の改善・検証のPDCAを回していくことが非常に重要だからです。
費用
依頼先選定には、費用対効果の視点も重要です。LP制作、さらには広告運用なども依頼しようとすると、それなりの費用を投資することになります。
どれだけの効果を得られるのか、自社にとってもノウハウの蓄積につながっていくのかなども選定の要素として確認しましょう。
LP制作ならクロスデザイナーにご依頼ください
本記事では、LP制作の流れについて企画から公開・測定までの全体の手順や構成要素、LP制作の効果を上げるポイントなどについて解説してきました。
LP制作を依頼先として、自社、制作会社、フリーランスの3つがありますが、フリーランスが最もコストを抑えられます。ただ、フリーランスはスキルレベルに個人差があるため、選定を慎重に行う必要があります。
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