デザイン依頼、うまく伝わらずに困った経験はありませんか?デザインのイメージを共有してお互いしっかり話し合ったはずなのに何かが違っているなど、上手く伝えられないということに悩む人も多いでしょう。
本記事では、デザイン依頼を効率化するためのテンプレートと例文をご紹介します。依頼書の基本構成、具体的な文例まで、すぐに使える実践的な内容となっていますので、ぜひお役立てください。
デザイン依頼前に準備すべき項目
以下の項目を準備しておくことでスムーズに依頼することができます。
- 制作目的
- ターゲット層
- 希望するデザインのスタイルとテイスト
- 納期
- 予算
- 参考資料や競合のデザイン例
- 納品形式
- 素材(ロゴ、イラスト、写真)
それぞれ解説します。
制作目的
デザインが何を達成するためのもので、どのような効果を期待しているかを明確にします。たとえば、「商品の認知度を高めたい」「サービスの魅力を視覚的に伝えたい」など、具体的な目標を伝えることで、デザイナーはその目的に合わせた提案がしやすくなります。目的が不明確なままだと、方向性がブレるおそれもあります。
ターゲット層
アプローチしたいターゲット層(年齢、性別、趣味嗜好、ライフスタイルなど)を明確にします。誰に向けてデザインするのかをはっきりさせることで、デザインのトーンやメッセージがターゲット層に響きやすくなります。ターゲット層に合わないデザインは、効果が薄れてしまうため、ここは非常に重要なポイントです。
希望するデザインのスタイルとテイスト
具体的なデザインのスタイルやテイストを伝えることで、デザイナーが依頼者の期待に沿ったデザインを作りやすくなります。たとえば、「ゲームのようなポップなデザイン」「柔らかく親しみやすいテイスト」など、希望する方向性をあらかじめ伝えると、デザインのイメージが明確になります。言葉で表現が難しい場合は、参考となるデザイン例やキーワードを共有するのも効果的です。
納期
プロジェクトの締め切りや、途中のチェックポイントを含めたスケジュールを事前に設定します。修正やクオリティチェックが十分に行えるように、余裕を持った納期を設定することが重要です。急ぎの依頼であれば、その旨を伝えて調整する必要があります。
予算
プロジェクトにかけられる予算を事前に明確にします。デザインの質や対応範囲は、予算によって大きく異なるため、希望する予算を共有することで、デザイナーはその金額内で制作できるように調整してくれます。また、追加費用が発生する可能性がある場合は、その条件も確認しておきましょう。
参考資料や競合のデザイン例
依頼するデザインの参考になる資料や競合のデザイン例を集めておきます。これにより、デザイナーが依頼者のイメージや期待するスタイルを理解しやすくなります。競合デザインや、自社の過去のデザインを見せることで、希望する方向性を具体的に伝えることができます。
納品形式
最終的にデザインをどの形式で納品してもらうかを決めておきます。たとえば、印刷物であればaiやpsdなどの形式がよく使われています。Web上で使う場合は、aiやpsdに加え、pmg、jpgになります。納品形式が指定されていないと、後で再依頼や修正が発生する可能性があるため、スムーズなプロジェクト進行のためにも最初に決めておきましょう。
素材(ロゴ、イラスト、写真)
デザインに使用する既存の素材がある場合、それらを事前に準備しておきましょう。ロゴや写真、イラストなどを適切なフォーマットで共有することで、デザイナーがスムーズに作業を進めることができます。また、素材の権利や使用許可に関しても事前に確認しておくことが大切です。
依頼テンプレートの基本構成
テンプレートの基本構成を抑えておくことで、抜け漏れなく依頼することができます。また、テンプレートがあることで依頼内容が明確に伝わり、デザイナーも作業しやすくなります。
- 目的と背景の明確化
- 希望納期
- 希望予算
- 納品形式とファイル形式の指定
- 素材の有無
- 二次利用の有無
- ラフ案、修正の料金
それぞれについて解説します。
目的と背景の明確化
デザインを依頼する際には、まず制作の目的と背景を明確にしましょう。なぜそのデザインが必要なのか、どんな結果を期待しているのかを具体的に伝えることで、デザイナーは依頼者の意図を正確に把握できます。これにより、最終的なデザインが目的に沿ったものになりやすく、プロジェクトの方向性がブレにくくなります。
希望納期
いつまでに完成品がほしいのか、納期を明確に指定しましょう。デザイナーのスケジュール調整がしやすくなり、プロジェクトが予定通り進む可能性が高まります。
余裕を持った納期を設定することが理想ですが、緊急の依頼の場合にはその旨を記載し、デザイナーがスケジュールを調整できるようにします。中間チェックやラフ案の提出期限もある場合は、事前に伝えておきましょう。
希望予算
どのくらいの予算が使えるのかを伝えます。予算を明示することで、デザイナーは提供できるサービス内容を適切に調整し、無駄なやり取りを省くことができます。また、追加の修正やオプションが発生する場合の費用も確認しておきましょう。
納品形式とファイル形式の指定
どのような形で納品してほしいのかを伝えましょう。納品形式とファイル形式を事前に指定しておくことで、デザイナーが作業の進め方を決めやすくなり、後のトラブルを防ぐことができます。
Web用の画像ファイルや印刷用のデータ(ai形式、png、jpgなど)は用途に応じた形式を明確に指定しましょう。また、サイズや解像度に関する要望も伝えておくとスムーズです。形式が分からない場合はデザイナーに相談すれば、最適なものを提示してくれます。
素材の有無
デザインに使用する既存の素材(ロゴ、写真、イラストなど)があるかどうかを伝えます。素材がある場合は、その形式や解像度、権利に関する情報もあわせて伝えましょう。素材がない場合は、新たに入手、作成してもらう必要があるかどうかも伝えます。
二次利用の有無
今回制作してもらったデザインを、別の用途で使うことを伝えましょう。たとえば、LPに使用したデザインを別の広告やパンフレットで再利用する予定がある場合、あらかじめデザイナーに許可を取る必要があります。二次利用がある場合には、その範囲や形式を明示し、追加費用が発生するかどうかも確認しておくと良いでしょう。
ラフ案、修正の料金
デザイン依頼時にラフ案や修正回数について事前に取り決めをしておくことで、余計なコストやトラブルを避けられます。修正回数やラフ案の提出が何回まで含まれているかを確認し、それ以上の修正が発生した場合の料金についても話し合っておきましょう。
実際の依頼するときの例
上記をまとめたときの例を、リーフレットのデザイン依頼で紹介します。
新商品の認知拡大を図るためのリーフレットのデザインを依頼したいです。ターゲットは20〜30代の女性です。見開きA4三つ折りタイプでページ数は1ページです。 納期は〇月〇日までを希望していますが、途中でラフ案を確認できるタイミングを設けていただければ幸いです。 予算は〇〇円〜〇〇円を希望です。 納品形式はWeb用のpngファイル、印刷用にはaiファイルでお願いします。 弊社のロゴデータ(ai形式)と商品の写真(jpg形式)は別途お送りします。 今回のデザインはリーフレットだけでなく、社内で文字を変えて後日SNS広告にも使用する予定です。二次利用の範囲についてご相談させていただけますでしょうか。 基本料金の中に、ラフ案と修正は含まれていますでしょうか。また、含まれている場合〇回までかも教えてください。追加の修正が必要な場合は、別途料金が発生するかどうかも教えてください。 |
テンプレートと例文の具体例
ここではテンプレートと例文の具体例を4つのパターンに分けて紹介します。
- デザイン制作依頼をするとき
- デザイン修正依頼をするとき
- デザイン追加依頼をするとき
- 急ぎの案件を依頼するとき
デザイン制作依頼をするとき
いつまでに新規制作をしてほしいのか、期限と要望をしっかりと明記しましょう。
また、目的を冒頭に書くことも大切です。最後は「いつまでに返信が欲しいか」も忘れずに記入しましょう。(例:お忙しいところ恐縮ですが、今週中にご確認いただけますと幸いです。)
具体例: 件名:新商品のLPデザイン制作のご依頼(納期:12月11日) 〇〇様 お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。 今回、新商品のランディングページ(LP)のデザイン制作をお願いしたくご連絡いたしました。 依頼内容:
具体的なテキスト内容や商品の画像は、別途お送りいたします。また、参考となるデザイン例として、以下のURLをご覧ください。 (参考URL) お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただき、お引き受けいただけるか〇月〇日までにお見積もりをいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 署名 |
デザイン修正依頼をするとき
修正依頼の際は、具体的に「どこを」「どのように」修正したいのか伝わるように心がけましょう。デザインは具体的な指示が難しいため、参考デザインがあると分かりやすくなります。また、修正理由があるとデザイナーも意図を理解できるため、対応しやすくなるでしょう。
具体例: 件名:LPデザインの修正依頼(納期:11月29日) 〇〇様 いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。 先日作成いただいたランディングページデザインについて、以下の点を修正いただきたくお願い申し上げます。 修正内容:
理由は、CTAボタンの色味が背景と馴染んでしまったからです。また、フォントサイズの調整は、視認性を高めるためです。商品画像の差し替えは、より目立たせたいと思い、新たに社内で撮り直しました。 12月の第2週から広告運用に回したいため、納期は11月29日を希望しております。 ご確認のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 署名 |
デザイン追加依頼をするとき
追加依頼をする場合は、まず案件名・制作ボリュームを伝えます。詳細は既存資料に色を変えて追記すると、どこが追加になったのかが一目で分かり、スムーズにデザイナーに伝わります。
追加依頼は追加料金なしで対応してもらえる場合もありますが、以下のようなケースは追加で見積もりを依頼しましょう。
- XXサイズのバナーを〇点、〇月〇日までに依頼することは可能か
- ヘッダーを変えたものを1点追加して欲しい
また、社内で予算より増えることを告知し、承認を取っておきましょう。
具体例: 件名:LPデザインに追加要素のご依頼(納期:11月15日) 〇〇様 お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。 現在進行中のランディングページのデザインについて、1点追加のお願いがございます。 追加内容①:お客様の声(口コミ)セクションをLPの下部に追加してください。 デザインスタイル:現行のデザインに合わせ、シンプルにテキストと星評価のみで構成してください。 納期は11月15日までにお願いできればと思います。追加の要件があり恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 署名 |
急ぎの案件を依頼するとき
急ぎの案件を依頼する際は、件名で「案件の名称」「緊急度」「納期」が分かるようにします。デザイナーには、対応の優先順位を把握してもらうために、なぜこの案件が急ぎであるのか、その背景や重要性も簡潔に説明すると良いでしょう。
納期については、デザイナーのスケジュールによっては対応が難しい場合もあるため、「〇月〇日までに対応可能か」と具体的な期限を示し、対応可否を確認します。
また、急ぎの依頼は、通常の作業スケジュールに影響を与える可能性があるため、追加料金が発生するケースもあります。見積もりを依頼すると同時に、社内でも急な予算の増加について事前に承認を得ておくことが重要です。
具体例: 件名:【至急】バナー制作依頼(納期:11月5日まで) 〇〇様 いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。 急遽、新商品のプロモーションバナーのデザインをお願いしたくご連絡いたしました。広告掲載が予定より早まったため、短納期での依頼となり恐縮ですが、下記内容でご対応いただけないかご検討いただき、見積書をお願いいたします。 依頼内容:
テキスト内容やロゴデータは別途お送りいたします。ご多忙の中とは存じますが、何卒ご対応いただけますと幸いです。 署名 |
デザイナーに伝わりやすい依頼のコツ
以下4つを意識すると、デザイナーにより伝わりやすくなり、依頼がスムーズに進みます。
- 円滑なコミュニケーションのために必要なこと
- 依頼書に含めるべき細かい指示や参考資料の提供方法
- NG例とその改善策
- デザイン案へのフィードバック
円滑なコミュニケーションのために必要なこと
デザイナーとの間で円滑なコミュニケーションを保つためには、正確で具体的な依頼内容を伝えることが不可欠です。曖昧な表現や一方的な説明では、誤解や意図のすれ違いが起こりやすくなります。
そのためには、依頼の目的や最終的に達成したいゴールをはっきり伝えましょう。デザイナーは依頼者の期待を具体的に理解し、適切な提案ができます。また、デザイナーからの質問や確認事項に対して、できるだけ迅速に回答しましょう。プロジェクトがスムーズに進み、デザイナーにとっても仕事しやすい環境となります。
依頼書に含めるべき細かい指示や参考資料の提供方法
デザイナーに依頼するとき、具体的な指示や資料を提供することが重要です。正しい依頼をしないと、どんなにデザイナーのスキルが高くても希望するデザインは仕上がりません。
特に細かい部分まで明示することで、デザイナーの理解が深まり、イメージ通りの成果物が上がりやすくなります。たとえば、色、フォントサイズ、レイアウトなどのデザイン要素に対して、明確な指示を出します。たとえば「シックな赤色」ではなく「#8b0000のダークレッド」など、具体的な色コードを指定することで、すぐにイメージが伝わります。
ほか、イメージが近いデザインや競合の例を添付し、デザイナーが視覚的に理解できるようにします。希望するデザインスタイルをより正確に伝えることができます。その中でも「このデザインのどこが気に入ったのか」など、最も重要な要素や優先順位を示すことで、デザイナーが何を最優先に考慮すべきかを明確にできます。
NG例とその改善策
曖昧な依頼や不十分な指示は、期待通りのデザインが仕上がらない原因になります。どこがNGなのか、どう改善すべきかを意識して依頼することが大切です。
NG例:「スタイリッシュでかっこいいデザインにしてほしい」
改善策:「黒を基調とした、シンプルで洗練されたデザインを希望します」
NG例ではデザイナーに意図が伝わりにくく、結果として全く期待と異なるデザインが仕上がることがあります。「スタイリッシュ」という漠然とした言葉を避け、具体的に色やトーンを明示します。
さらに、参考となるデザインを提示することで、デザイナーの理解が深まります。
また、よくあるデザインの失敗例として、文章がまだ決まっていないためダミーテキストを入れたままになっていた、素材がまだ揃っていないので仮に入れていたのをそのままにしていたなどが挙げられます。差し替えの連絡も忘れずにしておきましょう。
デザイン案へのフィードバック
デザイン案を確認した後、具体的なフィードバックを行うことで、デザイナーが適切に修正を加え、期待に沿った最終デザインを完成させることができます。
漠然と「少し違う」などのフィードバックではなく、具体的に「ボタンの色が暗いので、もう少し明るめの色に変更してください」など、具体的な部分を指摘します。その際、デザイナーが提供したデザインの良い部分も伝えることで、デザイナーがどの部分を強調すべきか理解しやすくなります。「この部分はとても良いですが、CTAボタンをもう少し目立たせたいです」といったように、改善点と良い点をセットで伝えると効果的です。
修正回数が定められている場合もあるので、契約時に確認をしておきましょう。ただし、すべての修正を一度に求めるのではなく、優先順位をつけることで効率よくデザインが仕上がります。
デザイン依頼ならエージェントがおすすめの4つの理由
デザイン依頼に慣れていない場合、また急ぎの場合や効率よくデザインを仕上げたい場合は、エージェントの利用がおすすめです。
- テンプレート不要で依頼できる
- 専門知識を持つプロのサポートが受けられる
- クオリティの高いデザインが期待できる
- コミュニケーションの手間が大幅に軽減される
テンプレート不要で依頼できる
エージェントを利用すれば、テンプレートや定型文に従って細かい情報を自分で用意する必要がなく、簡潔に要望を伝えるだけでプロジェクトが進められます。エージェントが依頼内容を整理してデザイナーに伝えるため、依頼者は複雑な準備をしなくてもスムーズに依頼が完了します。これにより、スピード感を保ちながらも、しっかりと依頼内容が伝わります。
専門知識を持つプロのサポートが受けられる
エージェントはデザイン業界の専門知識を持っており、依頼者の要望を理解した上で、最適なデザイナーやアプローチを提案してくれます。デザインの知識が少ないと、依頼内容が不明瞭になりがちで、結果として意図が伝わらず仕上がりに満足できないことがありますが、エージェントに依頼するとその心配はありません。プロのサポートを受けることで、依頼がよりスムーズに進むでしょう。
クオリティの高いデザインが期待できる
エージェントは厳選されたデザイナーと提携しているため、クオリティの高いデザインを提供できるデザイナーにアクセスできるのが大きなメリットです。自分でデザイナーを選ぶリスクを回避し、確実に高い技術とセンスを持つデザイナーに依頼することが可能です。
コミュニケーションの手間が大幅に軽減される
デザイン依頼で最も手間がかかるのは、デザイナーとのコミュニケーションです。最適なデザイナーを見つけるためのやり取りを全て担当者だけでやろうと思えば、大きな手間がかかるでしょう。また、デザインの知識に詳しくない場合は、自社のプロジェクトに適したデザイナーかどうかの判断にも時間やエネルギーがかかります。
その点、エージェントは希望するデザインを実現できるデザイナーを紹介してくれるため、時間の節約になるだけでなく、コミュニケーションにかかるストレスが大幅に軽減されます。スムーズにプロジェクトが進行することができることは大きなメリットといえるでしょう。
デザイン依頼なら、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービスのクロスデザイナーに相談ください
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