ブランディングに関わるロゴマークや名刺、チラシやパンフレットといった販促物を作る際に欠かせないのがグラフィックデザインです。
しかし、「グラフィックデザインを依頼したいけど相場が分からない」と悩む担当者は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、グラフィックデザインを外注する際の料金相場を項目別と制作物別で解説します。また、費用を抑えるコツや失敗しないためのポイントも紹介します。費用の見積もりや予算の設定にぜひ参考にしてください。
【項目別】グラフィックデザイン費用相場
グラフィックデザインにかかる費用は主に6つの項目に分けられます。
以下で制作費用の内訳を紹介します。
- プランニング費用
- ディレクション費用
- デザイン制作費用
- 修正費用
- 印刷費用
- その他費用
1. プランニング費用
プランニング費用とは、クライアントとの打ち合わせやヒアリングを通じて、デザインのコンセプトや構成について企画内容をまとめる際に発生する費用です。企画段階における人件費とも言えます。
相場は1〜10万円前後とされています。総制作費の10〜20%としている会社もあり、事前に確認が必要です。ただし、名刺やショップカードといった単価の低い制作物の場合は、デザイン費用に含まれることもあります。
競合他社のリサーチも依頼した場合は、プランニング費用が高額になる傾向があります。依頼内容は事前に社内でまとめておくことで、どこまでが基本料金内で対応できる範囲か確認できるため、予算が組みやすくなります。
2. ディレクション費用
ディレクション費用とは、デザイン制作の進行や管理に関わる費用のことです。相場は総制作費の10〜20%とされています。
プロジェクトの進行と管理を行うディレクターに関する費用ですが、広告代理店に依頼した際に発生するケースが多いです。一般的には、ディレクション費用はプランニング費用に含まれています。
3. デザイン制作費用
デザイン制作費用の相場は5,000円から10万円前後となっています。
制作物の種類やサイズなどによってかなりの幅があります。名刺は数千円〜1万円で収まることが多く、ポスターなどの大判デザインになると10万円ほどかかります。どの程度作り込むかによっても費用は変わるため、当初のコンセプトや構成次第とも言えるでしょう。また、写真撮影やイラスト制作、キャッチコピーの作成などは別で費用が発生する場合もあります。
4. 修正費用
修正費用の相場は、デザイン制作費用の20〜40%となります。
ただし、修正費用は制作会社によって捉え方が異なります。少しの修正であれば無償の場合や、1〜2回分の修正費用を含めてデザイン制作費用としてる会社もあります。修正費用に関する取り決めも事前に確認しましょう。
いずれにせよ、大幅修正の場合は修正費用が発生します。納期も伸びてしまうため、最初の企画段階でイメージを詰めることは非常に重要です。
5. 印刷費用
印刷する際にかかる費用です。サイズ、カラー/モノクロ、加工の有無によって大きく金額が変わります。デザイン会社、もしくは印刷会社に支払います。
印刷費用は、名刺サイズであれば片面カラーで1部10円程度、チラシはA4サイズ(100〜300部)で1部20円です。A1サイズの大判ポスターなら1部150円前後となります。
用紙の種類やサイズ、特殊カラーの使用などによって料金が変動します。また、一度に大量に印刷する場合は1部あたりの単価が下がります。詳細を知りたい場合は、案件ごとに詳細を出してもらいましょう。
6. その他費用
上記の費用の他に、撮影費やコピーライティング制作費などが依頼内容によって発生します。
主な費用は以下の通りです。
- 有料の商用フォント
- 画像素材
- 撮影
- コピーライティング
- 二次使用費
有料の商用フォントは、利用点数や制作期間に応じた金額が上乗せされます。画像素材は一点につき約1,000円前後から購入可能です。
キャッチコピー制作費用は3万円から、取材・撮影が入る場合は1日あたり3万円から8万円前後の追加費用が発生します。
中でも気をつけないといけないのは二次使用費です。パンフレットなどで使っていたイラストをWebサイトでも使用したい場合は、制作会社に二次使用費を支払わなければなりません。二次使用の際は、制作会社に確認を取りましょう。
フリーランスのグラフィックデザイナーと契約する際には、契約書の作成が必須に。以下の資料では業務委託契約に必要な4つのテンプレートをまとめて紹介しています。
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【制作物別】グラフィックデザイン費用相場
一般的な制作物別に費用相場を紹介します。
- ロゴ
- チラシ(フライヤー)
- パンフレット
- ポスター
- 名刺(ショップカード)
- パッケージ
- Webサイト
1. ロゴ
ロゴデザインの一般的な相場は10〜30万円前後となっています。デザイン費用が高額なため、修正に関する費用も高めになる可能性があります。余裕をもった予算確保を意識しましょう。
ロゴは企業の顔ともいえる部分です。クライアントの意向をしっかりと捉えて反映するために、複数回に渡る打ち合わせになることもあります。また、拡大・縮小した際の縦横比などの微調整が必要なため、制作費用は高額になることがあります。
ロゴデザインは二次利用されることが多いため、通常はロイヤリティ(特許・商標権・著作権などの使用料)があらかじめ料金に含まれているケースがほとんどです。
フリーランスに依頼する場合は、1,000円〜15万円前後が相場と言われています。中間金額は大体2万円〜3万円ですが、クオリティーの担保や著作権侵害などの確認方法について、事前に確認することが必要です。
2. チラシ(フライヤー)
チラシ(フライヤー)はサイズや片面/両面によって変動しますが、4万円から12万円前後が一般的な相場です。一般的なサイズであるA4、B5のチラシ(フライヤー)の制作だと、片面フルカラーで4万円から始まり、両面フルカラーで7万円〜12万円となります。
チラシには1枚に店舗の集客や販売促進の情報を詰め込むために、全体におけるテキストの割合が大きくなります。そのため、モノクロよりフルカラーの方が情報が判別しやすくなります。完成後に電話番号や価格、QRコードの間違いが判明すると、修正・刷り直しのコストがかかるために、制作会社との情報のやり取りは注意深くする必要があります。
フリーランスに依頼した場合の相場は数千円〜5万円前後となっています。
3. パンフレット
パンフレットはページ数によって料金は異なります。A4サイズ8ページのデザインで、印刷費用を除いて20〜60万円程度です。ページ数が少なければページあたりの単価は高くなります。制作会社の得意分野や実績によっても金額の差が大きいため、依頼する際は制作費用の内訳をしっかり確認しましょう。
フリーランスに依頼する場合は、2〜40万円前後となっています。制作会社に依頼するより安く抑えられますが、得意分野や制作実績をしっかり確認してからの依頼が懸命です。
4. ポスター
ポスターの相場は、A1・B1サイズの大判サイズの場合、印刷費用も含めて10〜25万円前後です。A3・B2サイズでは、2〜12万円前後となります。デザイン費用・印刷費用も大判になればなるほど高額になります。
撮影を伴う場合は撮影費用として人件費やスタジオ利用料などが上乗せされます。特殊加工を行う、色校正を重ねるなどの場合は、さらに追加料金がかかります。
フリーランスに依頼した場合の相場は2〜3万円となります。印刷費は別途がほとんどです。
5. 名刺(ショップカード)
名刺やショップカードの相場は、1〜3万円前後です。プランニング費用は割愛されることが多く、サイズが小さいために印刷費用も安く済むのが特徴です。両面モノクロの印刷の場合は8,000円から、両面カラーで15,000〜3万円前後が相場です。
近年、豊富なテンプレートからデザインを選び、必要事項を入力するだけで完成するオンラインサービスも増えてきました。コストを抑えたい場合はこのようなサービスを検討するのも一つの手段です。
フリーランスに依頼する場合は5,000〜3万円前後が相場です。ただし、凝ったデザインなどはクリエイターの力量次第となるため、ポートフォリオなどで実績確認は怠らないようにしましょう。
6. パッケージ
商品のパッケージのデザイン費用の相場は3〜60万円と幅広いです。大きさや素材、試作品作成の有無により金額が大きく変動します。また、印刷・加工費によっても金額が変わるため、詳細は費用を算出するには案件ごとに問い合わせをする必要があります。
フリーランスに依頼した場合は3〜20万前後となります。個人の場合も、大きさや素材によって金額は変動します。
7. Webサイト
Webサイトのデザイン費用は40〜100万円以上が相場です。事業規模や機能、ページ数によっても金額は変動します。大規模になると500万円以上かかるケースもあります。
フリーランスの場合は10〜40万円程度です。スキルや実績によって時給単価も変わるため、費用にばらつきが生まれます。
相場より料金が高くなる3つのケース
ここでは3つのケースを解説します。
- 大手広告代理店に依頼
- 著名デザイナーに依頼
- 取材や撮影が必要
1. 大手広告代理店に依頼
大手広告代理店に依頼すると、相場よりも高額になります。実績もあり、関わる人手も多くなるからです。制作期間も長くなることが多いので、依頼する側も相応の対応をしなくてはなりません。ただし、高いクオリティの仕上がりが期待できます。
2. 著名デザイナーに依頼
著名なデザイナーに依頼する際は、そのネームバリューに応じて費用がかかることがあります。しかし、その費用に見合うだけの価値はあり、優れたデザインクオリティに加えて宣伝・広告効果も期待できます。著名なデザイナーの手によるデザインは、その事実自体がアピールポイントとなりますので、プロジェクトの成功に向けてデザイン依頼を検討する際には、制作後の効果も検討してみましょう。
3. 取材や撮影が必要
取材や撮影が必要な場合は、それに伴う追加費用が発生します。また、ポスターやカタログに使用する写真や素材、キャッチコピーなども依頼する場合も追加費用が発生し、割高になることがあります。
グラフィックデザイン費用を安く抑える5つのコツ
ここでは5つのコツを紹介します。
- 自社内でデザイン案を用意する
- デザインのテイスト・方向性を固めておく
- 素材を自社で用意する
- 複数社から見積もりをとる
- フリーランスデザイナーと直接契約する
1. 自社内でデザイン案を用意する
デザイン案を準備することで、プランニング費用を抑えられる可能性があります。自社内でリサーチを行い、希望のイメージを明確にすることで、制作会社の負担が軽減されるからです。
グラフィックデザインにかかる費用の80%は人件費と言われており、デザイナーの作業時間を削減すれば、それに比例して費用も抑えられます。
2. デザインのテイスト・方向性を固めておく
初稿のデザインが出てきたときに、全くイメージが異なっていることが判明すると、大幅な修正が必要になり費用がかさむだけでなく、制作期間が伸びてしまいます。そこで、具体的なデザインのテイストや方向性があることで、修正回数を減らすことが期待できます。
修正費用はデザイン費用の20〜40%程度にあたります。頻繁な修正作業によって、予算オーバーのリスクも考慮しなければなりません。イメージを共有できる参考資料や画像などを準備し、明確なイメージや目的を制作会社に伝えましょう。
3. 素材を自社で用意する
可能な限り、自社で素材や写真を用意しましょう。デザイン制作費用や撮影費用を節約することができます。たとえば、ポスター撮影を例に挙げれば、社内のスタッフをモデルとして活用することで、スタジオレンタル費用やモデルの人件費を削減することができます。同様に、チラシ制作の際には、商品写真を自社で用意することで、プランニングにかかる費用を最小限に抑えることができるでしょう。
4. 複数社から見積もりをとる
デザインを依頼する際は、必ず複数社から見積もりをとって比較検討をすることが大切です。特にポスターやロゴ制作は制作会社やデザイナーによって大きく差が出ることがあります。満足のいくデザインを仕上げるためにも、予算とクオリティに納得のいく制作会社を選びましょう。
5. フリーランスデザイナーと直接契約する
ディレクションスキルが自社内にあるのであれば、高いスキルを持つフリーランスのデザイナーと契約することを検討しましょう。制作会社と異なり、フリーランスは個人で仕事を受けており、また制作進行のコミュニケーションを直接企業担当者と取ることになります。大手制作会社と比較すると工数が減り結果的にデザイン費用が安くなる場合が多いです。
グラフィックデザインの依頼手順
ここでは依頼手順を6つのステップに分けて解説します。
- 見積もりを依頼する
- 正式に依頼する(契約書の締結)
- 企画の打ち合わせ
- デザイン制作開始
- 修正
- 納品
1. 見積もりを依頼する
まずは何社か見積もりを取り、比較検討をします。見積もりを依頼したときの対応や制作実績をもとに依頼先を選択しましょう。最初の対応が悪かった場合、実際に作業を進めても上手く進められないケースが多々あります。ただ依頼して見積もりの内容を確認するだけでなく、レスポンスの早さややり取りのしやすさなども意識しましょう。
2. 正式に依頼する(契約書の締結)
金額や実績に納得のいく制作会社を選び、正式に依頼します。完成までの具体的な流れや納期もこの時点で確認します。
また、契約書の締結を忘れないようにしましょう。制作を開始してから後付けで要件を決めると、「契約内容の範囲を超えた作業になった」などのトラブルにつながりかねません。納期や利用範囲、修正回数の上限や二次使用に関する取り決めなどを事前に決めておきましょう。
3. 企画の打ち合わせ
目的やデザインイメージ、希望の雰囲気やカラーなどを打ち合わせします。具体的にイメージを伝えることで、制作時間の短縮や修正回数の軽減につながります。しっかり話し合いましょう。
4. デザイン制作開始
方向性が固まり次第、デザイナーは制作に取り組みます。デザイン案が仕上がってきたら依頼主側が確認します。
5. 修正
完成したデザイン案を確認し、必要に応じて修正を行います。
修正の回数を減らすために、最初の打ち合わせでできるだけ具体的なイメージを伝えておきましょう。デザインが提出されたあとにターゲットの変更をしたり、曖昧な修正指示をしてしまうと、大幅な修正が必要となり、費用がかさみます。口頭だけでなく、イメージ画像を用意するなど視覚的に伝えることで、当初の修正費用の範囲内で抑えることができるでしょう。
6. 納品
デザインの修正と確認が完了して、納得のいくデザインが仕上がったら完成となります。データを送付してもらい、納品完了です。
先に依頼する業務を決定し人材をアサインする際には、職務を記述する「ジョブディスクリプション」の作成もおすすめです。以下の資料では、テンプレート付きで作成方法を解説しています。
無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
グラフィックデザインの依頼で失敗しないための4つのポイント
スムーズな進行とトラブルの予防のために、以下の4点に注意しましょう。
- 制作の目的を明確にする
- デザインの方向性を具体的に伝える
- 余裕のあるスケジュールを組む
- 必ず契約書を作成する
1. 制作の目的を明確にする
最初に、グラフィックデザインを通じて伝えたいことや要件を明確に整理しましょう。目的やターゲット、伝えたいイメージなどが具体的であればあるほど、デザインがイメージ通りに仕上がりやすくなります。
「女性向けのノベルティを作りたい」「子ども向けのパッケージにしたい」など、理由や目的を伝えることで、より効果的なアイディアが提案されることも期待できます。
2. デザインの方向性を具体的に伝える
「かっこよくしてください」といった曖昧な指示では、確認の工程がかさんだり、修正や差し戻しが発生するなどデザイナーに負担がかかり、納品までの時間もかかってしまいます。
「メインカラーは○色にしてください」など、イメージが具体的すぎて困ることはありません。イメージに近い画像や色味などを参考素材として提示しましょう。また、NGデザインのサンプルを共有することも有効です。依頼指示書にまとめて、認識違いを防ぐ工夫もしましょう。
3. 余裕のあるスケジュールを組む
デザインには細かい作業も多く、そのために予想以上に時間がかかることがあります。修正が必要になる可能性も考慮して、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
適切な文字の余白や誤字脱字の有無、写真の適切な加工など、確認すべき項目は多岐にわたります。シンプルなデザインであっても、急な納期ではクオリティを保つことが難しいことがあります。高品質なクオリティで仕上げてもらうためにも、余裕を持ったスケジュールの確保が大切です。
4. 必ず契約書を作成する
制作会社、フリーランスデザイナー、どちらに依頼する場合でも必ず契約書を作成しましょう。
契約書に記載すべき項目は以下です。
- 依頼した業務内容
- 成果物の納期
- 修正の可否と回数
- 社内情報の秘密保持
- 知的財産権の譲渡
- 成果物の利用範囲
- 二次利用時の使用料の有無と金額
上記の内容を明確に定め、双方に不利益のないように合意したうえで契約しましょう。制作は契約書締結後からにすることで、業務内容に認識ズレがない状態で開始できます。
グラフィックデザインの制作なら、実績豊富なフリーランスデザイナーが在籍しているクロスデザイナーがおすすめ!
グラフィックデザインの相場についてお伝えしてきました。
名刺やポスター、カタログの作成の際にぜひ参考にしてください。
なお、デザインの依頼先で迷っている場合は、即戦力のフリーランスデザイナーが揃っているクロスデザイナーに相談ください。
クロスデザイナーは、国内最大規模のデザイナー登録者から、厳正したデザイナーを最適なタイミングでご提案するフリーランスデザイナー専門のエージェントサービスです。現在、7,000人以上のデザイナーが在籍しています。
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エージェントに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週2〜3日の柔軟な依頼も可能なので、自社の作業量に応じて効率的に外注することができます。
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- クロスデザイナーの特徴
- クロスデザイナーに登録しているデザイナー参考例
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