
グラフィックデザインは、文字や写真、図形などを組み合わせて情報やメッセージを視覚的に伝える手法です。広告や出版、Web、アプリなど幅広い場面で活用され、企業活動に欠かせない役割を担っています。
この記事では、グラフィックデザインの定義とデザイナーの仕事内容や役割、スキルについて解説します。専門学校や大学、独学で身につくスキルはどう変わってくるのか、スキルの評価基準についても解説しています。デザイナーを採用するときの参考にしてください。
グラフィックデザインとは?
グラフィックデザインは、文字やイラストの配置、フォントのサイズ、配色などの要素を組み合わせて、情報やメッセージを視覚的に伝える手法です。
単に見た目を整えるだけでなく、目的やターゲットに合わせて「どう伝えるか」を設計する役割も担っています。
主にポスターやチラシなどの印刷媒体で活用され、集客や認知拡大、ブランド構築など、企業活動において重要な役割を果たします。
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グラフィックデザインの仕事内容と役割
グラフィックデザインの現場では、媒体や目的に応じてさまざまなデザインが求められます。主な仕事内容は以下のとおりです。
広告デザイン
商品の魅力やブランドの世界観を視覚的に訴求し、購買や行動を促すデザインです。キャッチコピーや写真、色使いを工夫し、短い時間で強い印象を与えます。
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パッケージデザイン
商品を魅力的に見せ、手に取りたくなる印象をつくるデザインです。素材や形状、配色を組み合わせ、ブランドらしさを演出します。
エディトリアルデザイン
雑誌やパンフレットなどのレイアウト設計をおこない、情報をわかりやすく整理します。読みやすさとビジュアルの統一感を両立させることが求められます。
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ブランディングデザイン
ロゴやビジュアルアイデンティティを通じて、企業や商品の印象をデザインします。長期的にブランドの価値を浸透させる役割を担います。
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グラフィックデザインとイラストレーションの違い
グラフィックデザインとイラストレーションは、どちらも視覚表現を扱いますが、目的が異なります。
グラフィックデザインの目的は、情報を整理して目的に合わせた伝え方を設計することです。対して、イラストレーションは、雰囲気や感情を表現し、メッセージを補足するなど、表現を目的としています。
ポスターや広告では両者を組み合わせることも多く、グラフィックデザイナーが構成を設計し、イラストレーターが世界観を描くなど、役割を分担しながら制作します。
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グラフィックデザインは独学で習得できる
グラフィックデザインは、必ずしも学校に通わなくても独学で習得可能です。ただし、デザイン業界は経験・実績を重視するため、知識だけでは評価されにくい面があります。独学での限界と、それを補う評価材料を理解しておくことが大切です。
デザイン業界は変化が激しい
近年、生成AI やノーコードツールの進化により、これまで人手でおこなわれていた作業の一部が制作支援ツールで代替されつつあります。
たとえば、デザインテンプレートを使用したデザインの生成や、素材の自動修正、コード変換などです。これにより作業時間の短縮やコスト削減が期待されています。
こうした技術革新はデザイン制作を取り巻く環境そのものを変えていく可能性があるのです。デザイナーにはツール操作だけではなく、設計や思考力がスキルとして求められるようになりつつあります。
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経験・実績が重視される
デザイン業界では、AIやテンプレートツールの普及により、誰でも一定水準のデザインを制作できるようになりました。
これにより、「作れること」そのものの価値は以前よりも下がり、制作の過程でどのように課題を解決したかが重要視されるようになっています。
また、Web広告やSNS運用など、デザインの成果がクリック率や反応率といった数値で把握できるようになったことも理由のひとつです。成果につながるデザインを実践してきた経験や実績は、採用や発注判断の指標としても役立ちます。
しかし、新卒者や実務経験の少ないデザイナーの場合、経験や実績を重視する評価軸だけでは判断が難しいケースも少なくありません。どのような環境で、どれくらいのレベルのスキルを習得してきたか、という学習背景に着目してみることで必要なスキルの評価が可能です。
たとえば大学や専門学校で学んだ内容から、基礎理論・実践スキル・課題解決力などの育成傾向を推測できます。
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大学・専門学校のグラフィックデザイン専攻での習得スキル
グラフィックデザインを専門的に学べる教育機関には、大学と専門学校があります。どちらもデザインの基礎理論や制作スキルを身につける点は共通していますが、学習期間やカリキュラムの目的が異なります。ここではそれぞれの特徴と、卒業生に多いスキル傾向を紹介します。
美大・大学
美大や大学のグラフィックデザイン専攻では、デザインの理論と表現を体系的に学ぶことを重視しています。
タイポグラフィやレイアウトといったデザインの基礎だけでなく、社会課題を題材にした企画型制作や、テクノロジー・映像・UI/UXなどを横断的に学ぶ機会も多くあります。
<習得できる主なスキル>
- デザイン理論
- コンセプトメイキング
- 企画立案の基礎
- プレゼンテーション
- 言語化スキル
大学教育では表現の自由度が高く、論理的な思考力や幅広い発想力が身につきます。しかし、現場のスピード感や制作フローに触れる機会は限られるため、実務経験の少なさが弱みになることも。
<評価ポイント>
- 作品に一貫したテーマや意図があるか
- 課題設定から制作までの思考プロセスが明確であるか
- 社会や事業との関わりを意識できているか
大学出身のデザイナーを評価するときは、「なぜこのデザインを制作したのか」を重視してチェックします。
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専門学校
専門学校のグラフィックデザイン専攻では、現場で通用する実践スキルの習得を目的としたカリキュラムが組まれています。広告デザインやDTP、パッケージデザインなどを『Illustrator』や『Photoshop』などの主要ツールを使用して制作します。
<習得できる主なスキル>
- デザインツールの操作スキル
- DTP・広告デザインなどの制作スキル
- 提案資料作成
- プレゼンテーションスキル
実務を想定した課題をくり返して、即戦力としての制作力や作業スピードを身につけます。理論やコンセプト構築の基礎を深く学ぶ機会は少ないため、表現の幅や企画力の面で課題が残るケースもあります。
<評価ポイント>
- 制作物の完成度
- クライアントワークを意識した構成・見せ方ができているか
- 課題解決や目的意識が感じられるか
専門学校出身のデザイナーは、制作現場で即戦力となる対応力が魅力です。現場で成果を出せる人材かどうかを見極めるには、上記の評価ポイントをチェックして判断してみてください。
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グラフィックデザインの外注先の探し方
グラフィックデザインを外部へ依頼する場合、依頼先の選び方によって品質やコスト、納期が大きく変わります。依頼方法にはいくつかのパターンがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
公募やコンペで探す
グラフィックデザインを広く募集したい場合は、公募やコンペの活用が効果的です。
複数のデザイナーから提案を募る形式で、多様なアイデアや表現を比較できるのが特徴です。
以下のような場合は、とくに公募・コンペで探すのが適しています。
- 新しいデザインの方向性を探したい
- 若手や新しいデザイナーと出会いたい
- 話題性やPR効果を狙いたい
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)などでは、ポスターやロゴなど全国規模のコンペが開催されています。プロだけでなく、学生や独学デザイナーも参加でき、経験を問わず実力を発揮できる場として注目されています。
ただし、選考や契約に時間がかかるため、納期に余裕のある案件向けです。応募数が多いほど管理・選定の工数も増えるため、採用後のフィードバックや契約条件を明確にしておくことが重要です。
関連記事:デザインコンペのメリット・デメリットを比較!依頼方法から注意点まで解説!
知人などに紹介してもらう
グラフィックデザイナーを探す際、社内や業界のつながりを通じて紹介してもらう方法もあります。信頼できる人からの紹介であれば、スキルや人柄を事前に把握でき、契約後のトラブルを防ぎやすい点がメリットです。
以下のような場合は、とくに紹介を活用した探し方が向いています。
- 長期的な関係を築けるデザイナーを探している
- 実績をもつ信頼できる人材を紹介してほしい
- 制作の進行や対応面で安心できる相手を探している
紹介による依頼は、相互の信頼関係を前提に進められるため、意思疎通がスムーズで品質が安定しやすいのが特徴です。ただし、範囲が限られるため、希望条件に合うデザイナーがすぐに見つからないケースもあります。
また、知人経由での依頼は口頭でのやりとりが中心になりやすく、契約条件や修正対応の範囲が曖昧になりやすい点にも注意が必要です。トラブルを防ぐためにも、発注書や契約書で業務範囲・納期・修正ルールを明確にしておくことが重要です。
関連記事:Webデザイナーを紹介してもらう方法と雇用、外注の使い分け方も解説
クラウドソーシングで探す
グラフィックデザインをスピーディに依頼したい場合は、クラウドソーシングの活用が有効です。『ココナラ』『クラウドワークス』『ランサーズ』などのプラットフォームを通じて、全国のデザイナーから提案を受けることができます。
以下のような場合は、とくにクラウドソーシングが適しています。
- 予算が限られている
- 複数案を比較検討したい
- 制作期間が短い
クラウドソーシングはプラットフォーム上で募集から納品まで完結するため、やりとりがスムーズで、初めて外注する企業にも使いやすいのが特徴です。ただし、登録者のスキルや制作経験には差があるため、ポートフォリオやレビューを確認して見極めることが大切です。
また、進行管理や修正対応などの実務的な調整をすべて自社でおこなわなければなりません。社内に担当者がいない場合や、品質・スケジュール管理に時間をかけられない場合は、負担が大きくなる可能性もあるため、事前の体制づくりが外注を成功させるポイントとなります。
関連記事:クラウドソーシングとは? 依頼できる業務と費用相場、メリット・デメリットや活用方法を解説
グラフィックデザインを依頼するならエージェントを活用しよう
グラフィックデザインを外注する際、品質・スピード・進行管理のすべてを安定させたい場合は、エージェントの活用がおすすめです。
要件整理から人選、契約後のフォローまでを一括でサポートしてくれるため、担当者の負担を減らしつつ、最適なデザイナーと出会うことができます。
即戦力デザイナーを最短即日で提案してもらえる
エージェントを利用する最大のメリットは、条件に合った即戦力デザイナーを短期間で紹介してもらえることです。
登録デザイナーのスキルや実績をもとにマッチングするため、募集や選考にかかる時間を大幅に削減できます。
多くのエージェントでは、最短即日〜数日以内に候補者を提案可能です。急な案件や人手不足にも迅速に対応でき、フリーランス・業務委託など柔軟な契約形態にも対応しています。
事前に求めるデザイナーの経歴などをジョブディスクリプションにまとめておくと便利です。以下よりジョブディスクリプションの作成に役立つテンプレートを無料で配布しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

契約後もフォローしてもらえるから安心
エージェントは、契約後のフォロー体制が整っているため安心して利用できます。契約手続きや報酬管理、スケジュール調整などを代行してくれるほか、稼働開始後も進行状況の確認やトラブル対応をサポートしてもらえます。
とくに初めて外部デザイナーへ依頼する企業にとっては、コミュニケーションや納期管理の負担を軽減できる点が大きなメリットです。プロジェクトを安定して進めやすくなります。
エージェントに任せきりにせず、自社でもマネジメント体制を整えておくと、より円滑な進行が可能です。以下では外部人材とのコミュニケーション方法について解説しています。体制づくりにぜひお役立てください。

将来的に正社員採用につながるケースもある
エージェント経由で出会ったデザイナーは、プロジェクト単位の契約からスタートし、実際の業務を通じて適性を見極めたうえで正社員として採用するケースも増えています。
採用前にスキルやコミュニケーションを確認できるため、ミスマッチを防ぐことが可能です。とくにデザイン業務はチームとの相性や提案スタイルが成果に直結するため、実務評価を経てからの採用は非常に有効な方法といえるでしょう。
エージェントによっては、業務委託から正社員登用への切り替えをサポートしてくれるところもあります。採用活動の工数を抑えながら、即戦力人材をスムーズにチームへ迎え入れることができます。
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フリーランスのグラフィックデザイナーをお探しならクロスデザイナーがおすすめ
グラフィックデザインを手がけるデザイナーは、印刷媒体などのデザインに長く携わってきている人がほとんどです。近年はその知識やスキルがほかのデザインの分野にも活用されています。
経験を積んだデザイナーはフリーランスとして働く人が多いため、プロ人材へグラフィックデザインを依頼したいなら、デザイナーの働き方や取り巻く環境を理解したうえで採用戦略を立てることが大切です。
自社で採用が難しいときは、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービス『クロスデザイナー』へご相談ください。
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